企業への貸し出しや手数料収益といった、銀行の本業の力を測る本業利益率。3期半分の財務データから九州・沖縄の地銀20行の本業利益率を算出し、数字の低い順に並べたワーストランキングを作成した。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#17でお届けする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
半導体関連の資金需要に沸いた九州
地銀の本業利益率はどう変化した?
九州の地方銀行は2024年、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出に関連する、旺盛な資金需要に大いに沸いた。
TSMCやその関連企業が進出する熊本県周辺では、技術者の移住や出張が増えることを見越して、ホテルや住宅の建設、小売業の進出などが増え、地元の不動産業や建設業で新たな資金需要が発生した。加えて、マイナス金利の解除と7月の追加利上げによって本格的な金利上昇時代が到来。銀行にとって稼ぎやすい環境が訪れ、九州の地銀は願ったりかなったりの、大忙しの一年だったに違いない。
そんな盛り上がりを見せた、九州の地銀の本業利益率はどのように推移したのか。
ダイヤモンド編集部では、海外金利が上昇し始めた22年3月期から25年3月期中間決算までの3期半の、地銀の本業力を分析した。国内金利が上昇局面に転換した24年3月期以降の得点配分を2倍にし、50点満点で点数化。点数の低い順に並べ、ワーストランキングを作成した。
対象の銀行はメガバンクを含む都市銀行と地方銀行、第二地方銀行、埼玉りそな銀行、あおぞら銀行の合計103行で、財務データはQUICKの協力を得て、「QUICK Finer Compass」から取得した。
本稿では、九州・沖縄に本社所在地がある20の地銀を対象にしたランキングをお届けする。
結果は、前述したTSMC進出などの影響で、好調な地銀が多かった。だがその一方で、恩恵を受けられなかったのか、取り残されている地銀もあった。次ページで公開する。