「脳をどうしたらバイリンガルになれるか」という話ではなく、「バイリンガルになるとどういう脳になるか」という話。NPRというラジオ局でちょっと前に流れた番組いわく
「バイリンガルの人は、常に両方の言語が脳内でアクティブ。どちらかの言語で考えたり、話したりしている時でも、必ず両方の言語がパラで走っている。なので、常に、二つの言語を分離し、どちらかだけにフォーカスしなければならず、一ヶ国語しか話さない人より脳が使われる」
わかる気がします。私の言語能力は、日本語:英語=7:3くらいだと思うが、それでも、常に両方の言語が脳内にある感じがする。
意識的に「2ヶ国語パラ」がわかるわけではないのだが、何かを間違った時に、
「あれ?どうしてこんな間違いを?」
とわれながら目が点になって、二つの言語が同時進行しているのがわかる。
たとえば、最近だと、日本語でずーっと話してる会話の途中で、
「うちの『水族館』が・・」
と言ってしまったり。別に、家の敷地に水族館がある大富豪なわけではなく、言いたかったのは
「水槽」
なんですけど。
どちらも英語だとaquariumなのですよ。
あと、日本人と行ったタイ料理屋で、メニューに印が付いているアイテムを見ながら
「これって『熱い』のかな?」
・・・あ、いや、「辛い」と言いたかったんですわい。
こちらも英語だと両方共hot。(英語で、敢えて「辛い」と言いたいときはspicy hotとspicyをくっつけるしかない。)
また、最近1ヶ月ほどの間に二度やってしまったことが、
「日本語を日本語に訳してしまう。」
これは、会議で、日本人が話したことをアメリカ人に訳そうとして、日本語で話されたことを、別の表現に置き換えてもう一回日本語で言い始めてしまった事件なり。(自分の感覚的には、「別の表現の日本語に置き換える」のと、「英語に訳す」はかなり似ている。)
子供の頃から日米を行き来して育った、完璧にバイリンガルな友だちと話すときは、基本日本語でずっと話しているのに、時々突然センテンスまるごと英語になることがある。(「昨日Schoolで」という風に単語だけ英語になるのではなく、文章全体が唐突に英語にスイッチする。なぜだろう・・・・。)
というわけで、常時2ヶ国語並列で酷使されている私の脳だが、モノリンガルだった頃の忘れっぽさが治る兆候は全然ありません。むしろ悪化。変なことはいろいろ覚えてるんですけどねぇ・・。
NPRの番組は下記リンク先で聞けます。書いてある文章が番組の文字おこしなので、リスニングの練習にもどうぞ。
私もよくやります。一回日本で「失言」して妙な顔をされたのはこれです:電池が死んだ
英語では「dead battery」。英語を知っている家族は爆笑。あまりよく知らない知人には変な顔をされました。でもそれ以来、家族の中ではジョークのつもりはなくても「電池が死んだ」と言うようになってしまった。
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タイポが・・・aquarium
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chikaです。
>電池が死んだ
村上春樹は「電話が死んだ」と小説でも使ってます・・・。言ったもん勝ちです。
>aquarium
おっと、cが余計でした。ご指摘ありがとうございます。直しました。
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英語脳と日本語脳の両方が動いているという感じは、よく分かります。で、モノリンガルの人と話すときは、関係ないほうを意識的に止めている感じ。だから、バイリンガルの人と話すときのほうが、それをしなくていい分、楽。
さらに第三言語との関係はどうなるのかなーと思ったけど、私の場合第三言語の中国語は、英語と日本語ほど、上手ではないので、普通混じってこないけど、中国語を話すときに英語が混じってくる。日本語はあまりない。他の人はどうかしら。
あと可笑しかったのが、フランスに初めて行ったとき。フランス語は教室で何年か習ったことあるけど、話せない。でも無理して答えようとすると中国語が出てくる。アメリカ人の友達で、中国語がうまい人も、「私も同じ。」といってたので、多分頭の中で、「下手な方の言葉で応答せよ。」って信号が走るんじゃないかなー。
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私も7:3くらいで日本語:英語だと個人的には思ってるのですが、言語環境の変化(日本語→英語や、その逆)が起こると無意識に混ざってしまったりすることがありますね。 しばらくして慣れてくると起きなくなるのですが、例えば職場と家で言語環境が別、というような場合にはこれが常に起きているんでしょうね。 逆に7:3のバイリンガルが日本に住んでいるとあまり脳が活性化されないようです(笑)
