1968年生まれ。表象文化論。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府(建築都市文化専攻)・教育人間科学部(人間文化課程)准教授。
(最終更新:2010年11月26日)
[視覚の身体文化学 2]
1 ジェームズ・J・ギブソン(一九〇四─七九)はけっして〈色の知覚の生態学〉を放棄していなかったこと。それどころか、世界の表面はカラフルであり、色はわれわれが生きていくための情報であると考えていたこと。それにもかかわらず、ギブソンが視覚情報のベースを「光の配列」のみに求めるかぎり、彼の視覚論から〈色の知覚の生態学〉を構...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.33-34
[視覚の身体文化学 4]
1 昨今の安全キャンペーンでは、ドライバーに絶えず用心を怠らないようにと強調して、その不安な気持ちにつけこもうとするあまり、ドライバーが適切な習慣を身につけることができない場合がある。こうしたキャンペーン(「And Sudden Death」など)はドライバーの普段の動作を向上させるよりも、臆病な態度を生みだす効果のほ...
『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.33-35
[視覚の身体文化学 1]
1 視覚とは見慣れることのない、素晴らしい営みである。わたしは五〇年のあいだ、その難問の数々に頭を悩まされてきた★一。 ジェームズ・J・ギブソンの最後の著書『視知覚への生態学的アプローチ』(邦訳=『生態学的視覚論』)は、心を動かされるこの言葉で始まる。そして光の物理学、眼・神経・脳の解剖学・生理学では、視覚の不思議...
『10+1』 No.36 (万博の遠近法) | pp.33-35
[視覚の身体文化学 3]
「エコロジカル」な視知覚論を組み上げていったジェームズ・J・ギブソン[図1]は、アメリカ合衆国の軍事研究に深く関与していた。この歴史的事実をあらためて思い出すことから、今回は始めてみたい。ギブソンの履歴に関して主に参照するのは、第二次世界大戦時にギブソンが主任(軍の階級では「大尉 Captain」、後に「少佐 Majo...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.21-23
[論考]
世界中にデコン建築の亜流が建ち始めた。日本も例外ではない。近所の工事現場で龍が天にも昇るような完成予想パースを見た。銀座の一画で津波のようなビルに出くわし、原宿...視の制度』」(ハル・フォスター編『視覚論』榑沼範久訳、平凡社ライブラリー、二〇〇七、原著一九...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.106-107