曇りなき眼で見定めブログ

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『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』とかいう漫画映画を観てきた!(奇跡のような傑作(奇跡ではないのかもしれない))

 めちゃくちゃおもしろかった!

 全然ヒットしてないっぽいけどみんな観てくれ!

 原作の『指輪物語』と映画の『ロード・オブ・ザ・リング』はまったくと言っていいほど知らない私。今回の映画は原作の『追補編』というのを膨らませたらしい。しかも映画の前日譚としてハリウッドと共作している。

 企画・脚本や音の面ではハリウッドのスタッフが主に作っているのに、絵のスタイルは日本的なアニメとなっている。まず予告や事前情報を見てそこに驚いた。ハリウッドがもうそこまで日本のアニメを認めているとは!

 昨今の日本のアニメは、良く言えば繊細、悪く言えば軽い調子の作品が多い。しかし本作はハリウッドらしい重厚なストーリーと世界設定で、そこに重厚な時代の日本アニメを知る神山健治監督が見事に答えている。近年では見なくなった、ゴージャスなアニメなのである。まずそこを堪能してほしい。ハリウッドと日本アニメが高いレベルで融合した、奇跡のような、空前の傑作だと思う。しかし絶後ではないのかもしれない。奇跡でもなんでもなく、本作がヒットしたらこうした企画はまた持ち上がるかも。だからみんな観てね。

 何もかも素晴らしい作品だった。まずキャラクターデザインが良い。高須美野子さんという存じ上げない方がキャラクターデザインと総作画監督らしい。神山監督のインタビューを見よ。

jp.ign.com

主人公のヘラはかわいくてエッチだが強そうで良い。その他のイケメンや渋いオッサンオバハンキャラクターもどれも良い。記号的でなく、実写の俳優をアニメに落とし込んだようなデザインである。

 また話がおもしろい。やはり昨今の日本アニメに欠けていたのは、厚みのある物語だったのだなあ。決して世界の滅亡とか言い出さず舞台がローカルであるのに、人間のエゴや群衆の動きや権謀術数を巧みに描くことで厚みが出ている。まるで『ナウシカ』や『もののけ姫』のような作劇である。神話的と言える。

 作画も良い。馬や剣戟の作画が良い。クレジットがローマ字だったのでどういうアニメーターが参加しているかいまいちわからなかったが。中韓のスタッフや他の日本のスタジオのアニメーターもいろいろ参加している模様。SOLAという会社はCGアニメのスタジオなので、2Dのスタッフを頑張って集めたと神山監督も述べている。CGっぽい動きのシーンもあったが、モーションキャプチャやCG素材を上手くガイドにしてるらしい。レイアウトも良い。『バンパイアハンターD』みたいなカットが特に良かった。

 吹替で観たのだが、市村正親とかキャストも濃い。予告では主演の小芝風花はちょっと声が細いんちゃうかと心配していたが、観てみたらそんなことなく、けっこう良かった。

 全体的にオッサンやオバハンの戦闘力が高いのが良い。

 音楽もやたらと壮大で良い。

 もう一度言うけどみんなぜひ観てくれ!