多言語翻訳者です。長文ですが、参考になればと思い綴ります。 言語には相性があるので、英語にこだわる必要はありません。「外国語＝英語」という、日本人が刷り込まれた発想は捨てましょう。実際に私は英語がまったく出来ませんでしたが、中学生のときにイタリアが大好きで、NHK講座でイタリア語を聞いた瞬間に自分に合っていると思い、独学で勉強を始めました。イタリア語に慣れてから英語を始めました。それが現在の仕事につながりました。ドイツ語も少し習得しました。 9言語を流暢に操るのに、英語がまったく出来ないというポーランド人の話を知人から聞いたことがあります。英語ができなくても中国語や韓国語が堪能な日本人がいれば、日本語・英語とアラビア語の3言語が堪能なフランス人もいます。 日本では「外国語・グローバル（国際化＝英語」という考えが何十年にもわたって根付いていますが、これは視野が非常に狭い考えです。国際化は異国との関わりですが、その形は様々です。 ●自国（例：日本）で日本語または外国語を使って外国人と関わる ●日本語または外国語を使って自国のことを海外に紹介する ●英語を使って不特定多数の国と関わる ●特定の言語を使って特定の国や地域と関わる（例：ドイツ語を使ってドイツ語圏の国々と関わる） 英語力があれば、ドイツ語を母語とする人も含め、不特定多数の国の人と関わり、様々な国の情報を入手できるのは事実ですが、相手が英語を話せることであり、知りたい情報も英語で書かれていることが条件です。誰でも英語を話せるわけではありません。英語が公用語ではない国のことを知るには、当然のこと、英語よりも現地の言葉を知っている方が圧倒的に有利です。 ドイツを含め、ドイツ語圏に興味があれば、ドイツ語を勉強するとよいです。好きこそ物の上手なれです。