日立製作所やパナソニック、東芝が撤退した国内画像診断事業は、大手ではキヤノン、富士フイルム、コニカミノルタ、島津製作所の4陣営に集約されている。ところが、関係者からは、人口減少が進む中でさらなる再編が必至との声が上がる。特集『医療機器 21兆円への挑戦』の#4では、画像診断大手各社の強みや戦略を明らかにするとともに、「再編シナリオ」を独自予想する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
国内画像診断大手は4陣営に集約
もう一段の再編が不可避
国内メーカーが相次いで参入する医療機器事業の中でも、特に“出入り”が激しいのがX線や超音波診断といった画像診断の領域だ。この分野は、かつて日立製作所やパナソニック、東芝といったエレクトロニクス大手が手掛けていた。だが、電機大手が事業を手放した現在では、大手ではキヤノン、富士フイルム、コニカミノルタ、島津製作所の4陣営に集約されている。
再編が進んだかに見える画像診断領域だが、医療機器の産業振興に携わる政府関係者は「人口減少が目に見えている国内でプレーヤーが4社もいるのは多過ぎる。欧米勢と戦うにはもう一段の再編が必須だ」と注文を付ける。
画像診断の大手4社は、いずれも別の稼ぎ頭を持つ“兼業”メーカーだ。成長性が見込めなくなれば、画像診断事業をいつ手放さないとも限らない。
では、再編はどのように進むのだろうか。
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