私はこれを買いました!

ボディキャップの代わりにもなるパンケーキレンズ

Viltrox AF 28mm F4.5(武石修)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2024年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

まさに「写るボディキャップ」

今年印象に残ったモノといえば、交換レンズ「Viltrox AF 28mm F4.5」だ。フルサイズ対応のAFレンズながら1万円台前半というプライスで登場し、パンケーキサイズというルックスもあって結構話題になった。

Viltroxは中国のブランドで、このレンズも日本で買えるようになるや「これは安くて楽しめそう!」とポチったのであった。なお、今のところソニーEマウント用のみのラインナップになっている。

まずは見た目が可愛い。全長15.3mm、重さ60gで、カメラに付けてもレンズを付けている感覚がないほど。手動開閉式のレンズバリアが付いているのも良い点で、本当にこのレンズを”ボディキャップ”と言っても過言ではないほどだ。

焦点距離は28mmなのでスナップなど普段使いに好適な画角と言える。絞りはF4.5固定で、正面から見ると八角形の絞り板が見えている。点光源を撮ると、この絞りによって8本の光条が現れる特徴も備えている。

レンズはEDレンズと非球面レンズを含む6枚構成としっかりしたもので、価格を考えると解像力は高く、周辺まで割ときっちりと写っていて驚いた。周辺減光が大きめで逆光にも弱いのだが個人的には嫌いではなく、雰囲気を高める要素としてプラスに捉えている。

中国ブランドのレンズというとMFタイプも多いが、やはりAFが使えると便利なのは確か。AF速度が純正レンズに比べてだいぶゆっくりに感じるのがウィークポイントだが、合焦してしまえば精度自体は問題無い。

“AFが使えるオールドレンズ”のようなところもあって、お散歩スナップ的な用途にはとりわけ向いていると思う。何より装備を軽くできるのでこれ1本で撮り歩くのがなかなか楽しいのである。

あえて逆光で撮った1枚。柔らかい中にもピントの芯はしっかりある。光条も面白い
ソニーα7 III/Viltrox AF 28mm F4.5/マニュアル露出(F4.5、1/400秒)/ISO 100
順光だとコントラストや色乗りもしっかりしている。ボケ味もオールドレンズライクで味わい深い
ソニーα7 III/Viltrox AF 28mm F4.5/マニュアル露出(F4.5、1/640秒)/ISO 100

近況報告

インフレに加えて円安が進行し、買おうと思っていたいろいろの輸入機材も手が出ずの1年でした。来年は色々落ち着いて買い物ができるといいなぁ!

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。