私もシャア派ですね。でもサザビーとニューガンダムはデザイン的にどっちも名機だと思うので優劣つけがたいです。
シャアの方が好きな理由は単純で彼は何度も壁にぶつかりながらも積極的に前進しているからです。「戦士は生きているうちは戦い続けなければならない」、「生きている人間にしかできないことがある」、「彼らは宇宙にこそ希望の大地があると信じた。自分たちを宇宙に追いやった地球のエリートを憎む事より、その方が余程建設的だと考えたからだ。」
こういう考え方をした人間の方が好きです。当然ガンダム世界は甘くないし、シャアが動けば戦争(悲劇)が起きてしまうのがストーリー上の常なんですが、それでもそもそもあの宇宙世紀の退廃的な世界観をみれば好感が持てます。
あと、望む・望まざるとも時代の中心という過酷な環境にいるので政治的・社会的な風刺の発言も光っていると思います。
アムロはその点について質問者様の仰る通りに状況に翻弄されているだけの男でしかないです。その人生のイライラや潜在的不満をMSパイロットとしてシャアにぶつけるしかなくなったというのが逆シャア時のアムロだと思います。
実際にシャアがいなければ、監禁生活&干されていてガンダムを与えられなかったでしょうし、シャアがサイコフレームをリークしなければ「情けないMS」で戦うしかなかったのです。しかもロンド=ベルで数年間かけてコロニーを全部調査したのにシャアの足取りもつかめないという嫌われまくって生き甲斐のない人生です。チェーンみたいな従順な女性にちょっと頼りになる大人風ふかしているだけの男だと思います。
単純に言えば「アムロがいなくてもシャアは自分で人生を広げられるし、それだけの能力も行動力も精神性もある男」ですが、「アムロはシャアがいなければ機械いじりの少年、シャイアン基地で生ける屍になった人間、自分の能力を活かせる機体も職場もない監視下の生活と何もできない男」なのです。
こういう「自分では無力であり、何かを変えることもできない男が道徳を語ったり、人類の可能性や希望を論じる」というのが正直言ってルサンチマン(弱者の強者に対する怨恨)だと思います。
実際にシャアがアムロに言った「ならば今すぐに愚民どもに叡智を授けて見せろ(実際にはお前は何もできないし、してないじゃないか)」という発言が全てだと思います。