起業のバイブルThe Lean Startupの要点だけを英語のまま3時間で読む

ご無沙汰しております。いやー、書き癖を失ってしまいました。が、ここ数ヶ月、自分の書く日本語が目に見えて衰えている(後で読み返すと、誤字脱字、論旨の飛躍が多い)ので、ここは奮起してブログ復活です。

さて、The Lean Startup、知っていますか。Eric Riesという人が書いた本ですが、最近の起業のエッセンスが詰まっていて、これからIT系で起業する人、今まさに起業中の人は、絶対読むべき。「不確実な状況の中で事業を始める際に、いかに科学的に成功確率を上げるか」という方法論です。

「シリコンバレーで最近流行っているのは何ですか」とよく日本の人に聞かれるのですが、ここ半年くらいは、「lean startupの考え方」と答えたりしてます。(本当は、「日本みたいに何かが流行ったりしない」と答えたいところですが、そう言ったらかわいげがないので・・・w)。

今のところ英語版しかなく、日本語版は、5月ごろ出る予定らしいのですが、それまで待てない、「ただいま起業中」という人用に、以下「3時間で、IT系で起業する人にとって大事なことだけを読む方法」です。

1.準備

1)The Lean Startupを買う。Kindleでダウンロードしても良いし、Amazonでオーダーしても可。

2)audible.comで、オーディオブック版をダウンロード。(Kindleでダウンロードすると、読み上げ機能もあるが、やはりロボットぼくて、やや聞きにくいので、実際に人間が読んでいるaudibleの音声をお勧め。Audibleのは、筆者のEric Ries本人が朗読しているし。)

なぜ音声版が必要かというと言うと、普通の日本人の英語力だと、文字を追って読むより、音声で聞くスピードの方が早いから。強制的に耳から音を入れながら、目で文字面を追っていくことで読むスピードが上げられます。「英語の長い文章が読めない」という人には、飽きにくい、という効果も。なお、Eric Ries、結構ゆっくり目に読んでいるので、速度を上げて聞いてもOK。

2.「起業の初期」に重要な章だけを読む

以下で指定する章を読む(+audibleで聞く)。それぞれ質問を書いたので、これの答えを探しながら読む(聞く)。

3. Learn(必読)

概要:

ベンチャーは「勉強になった」「いい経験だった」などといって自己満足していてはダメ。きちんとビジネスの次の展開につながる「ラーニング」が必要。

質問:
– validated learningとは何か?
– value-creatingとwasteなeffortは何が違うのか?

4. Experiment(特に最初の2ページは必読)

概要:

仮説なき試行は愚行。

質問:
– Just Do Itはどうしてダメか?
– break it downとは?

5. Leap

概要:

初期のベンチャーは最重要仮説の検証にフォーカスせよ。

質問:

– assumptionとは?
– get out of the buildingとは?
– customer archetype とは?
– just-do-itとparalysisとは?

6. Test(必読)

概要:

検証はMVPで行う。

質問:
– MVPとは
– なぜ「とりあえず製品開発」してはいけないのか
– Aardvarkがしたこととは?

8. Pivot

概要:

うまく行かないときは素早く方向転換を。

質問:
– @2govはどういう頻度でpivotしていったか
– 以下それぞれのpivotはどういうものか
— zoom-in pivot
— zoom-out pivot
— customer segment pivot
— customer need pivot
— platform pivot
— business architecture pivot
— value capture pivot
— engine of growth pivot
— channel pivot
— technology pivot

(上記のpivotの種類が、「方向転換=pivot」をしなければならない時に、「こういう変え方もある、ああいう変え方もある」というアイデアのネタ出しに役立つと思われ。)

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これだけだったら、3時間くらいで聞き終わるんじゃないかと思います。これでもつらい人は、上記で「必読」と書かれている所だけでもどうぞ

また、もうちょっと読みたい人は、以下も読むとよろしいかと思います。

7章 Measure

– innovation accountingとは?
– ビジネスプランに仮定がたくさんあるとき、どの仮定から検証すべきか?
– cohort analysisとは?

9章 Batch

– small batchのメリットは何か?
– 起業におけるsmall batchとは?

10章 Grow

– paid, viral, stickyの3つのengine of growthは、それぞれどんなものか

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いや、しかし、この本すごく濃い。雑誌の記事一本の内容を薄くのばして一冊にしたような本とは大違いですので、もちろん、上記の章以外も全部読めるなら、是非読まれるのがよいと思います。それなりのサイズになったビジネスをさらに大きくするとか、大企業の中のプロジェクトを発足させるなど、てんこ盛りなり。例で出てくる話も面白いですよ。

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