ロックの懐は深い。
それは、ロックじゃないものも取り込んで○○ロックにしてしまう。
もしくは、「これはロックだ!」と宣言すればロックになってしまう。
ロックを定義したいわけではない。
ただ、ロックの懐の深さを知って欲しい。
こんなに肩の力の抜けたロックもあるんだよと。
Luke Morleyについて
ルーク・モーリー(Luke Morley) (1960年6月19日-)は、イギリス、ロンドン、カンバーウェル出身のギタリスト兼ソングライター。
1960年にイギリス、ロンドンで生まれる。初めてギターを購入した1971年頃にプロのミュージシャンになると決意し、ギタリストとして幼馴染のダニー・ボウズと共にバンドを組み、Nuthin' Fancy、テラプレイン、サンダー、自身のソロ活動、ボウズ&モーリー等で活躍した。2009年のサンダーの再解散後は、ピーター・ショルダーと共にザ・ユニオンを結成し活動している。
Wikipediaより引用
ルーク・モーリーは左利きのギタリストで、ブリティッシュロックバンドのThunderのギタリストである。
Thunder自体は解散→再結成をしており、一応現役のバンドである。
そして、まあまあハードな王道ロックを聴かせてくれる。
Thunder - Dirty Love (Music Video) WIDESCREEN ...
多分、へーこんなアーティストがいるんだーって思うくらいだろう。
音楽的にもめちゃめちゃ魅力が満載な音楽とは感じられないかもしれない。
しかし、Thunderの時点でかなり肩の力が抜けているのがお分かりいただけるだろう。
ロックだからといって肩肘は張っていない。
Luke Morleyとの出会い
学生だった当時、YOUNG GUITARという雑誌を毎月買っていたのだが、その中にLukeの記事があったのだ。
カラーでもないし、メインでもない一記事。
普通なら読み飛ばしてしまいそうなところにその記事はあった。
しかし、それはBowes&Morleyの「Moving Swiftly Along」というアルバムの記事であって、今回紹介する「El Gringo Retro」ではなかった。
(「Moving Swiftly Along」自体もすごく良いアルバムなのだが、それはまた別の機会に)
そんなことが頭の隅にあったときに、CDショップで「Moving Swiftly Along」が試聴できる状態だった。
試聴はでき、なかなかいい感じだったのだが、3連チェンジャーの他のCDも聴いてみてその中に関連するアルバムとして「El Gringo Retro」が入っていたのだ。
結局気に入って買ったのは「El Gringo Retro」
かなり後になって、「Moving Swiftly Along」も購入した。
アルバム『El Gringo Retro』
言葉で説明するより、まず聴いてもらいたい。
歌っているのもギターを弾いているのもLukeである。
Luke Morley El Gringo Retro Quiet Life - YouTube
Luke Morley - Go With The Flow - YouTube
[今日の一曲 2013/8/2] Luke Morley - Loving You (Is All I Can Do) [Rock] ‐ ニコニコ動画:GINZA
このアルバム全体に漂う、アメリカとまた違う外国の雰囲気。
この時期、曲作りのためにスペインに度々訪れていたらしい。
ロックというよりも、もっとポップで聴きやすい。
Thunderで見せる王道のロックとはまた違う一面なのだ。
個人的に大好きな曲は「Loving You(is All I Can Do)」である。
優しいホーンとオルガンで彩ったバンドサウンドに、ルークがオシャレにギターでさらに彩りを加える。
その彩りはキラキラ輝くものではなくて、もっと淡い色合い。
ルークの嗄れ声でこんな歌詞を歌われたんじゃ、酔わないわけにはいかない。
Loving you is all I can do,show you the way that I feel
Cos I'm mad about you
(こんな気持ちを伝えるには、君を愛するしかないんだよ
だって、君に夢中なんだ)
「Loving You(is All I Can Do)」より引用
そして、ルークの歌声がめちゃめちゃ良いのである。
嗄れ声なのだけど、オッサンになっていい感じに味が出ている。
枯れ専は必聴な声なのである。
歌はめちゃめちゃ上手いとかそんなことはないのだけど、ルークの出したい世界観にマッチしていて、上手く歌ってもルーク以外の声になってもダメな気がする。
最後に
「El Gringo Retro」というアルバムは頑張る時に元気を貰えるアルバムでもなければ、気持ちが沈んでいるときに持ち上げてくれるアルバムでもない。
だからといって、ダークサイドに落としてしまうほどの邪悪さがある楽曲はほとんどない。
もっと日常をただありのまま楽しむのに、こんなBGMがあったらほんのちょっとだけ気分を良くしてくれるようなアルバムである。
ロックはいつだって自由である。
これだってロックである。
心落ち着くロックがここにある。
こちらからは以上です。
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