脳の活性化という観点でなるほどと思ったのは、最近読んだ本で、言語(の形式)によって脳の使われる場所が違うとあったためです。 どうやら日本語とラテン系の言語の認識においては、はかなり違った脳の使われ方をしているようです。
「日本人の脳に主語はいらない」
http://www.amazon.co.jp/dp/4062584107/
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そこまですごくは無いですが、たまに語順が英語っぽくなることくらいはあります。
「それは何とかです, (that) なんとか。。。。」
みたいな感じで。
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通りすがりの者ですが…
chikaさんのブログは、北米事情をわかり易く解説されてるので、いつも楽しみに拝見させて頂いています。
そういえば、昔一緒に働いていたバイリンガルの同僚が、自分は絶対に通訳の仕事はしたく無いと言っていました。それぞれの言葉は聞き取れるけど、人の間に立って変換するのが嫌な様でした。
確かに、母国語同士で会話してても、ちょっとした受け取り方の違いで、誤解を招く事ってたまにあるので、異言語間のやりとりを業務でやるのは苦痛なんでしょう。
それにタマにしか使わない言葉だとかだと、中々でて来ないことがあるそうです。『ちりとり』とかって、言ってたっけ。
日本語しか話せない自分には、感覚的にはよくわからないのですが…。
あと、本文とは全然関係無いお話なんですが、ひとつご質問があります。
米国の会社とのやりとりの為、米国内の銀行口座(海外口座じゃなくって)を作りたいのですが、勤め先の会社は、小さいデベロッパーなので現地法人や海外拠点がありません。
どうしたら良いのか困っています。
会社は日本国籍のまま、日本国内から口座を開く手段はございますでしょうか?
もし、良い解決方法など、ご存知でしたらご教授下さい。
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rakoさんと同様(と言っても僕は別にバイリンガルでもマルチリンガルでもないですが)ベトナムから(シンガポールを経て)インドネシアに生活拠点が移ったとき、英語ではない第三言語は当時ベトナム語だったので、まずベトナム語が出てきてました。(と言っても簡単な単語だけですけどね)
今はインドネシア語にだいぶ慣れたので、多分ベトナムに行ったら逆にインドネシア語がパッと出てくるんだと思います。
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はじめまして。
日本人ですから、日本語で考えます。でもそれではアメリカ社会で通用しない、事が解ってから英語で考えるようにしています。それが日本語と英語の両方で考えている理由でしょう。
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バイリン脳でアルツハイマーの発生を遅らせることができるそうです。
http://www.nytimes.com/2011/05/31/science/31conversation.html?_r=1&src=me&ref=general
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それって、日本語のなかでの方言も同じことだと思います。
私自身、標準語と、宮崎弁と、熊本弁が混じってるんですが、例えば福岡の人と話すと本当におかしなコトになります。
>電池が死んだ
普段使っているので、dead batteryも同じで面白いなと思ったら、普通は使わないんだすね。。。
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>完璧にバイリンガルな友だちと話すときは、基本日本語でずっと話しているのに、時々突然センテンスまるごと英語になることがある。
全然、完璧バイリンガルじゃないけど、ありますよ。 英語で読んだ本や記事なんかはそのまま英語の文として格納されているので、まずそれが頭の中に出てくる。 それを一生懸命、日本語に訳そうとするけど、面倒なときとかはそのまま出ちゃう。
>rakoさん
>私の場合第三言語の中国語は、英語と日本語ほど、上手ではないので、普通混じってこないけど、中国語を話すときに英語が混じってくる。
うちの夫は、私と日本語(第三言語)で話しているとき、たまにマレー語(ちょっとかじったとき)が出てきます。 フランス語(第二言語)は出てきません。 面白いですねー
それより、chikaさん、ブログ書いてください〜
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