「新型コロナ」が変える、本・書店・図書館の姿とは?
ジャーナリスト・まつもとあつし氏が、出版業界に転がるさまざまな問題、注目のニュースを深堀りする連載企画!
高まる「物語」の需要 無料からの転換へ
新型コロナ感染が拡大し続けている。首都のロックダウンという未曾有の事態も想定されるなか、社会的距離を保ちつつ(ソーシャル・ディスタンシング)いかに、私たちの生活を維持していくか、誰もが悩み、苦しい状態におかれている。
現実逃避、癒やし、あるいは現状打破する解決策を求めて、人々は物語を求めている。自宅に留まることを要請される今、おいそれとは書店や図書館に足を運べず、(まだデータは上がっていないが)必然的に電子書籍の需要が高まっているはずだ。
そんな中、前回紹介したように出版各社は電子書籍や雑誌を無料とする取り組みを相次いでスタートさせている。一斉休校という状況で、暇をもてあます人たちを支援しよう動きは拡がりを見せた。ただ「4月中~連休明けまで」という期限を設けているところがほとんどで、感染拡大が長期化する中、一時的な「支援策」ではなく事業としてこれにどう向き合うかという課題が明らかになり、より本格的な対応…