朝鮮が国別順位1位で「最強」誇示/ウエイトリフティング世界選手権
2024年12月16日 10:16 スポーツ9階級制覇、5つの世界新
IWF(国際ウエイトリフティング連盟)ウエイトリフティング世界選手権(6~15日、バーレーン)で、朝鮮が金9、銀5、銅3、計17個のメダルを獲得して国別メダル獲得ランキングのトップの座に輝き、同競技で世界最強の実力を改めて証明した。朝鮮チームは昨年9~10月にかけて行われた第19回アジア競技大会(中国)以来、出場した同競技の国際大会において5大会連続で国別順位1位と無類の強さを発揮してきた。今大会では5つの世界新記録も樹立した。
大会席巻に賛辞と感嘆
朝鮮ウエイトリフティングチームは昨年から今年にかけて世界を驚かす結果を残してきた。
杭州アジア大会では金6、銀5、銅2、世界新6、昨年12月のIWFグランプリ大会(カタール)では金9、銀3、銅1、世界新1、今年2月のアジア選手権大会(ウズベキスタン)では金11、世界新6、そして同4月のIWFワールドカップ(タイ)では金8、銀3、銅2、世界新7を記録した。これにより朝鮮女子チームは13の世界記録を保持し、1988年以来初めて世界記録保有順位で中国女子チームを上回った。また、前述の4大会すべてで国別順位1位の成績を残したことで、競技関係者や記者たちからは「朝鮮がまたもや大会を独占した」「朝鮮選手たちは誰にも止められない」など驚愕の声が上がった。
朝鮮チームは、コロナ禍の影響でパリ五輪(同7~8月)出場権のかかる予選大会に出場できず本大会出場が叶わなかった。しかし、五輪の舞台に立っていればメダル量産が確実と目されていた。今大会を控えても、注目度はどのチームよりも高く、IWFも特集記事を組んで朝鮮チームの躍進を予想した。
今大会にのぞんだ朝鮮チームは杭州アジア大会で国際大会に復帰して以来、最大規模となる17人の選手で構成され、男子が6階級、女子が9階級にエントリーした。結果的に9階級を制覇した朝鮮は、強豪国の中国(金4)より2倍以上多い金メダルを獲得し、出場選手全員が表彰台に立つ成果を挙げた。朝鮮女子チームは世界記録保持数を一つ上乗せして14とし、中国(11)を上回り引き続き世界記録保有順位でトップを走っている。
今大会における朝鮮の金メダリストのうち、世界新を樹立したのは男子67キロ級のリ・ウォンジュ選手(22)、女子59キロ級のキム・イルギョン選手(21)、64キロ級のリ・スク選手(21)だった。
女子59キロ級のキム・イルギョン選手は、スナッチ108キロ、クリーン&ジャーク141キロ、トータル249キロを記録し、クリーン&ジャークとトータルで世界記録を1キロずつ更新。自身が持つスナッチの世界記録(111キロ)と合わせて3つの世界記録保持者となった。
女子64キロ級のリ・スク選手はスナッチで115キロを上げると、クリーン&ジャークで自身が持つ世界記録を1キロ上回る147キロを成功させ、総合(262キロ)で世界新を樹立。さらに、クリーン&ジャークの最終試技で世界記録を2キロ更新する149キロを上げ、総合で再び264キロの世界新を打ち立てた。
男子67キロ級ではリ・ウォンジュ選手が、スナッチ146キロ、クリーン&ジャーク190キロ、トータル336キロを上げ、自身が今年4月のIWFワールドカップで樹立したクリーン&ジャークの世界記録を1キロ更新した。
このほか、男子61キロ級のパク・ミョンジン選手(21)、73キロ級のリ・リョンヒョン選手(23)、81キロ級のリ・チョンソン選手(28)、女子49キロ級のリ・ソングム選手(27)、55キロ級のカン・ヒョンギョン選手(25)、76キロ級のソン・グクヒャン選手(23)が各階級を制覇した。
IWFが運営するSNS上では、朝鮮選手たちの活躍を知らせる写真や動画に「かれらはいとも簡単に世界記録を破っている。まだまだ重い重量を成功させられるような余裕ぶりだ」「朝鮮は間違いなく、ウエイトリフティング競技随一の大国だ」「次回の五輪に出れば、かなりの数のメダルを獲得するだろう」など賛辞と感嘆のコメントが集まった。
(李永徳)