YouTubeの公式チャンネルに音楽という項目がある。開いて一番最初に並んでいたのはこれだった。
PPAP/PIKOTARO(ピコ太郎) 視聴回数 77,925,986 回
このYouTube公式チャンネルは国籍設定を変えると、その国で上位のトラックが表示される。
アメリカを見てみたらこれだった。
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アメリカ
The Weeknd - Starboy ft. Daft Punk 視聴回数 169,724,864 回
全然知らない。でも視聴回数は1億7千万近い。ft.Daft Punkだそうだ。Daft Punkはフランスのテクノをやってるグループ。
Daft Punk - Get Lucky
比較的最近の曲だとこれが有名。これもft.Pharrell Williams & Nile Rodgersとなっている。Pharrell Williamsだったら3年ぐらい前に流行ったこれが有名。
Pharrell Williams - Happy
フランス
さておき、一方のフランスを見てみよう。
うーん、同じだ。フランスのYouTubeでも同じのがトップに来ている。だったらイギリスはどうかと思ってイギリスを見ても同じだった。スペインもイタリアも同じ。ではドイツは。
ドイツ
David Guetta, Cedric Gervais & Chris Willis - Would I Lie To You 視聴回数 1,862,124 回(レーベルの方)
クラブミュージックですね。英語詞だがDavid Guettaはフランス出身のDJらしい。ちなみにこの曲は音楽レーベルの公式動画がお住いの地域では提供されていないということで、アーティストの公式動画を貼った。レーベルの方がトップに並んでいたが、他の地域で非公開のためか視聴回数は100万ちょっと。アーティスト側も700万ぐらいしかなかった。
さて、ここらでちょっと西欧を離れて北欧当たりに行ってみよう。スウェーデン、ノルウェー、デンマークを見てみたらなんとアメリカ、フランス、イギリス、スペイン、イタリアと同じだった。欧米文化圏強し。じゃあフィンランドは。
フィンランド
Saara Aalto - Let It Go (Frozen) Multi-Language, 15 languages 視聴回数 2,035,760 回
まさかのアナと雪の女王カバーがトップに並んでいる。フィンランド語なのか?動画の説明を見てみると
Saara Aalto is the voice of Princess Anna in Finland and now she sings Let It Go in 15 languages! Saara is now a contestant on the X Factor UK 2016!
ということは15ヶ国語が混ざっているみたいだ。最後が英語だった。純粋に音楽トレンドというより企画モノがトップに来ている。
元の曲
気を取り直してどこか別の国へ行ってみよう。インドあたりはどうか。
インド
Kala Chashma | Baar Baar Dekho | Sidharth M Katrina K | Prem Hardeep Badshah Neha K Indeep Bakshi 視聴回数 123,900,231 回
安定のインド。でもエフェクトがかかっていたり楽曲の作りは最新だなあ。インド人が歌ってるけどアメリカで作っていると言われても信じる。人口が多いインド、視聴回数は1億超え。
アジア路線で攻めるならタイあたりはどうか。
タイ
คู่คอง Ost.นาคี | ก้อง ห้วยไร่ 視聴回数 85,851,589 回
安心のタイ。安心する。楽曲的にも欧米圏の影響が全く見られない。これを若者が聞いているとはとても思えない。
ここらへんでまたロシアあたりに飛んでみよう。
ロシア
Ленинград — Очки Собчак 視聴回数 7,345,806 回
ロシアもしっかり独自の文化圏を維持している。しかも音楽チャンネルなのに一向に音楽が始まらない。3:20から音楽スタート、その音楽もドタバタコメディーみたいな、全体的にコントビデオみたいだ。さすがに長いため視聴回数は少なめ。
さあ、そろそろ中東あたりに行ってみようと思ってアラブ首長国連邦を覗いたらまたしてもアメリカと同じだった。毒されている。イスラエルはどうか。
イスラエル
The Ultras, Itay Levi and Dj Elon Matana - Mesiba Beheyfa 視聴回数 16,723,305 回
