ヴォーカリストって、どこまで感情表現の幅を広げられるかが実力の見せ所で、たとえば「何を歌ってもどんな曲をやってもいつも同じに聞こえる」人と、「どんな感情表現をしても、それぞれのシーンで心を揺さぶられる」人では、歌の実力に大きな差があるんだろうな、といつも思います。 歌うことで表現する感情や世界って、どんなものが難しいかな? 感情表現の中で、おそらくいちばん簡単でそれっぽく聞こえるのが「悲しみ(sadness)」と「怒り(angry)」ではないでしょうか。「悲しみ」は演歌の人たちはほぼまんべんなく表現してくれますし、「怒り」はパンク系とかハードロック系の人がほぼまんべんなく聞かせてくれます。 続…