朝ドラ『ばけばけ』の第1週が終わりました。 最後の回にヒロイン髙石あかりさんが本格登場して、ドラマは早くも臨戦態勢に入った感じです。 · 「逆転しない正義」を話の根幹に据えた前作『あんぱん』の趣旨とテーマは明確でしたが、『ばけばけ』は何でしょう。 なぜ今、小泉八雲とセツ夫妻をモチーフにした怪談ドラマなのか。 前作同様、今回も有名人を伴侶にした女性の一代記です。 夫ありきの妻の物語。 戦後80年ということもあって最初から伝えたいことを全面に打ち出した『あんぱん』に対し、『ばけばけ』は今のところよくわかりませんが、作者の意図や思いが籠められていない創作劇などあり得ません。 このドラマは観ている人に何を伝えたいのでしょうか? あなたはどう思われますか?
前作『あんぱん』は戦争を挟んで戦中戦後で生き方や考え方を変えなければならなかったヒロインの苦悩と格闘を描きましたが、『ばけばけ』も武士の世から近代日本の幕開けに遭遇した人たちの戸惑いと彷徨を描いています。 時代は違いますが、どちらもある時を境に一変した社会を生きた人々の物語です。 個人的に興味深い登場人物は雨清水夫妻。 史実によるとヒロインは彼らの実娘ですが、ドラマでは親戚関係です。 このへんの設定に作者の狙いがありそうな気がします。 優しいオジサマと厳しいオバサマの指南はヒロインの人生にどんな影響を与えるのでしょうか。 雨清水タエを演じる北川景子さんがハマリ役みたいで必見です。 夫役の堤真一さんは何を演じてもサマになります。 さりげないアプローチに彼の役者魂と芝居勘が窺えます。 あの時代に工場で働く若い女性を描くと「女工哀史」の言葉が浮かびますが、明治20年前後はそれほど劣悪な職場環境でなかったのか、傅の工場が人道的だったのか…借金地獄の中、とりあえずヒロインはまずまずの暮らしぶりですね。 カステラをお墓に見立てて背後でブー垂れる司之助を弔う母と娘…思わず笑ってしまいました。
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