いきなり画面いっぱいにヘブライ語が広がって驚いた。歌詞もそれっぽい。歌はよくわからないが、アメリカの影響を受けているようで独特でもある。しかしイスラエルと言えどもやっぱりアラブっぽいな。
アラブと言えば、気になったのがイラク。見てみよう。
イラク
حسين الجسمي - كلنا العراق (فيديو كليب حصري) | 2016 視聴回数 18,518,688 回
ああ、そうですね、アラブってここまで行かないとアラブじゃないですよね。ビデオ自体はおもしろい。これ今年の夏に公開されたビデオみたいだけど、イラクこんなのどかなの?どこで撮ったんだろう。観光PR映像みたいだ。
中東に来ているからイスラム圏でお近くのトルコあたりを見てみよう。どれぐらい西洋文化が混じっているか。
トルコ
Emrah Karaduman - Cevapsız Çınlama ft. Aleyna Tilki 視聴回数 116,850,845 回
初っ端ハーレーで電子音、しかし曲調はあくまで民謡っぽいところが中間点を現している。歌っている人はなぜか金髪。顔つきを見てもトルコっぽいのかどうか、よくわからない。とにかく映像はハチャメチャなアメリカ像という感じで、曲と合っていない。しかしこれが視聴回数1億超え。ちなみにこの曲は、トルコ移民の多いドイツの音楽チャンネルにも3番目ぐらいに並んでいた。
ここからアフリカ大陸へ入ってみよう。
エジプト
Ramy Gamal - Ew'ediny | رامي جمال - إوعديني 視聴回数 13,243,629 回
まさかの映像無し。エジプトはイスラム圏だからまだ延長上ですね、イスラム圏を離れてみよう。ケニア、ジンバブエ、タンザニア、南アフリカ、ウガンダ、ガーナと見てみたらまたもやアメリカと同じだった。イギリス領だったからかなあ。
セネガル
Youssou Ndour - Be careful 視聴回数 447,940 回
インドっぽくない?英語タイトルの曲だが歌は英語じゃない。ビデオクリップの撮り方はアメリカっぽい。内容は独特。
さて、アフリカはYouTubeが普及していないのかあまり独自色が見られなかった。最後の砦である中南米に移ってみよう。
ブラジル
Marília Mendonça - Saudade Do Meu Ex 視聴回数 29,664,488 回
さすがブラジル、期待を裏切らない。楽曲も映像もお国柄が出ていてどこの影響も受けていない。しかし同時にブラジルの若者がこれを聞いているなんて想像できない。
アルゼンチン
Ricky Martin - Vente Pa' Ca (Official Video) ft. Maluma 視聴回数 107,052,230 回
突如リッキー・マーティン。リッキー・マーティンはプエルトリコ出身ということで、スペイン語楽曲だからアルゼンチンでトップになっているのか。今日見てきた中で随一の映像の明るさ。
ペルー
Daddy Yankee - Shaky Shaky | Video Oficial 視聴回数 412,025,589 回
脅威の4億再生、この曲はアルゼンチンでも2番目に並んでいた。南米スペイン語圏強し。ファッションは一見アメリカっぽさがあるけれど、曲もダンスも南米。これはダンス映像で視聴回数稼いだな。
中米に飛んでみよう。メキシコ、ジャマイカと意外なことにアメリカと同じだった。南米に戻ってしまうがコロンビアに行ってみる。
コロンビア
J Balvin - Safari ft. Pharrell Williams, BIA, Sky 視聴回数 121,485,306 回
これも1億超えだ。落ち着いたムードのスペイン語楽曲とダンス、革命軍との和平合意が否決されて何かと話題のコロンビアだが、そんな影響があるのか、音楽からは全くわからない。
全体を通して
そんなところで世界15カ国を巡り一周してきました。全体的に見て、やはりアメリカ発信音楽の影響が圧倒的に強かった。YouTubeがアメリカのサービスだし、ローカルにおいてYouTube利用状況の違いも大いに影響しているだろう。お国柄が見えるところもあれば見えないところもある。これ本当に若者が聞いているの?って疑問が湧く曲も多かった。YouTube利用者の年齢層も違うかもしれない。トップに並んでいた曲の意味や歌詞などを調べてみれば、その国の背景もわかるかもしれない。
どれが良かった?個人的にはイラクのビデオが面白かった。曲はコロンビアのが良かった。
それぞれのビデオは視聴回数トップではなく、飽くまで音楽チャンネルの一番最初に並んでいたものをピックアップしただけ。挙げていない国もたくさんあるので気になる国があったら見てみてください。