特別企画:安い店の高いメニュー 2024年1月2日

ジョイフルの「メガ盛り特製ダレの牛焼肉定食」 を食らって放心

低価格な店で一番高いメニューを頼むハッピーな企画。僕は九州を中心に展開するファミリーレストラン、ジョイフルに行ってきた。

ファミレスだしステーキとか食べられちゃうんじゃないの?と思いつつメニューを調べてみると、「メガ盛り特製ダレの牛焼肉定食」というのが最高額らしい。

おお、君は、量にお金を払うタイプの飯じゃないか!ワクワクしてきたぞ!

* こちらは「シリーズ・安い店の高いメニュー」の1本です。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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すべての人間の憩いの場、田舎のジョイフル

僕が住んでいるのは宮崎県の人口11,000人ちょっとの田舎町である。地域の風習や自然が多く残る反面、牛丼屋やマクドナルド等のチェーン店はほとんどなく、唯一ジョイフルがある。

ジョイフルにやってきたぞ!

ジョイフルだけが町にあるとどうなるか。人種のサラダボウルとなる。そう広くない店舗にさまざまな人がぎゅっと集まる。

家族連れが訪れるのはもちろんのこと、女子高生のホットな遊び場にもなるし、ノートパソコンを扱うスーツの人もいたりして、果てには地域の草刈りを終えたお爺ちゃんたちの打ち上げ会場にもなる。

もつ鍋、かきフライ…いいな。「かき」がひらがななのがいい。

いちど、職場の上司(40代)が地域のじいさま方とジョイフルで打ち上げをしているのを見たことがある。上司はドリンクバーでコーラを汲み運ぶ給仕係をしていた。満面の笑みで。おらが町のジョイフルはそういうところだ。

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「メガ盛り特製ダレの牛焼肉定食」 を注文

撮影日は年の瀬の夜であったが、席は半分くらいしか埋まっていなかった。帰省した方々で混雑していたらどうしようと思っていたけど一安心。

予習していたとおり「メガ盛り特製ダレの牛焼肉定食」 を注文する予定だが、いちおうメニューを見ておこう。ちなみに、ジョイフルは豊富なメニューと値段の安さでのし上がったファミレスである。

服装がだらしないな。いやあ年末バタバタで。
「町中華」なるページがありて
どこに町中華の要素あんねんと笑ったから12月29日はジョイフル記念日

いつもは多様なメニューに悩むところだが、今回は値段だけを見ればいいので安心である。選択と判断がないというのは想像以上に心地よい。 

これだ!

目的のメニューを見つけた。うまそう!

「一番高いメニューってこれですよね?」念のため注文を取りにきてくれた店員さんに聞いておく。

店員さん困った様子で「そう……ですね、だと思います。」と答えてくれた。ふだん意識しないことなのだろう。俺、めちゃくちゃヘボい成金みたいになってるんじゃないか?

オリジナルのガチャガチャでも回して待とう
大人だから2回まわしちゃったもんね
呪物か

ファミリーレストランは楽しいなあ。

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ついに来た!ジョイフルの最高額メニュー

待つこと数分、ついにジョイフルの最高額メニュー「メガ盛り特製ダレの牛焼肉定食」がやってきた。

うひょ~~~!
うまそうだ!

メニュー名そのままのものがやってきた。見た目通り、タレのかかった焼肉のいい匂いがする。それにしてもジョイフルの料理は友達の家の夕飯っぽさがあっていい。馴染みやすいというか。 

空腹のあまりピント合ってませんでした!

さっそくお肉から一口。

これは…甘辛くてうまい!味が強い!しっかり肉を食べている感じがする!

これは白飯が必要なやつだ。すべからく白飯をかっこむべきである。

肉2枚でご飯なくなりました

当然の帰結として、肉を口に入れた次の瞬間、白飯がなくなっていた。

依然として肉はうず高く残っている。タレが肉山の中心部に多くかかっているのに気づかず、一番味の濃いところを攻めてしまったがゆえの出来事である。

味噌汁と漬物もうまいよ

ためしに肉と玉ねぎを箸で混ぜてみたら味はちょうどいい塩梅になった。あとはこの美味しいおかずだけを頬張ればいいのだ。ぜいたくな時間である。 

水面がきれい。あ、失敬、油面(あぶらも)ですね。

それにしても鉄板に残る肉の油の量よ!いまどき、ここまでカロリーたっぷりで提供してくれるのは心強い。良いものを見せていただきました。

初体験だ…!!

食べ続けていると少し味が濃く感じるようになってきたので、油の海で肉を泳がせてタレを落として食べてみたら、これがまたうまい。

そして、ふと気がついて驚いた。

油の美しさを見て!

店内の照明が鉄板の上に反射して映り、そこだけが満月のように白く輝いていたのである。アイ・ラヴ・ユー。

さすが最高額メニュー、風情のトッピングまであるとはおそれいった。

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放心状態になる

そして完食後、放心

勢いのままに白米を口の中につめこみ、肉を油で泳がせ、食事が終わったらなんだか放心状態になってしまった。日々の節制生活からするとメニューのパワーが強すぎたのだ。

あれ?いま食べたこのお肉、なんの肉だったっけ?なにがメガ盛りになってたんだっけ?

牛肉だった

伝票を見ると確かに「牛肉」とあった。我を忘れるほどの盲目的な情動。人はそれを恋と呼ぶ。そして、肉と飯でふくらんだ腹。人はそれを満腹と呼ぶのである。

そういうわけでデイリーポータルZ読者のみなさま、本年もよろしくお願いいたします。

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