1967年生まれ。哲学・ドイツ思想史。東京大学大学院総合文化研究科博士課程。
(最終更新:2010年8月11日)
[ブック・レヴュー 2]
神話学者カール・ケレーニイによれば、一九世紀、古代に憧れてローマに旅する者は、ヴィッラ・ドリア・パンフィーリのコルンバリウム(納骨堂)を訪れたという。そこで霊感に満たされたのは、多くの美術史家や古典文献学者たちであった。そのひとりがヨハン・ヤーコプ・バハオーフェンである。バハオーフェンの名は、母権制の提唱者として、その...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.46-48
[ブック・レヴュー 4]
ルードルフ・オットー(一八六九─一九三七)の『聖なるもの』の新訳によって、この書物が孕むさまざまな可能性が再び新たに見出されることになるだろう。一九一七年の出版以来、『聖なるもの』は宗教学の分野を越えて大きな反響を呼び起こし、多くの読者を獲得することとなった。たとえばヘーゲル全集の編集者として著名な哲学者ヘルマン・グロ...
『10+1』 No.39 (生きられる東京 都市の経験、都市の時間) | pp.43-45
[ブック・レヴュー 1]
二〇〇一年九月一一日に生じた「米国同時多発テロ」に対する二人のヨーロッパの哲学者の応答、それを引き出した編者ボッラドリによる比較的まとまった注釈──全体への導入、この二人の哲学者の思想とのコンテクストにまで十分に注意が払われたインタヴューの解説──からなる本書は、九月一一日の出来事に対する哲学者たちの注釈と分析に終始す...
『10+1』 No.36 (万博の遠近法) | pp.44-46
[ブック・レヴュー 3]
アビ・ヴァールブルクの仕事は、エルンスト・H・ゴンブリッチによる伝記の翻訳(『アビ・ヴァールブルク伝──ある知的生涯』、鈴木杜幾子訳、晶文社、一九八六)以来、松枝到によって編まれた論集(『ヴァールブルク学派──文化科学の革新』、平凡社、一九九八)、田中純の労作(『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』、青土社、二〇〇一)、...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.31-34
[都市表象分析 26]
1コンゲンカードの寓意 中谷礼仁を中心とする都市連鎖研究体は、古今東西の都市の上空写真、町並みの写真、集住形態、そして建築家による都市・建築作品などのサンプリン...〇──カール・モイリ「カーニヴァルの起源」(森田團訳、『SITE ZERO/ZERO SITE』No.0、メディア・デザイン...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.2-12