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スーパーマン リターンズ

スーパーマン リターンズ [Blu-ray]

原題:SUPERMAN RETURNS
監督・原案・制作:ブライアン・シンガー
脚本:マイケル・ドハティ、ダン・ハリス
原作:DC COMICS
アメリカ映画 2006年
☆☆☆☆

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ゼロ年代のアメコミヒーロー映画ブームの初期に作られた1本。
そのブームの立役者「X-MEN」「同2」の監督のブライアン・シンガーが3本目を蹴ってライバルDCの方の「スーパーマン」をやる事に。しかもX-MENでサイクロップスを演じていたジェームズ・マーズデンまで引っ張っていくものだから一大事。実際にX-MEN3作目「ファイナルディシジョン」はボロボロになり前2作に及ばない駄作になり下がり、じゃあこっちの「スーパーマンリターンズ」は上手く行ったのかと言えばこっちも微妙な結果に。

 

そのくせ「X-MEN:フーチャー&パスト」でまたそっちに戻ってしっちゃかめっちゃか始めたので、最初の2本を上手く作ってくれた事に感謝はするけど、いい加減にしろよ感は正直ありました。

 

ブライアン・シンガーと言えば「ユージュアル・サスペクツ」で一気に名を上げて、そこでメインを張ってアカデミー賞まで受賞したケビン・スペイシーが今回のレックス・ルーサー役。

シンガーもそうですし、X-MENでマグニートーを演じた盟友イアン・マッケラン、そしてケビン・スペイシーもゲイである事をカミングアウト。この辺はそういう繋がりがあって、それこそX-MENの時はそこがマイノリティの描き方に繋がっていて作品に深みが増したとか言われてましたが、こっから10年後くらいにケビン・スペイシーは過去の未成年男性への性禍害で訴えられて業界から干されてしまった。シンガーも「ボヘミアン・ラプソディ」とかをヒットさせるもトラブルが多く同じく失脚。

 

今も昔も、そういうバックグラウンドのトラブルがチラついてうんざりする半面、なんか今回久々に見返してみると、作品としては以外と悪くないかもな、と予想外の高評価でした。

 

元々ね、旧「スーパーマン」「スーパーマンII」の続編という設定です。3と4は無かった事にして下さい、という不思議な前提。でも作中ではリアルタイムで年月が経過しているわけではなく、あれからスーパーマンが突然姿を消して5年後という設定。

 

ヒーロー不要論スーパーマンは必要無い的な記事をロイスが書いて、それでピューリッツァー賞を受賞したという流れで、そこにスーパーマンが帰ってくる(スーパーマンリターンズ)という、メタ的にも面白い構造にはなっている。TVドラマなんかでは定期的にスーパーマンは描かれてたけど、映画としてスクリーンに帰ってくるのは実際には20年ぶりくらい。

そんなメタ要素を完璧に生かし切れてたら、とんでもない傑作になった可能性はある。

 

が!決して全体的にダメだったとかではないものの、今のヒーロー映画ブームの中でスーパーマンも復活させてみました以上の価値は見いだせず、今やるとこんな感じぐらいのもので、この作品ならではの突出した何かまでは行かなかった。当然ここからのシリーズ化は目指していたし、そこそこのヒットはしたものの、スタジオが望んだ程では無く、この後の「ダークナイト」がとんでもないヒットとブームを巻き起こした為、スーパーマンに関してはこれの続きでは無くまた再リブートで一からやろうという事になり、それが「マン・オブ・スティール」になる。

 

ただ逆にね、今は1本だけになったこの作品を見返すと、シリーズでは無くワンショット物、1本だけの短編的な面白さを感じます。

この作品が発表された2006年の時点だと原作にスーパーマンの息子って居ましたっけ?確か私は映画館で最初に見たとき、そこに関しては映画のオリジナルで原作には無い要素だなって思った気がします。で、原作無視してオリジナルかよ、シンガー好き勝手やりやがってとか思った記憶がある。

 

もしかして昔からエルス物とかバットマンで言う所のダミアン君みたいに忘れ去られた設定とかはあったのかもしれないし、私もそこまで原作に詳しいわけでもないので、知らなかっただけの可能性はありますが、今の2025年の感覚はまた違いますよね?

普通に子供達のチームで「スーパーサンズ」なんてコミックもありますし、成長したスーパーマンの息子のジョナサン・ケント君がバイセクシャルだった的なの結構ニュースとかでも取り上げられてポリコレの押しつけだとか賛否ありました。他にも「スーパーマン&ロイス」というドラマだと双子の息子になってたり、今の時代はスーパーマンの息子が居て当たり前の時代・世界になってます。

 


そこを考えるとね、「スーパーマンリターンズ」もそういった物への走り、ワンショット読み切りで1本だけ描かれた短編的な感覚で見ると、これはこれでアリかなぁと。今回もレックス・ルーサーがヴィランですけど、別にそこと殴り合うわけでもないし、バトルでは無、人命救助とか危機を脱出するとかがアクションの見せ場になってるので、そこは物凄く見応えがあって私は好きです。以前も書いてるけど、私はスーパーマンとゾッド将軍が殴り合うとこ見ても正直面白いとは思わないですし。

 

レックスの目的が「土地」とかなのが旧作オマージュで面白いですし、何より今回の1本だけで終わってしまったスーパーマン役のブランドン・ラウスが故クリストファー・リーブの面影があって凄く良いんですね。(正確にはドラマ版アローバースのクライシス回で再び演じてるシーンがあるらしいです)

「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カヴィルは特に似せようともしてなかったですし、2025年版の新作「スーパーマン」のデヴィッド・コレンスウェットも割と世間では似てるとか言われてたのですが、私は正直その部分に関してはピンと来なかった。
でも、ブランドン・ラウスはそのままとまでは言わないものの、ちゃんと引き継いでいる感がしてね、凄く好感が持てるスーパーマンでした。過去作から地続きの続編ですよっていう設定もそうだし、そうする事で存分にあのスーパーマンのテーマを使えるのは物凄い強み。

 

今となっては1本こっきりで終わってしまったのを踏まえた上で、リスペクト溢れる2次創作作品として悪くないんじゃないかと思った次第。
色々と背景がノイズになる部分はあるにせよ、だってアメコミヒーローって言ってしまえば漫画映画なわけじゃないですか、一般的な通常の映画以上に架空のキャラクター物として楽しむわけですから、逆に割り切り前提で受け入れる部分もあるかと思うし、昔観た時はそうでも無かったけど、意外と好きな作品かもしれません。

 

スーパーマン関係の映画を続けて見て来ましたが、次はどうしましょうまだまだブログに感想の無い昔のアメコミ映画も残ってますし、次にどこに行くかは検討中です。

 

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