孤独のROM専 第一話「東京都渋谷区鉢山町のはてなダイアリー」

孤独のグルメ (扶桑社文庫)

孤独のグルメ (扶桑社文庫)


……とにかくネットを巡回していた


俺は某匿名掲示板で よいスレがあるというので見に来たが 予想を上回るボロさだった
そのうえ夏休みが近いせいか スレの流れに最悪の中学生が多く 荒らしや教えて君がひどい
まったくの無駄足だった


おまけにどうやら俺は またもブラクラを踏んだらしい
しかも……
追い討ちをかけるように画面がフリーズする


まいったな…いったい何回再起動したんだ


焦るんじゃない
俺は面白い文章が読みたいだけなんだ
チラシの裏を読みすぎて死にそうなんだ


ああ…情けない
どこも読まないままタブブラウザごと閉じて何をやっているんだ
アンテナから入りなおすか…いやいや
同じアンテナからウロウロしてたらヘンに見られる…


「はてなブックマーク」


ええい!ここだ入っちまえ!


ブログをいくつか読んでいくと
少し気が楽になり
ブログ界隈を見回すゆとりがでてきた


しかし…みんなクネクネしているのはなぜだろう?
でもある種の美意識が感じられる…


これはひどい!そういうタグもあるのか


多いんだな…これはひどい
しかしあとで読むとは本当に読むのか


うーん…非モテと喪男でキモメンがダブってしまった
なるほど…
このブログサービスはネタとメタで十分なんだな


この炎上ブログは正解だった
釣られ具合もちょうど良い
アルファブロガーづくしの中ですっごく爽やかな存在だ


まるで小学校のホームルームでつるし上げられるいじめられっこのようだ


なんだかしょっぱくって
いいブログじゃないか


しかし結局このはてなの中で記事を書くブロガーってのは
ほとんど負け組みより勝ち組のブロガーなんだな


俺はゆったりとタブを閉じる
目は疲れすぎた…ドライアイだ


俺は数サイトめぐったところで
はてなを振り返った


おそらく…俺はあの村には不釣合いなキモオタヒッキーだったんだろうな…


なるほど…あれがさっきのこれはひどいタグか


ようやくニュースサイトにでた
新作エロゲー紹介があれば見よう
無ければブラウザのお気に入りからエロサイトに出ればいい
そう思った


俺は得たいの知れない奇妙な満足感を味わっていた