手入れの行き届いた日本庭園に趣のある屋敷。
千葉県君津市の「百年の隠れ家 伝」は、昭和6(1931)年に建てられた古民家を改修したレストランです。
風情ある日本家屋でいただけるのは、もちろん日本料理…ではなく本格イタリアン!
今回は特別に古民家の裏側も大公開していただきました。
お店で味わえる絶品料理とともに、今や再現不可能とされる古民家の魅力もたっぷりお伝えいたします!
公開 2023/04/22(最終更新 2024/02/29)
花
48歳で普通自動二輪免許を取得したへっぽこアラフィフ主婦ライダー。千葉は魅力的なライディングスポットがたくさん!取材と称してソロツーを楽しんでいます。【ブログ】https://ameblo.jp/ohana-hann/
記事一覧へ古民家の裏側をルームツアー!サツキとメイの隠し階段?
「百年の隠れ家 伝」があるのは君津市「内みのわ公園」からほど近い住宅街の中。
立派な門構えながら個人宅のようなたたずまい。
そう、伝は知る人ぞ知る隠れ家レストランなのです。
四季折々の花や植物が楽しめる庭には定期的に庭師さんの手が入れられます。
庭師の方も「今時これだけの庭園はそうありません」と絶賛しているのだとか。
お店の入り口は元屋敷の勝手口。
それではいよいよ館内へ入りましょう!
磨き込まれた木目が美しい、広々としたレストランのエントランス。
店内は畳敷き。靴を脱いでお邪魔しまーす。
風情ある室内と開放感抜群の高い天井。
昭和の時代には冠婚葬祭を自宅で行う家も多かったため、古民家は大人数の集まりにもフレキシブルに対応できる造りになっているのです。
その特性を最大限に生かし、ランチタイムはパーティションで区切られたテーブルで開放的に、ディナータイムは完全予約制の個室として営業しています。
館内の見どころは、何といっても今は再現できないぜいたくな造り。
古民家では腐りやすい水回り、美しい木目を生かしたい床の間、強度を出したい柱や梁など、それぞれの箇所にあった特性の木材を使い分けています。
もちろん伝の店内にも先人の知恵を生かし、樹齢数百年の屋久杉やヒノキの柱や梁が存分に使われているんです。
また古民家ファンにはたまらないのが、昭和初期に作られた窓ガラスです。
一枚一枚が手作りで、まるでラムネの瓶のようなあたたかい風合い。
透明度は高いのに、差し込む光は柔らかです。
応接室かと見まごうこちらはなんとレストルーム!
年配のお客さんも多いため、ゆっくりくつろげるようにとリノベーションしたのだとか。冷暖房もついていて快適です。
店内に飾られたアンティークな照明や古時計は、この屋敷に残されていたものを再利用。
そして今回特別に、一般開放されていない場所まで見せていただけることに。
入り口から店内をつなぐ通路の壁に見えるこちら。実は…
なんと扉になっていて、その向こうには階段が!
えっ、これ、夢にまで見たまっくろくろすけがいるあの階段じゃない!?
ワクワクしながら階段を上るとそこには…
天井裏が広がっていました!
また庭にある蔵は毎週水曜日、小学生対象の塾として活用しています。
しっくいの塗り壁は防音効果が高く、集中できると人気なのだとか。
伝では今後、授業が行われていない曜日をコワーキングスペースとして提供する予定とのこと。詳しくはメールや電話でお問い合わせください。
プチぜいたくな時間が堪能できるランチメニューを実食!
オシャレでありながら、どことなく親戚の家を思わせるようなくつろげる雰囲気も併せ持つ店内。
こちらでは一体どんな料理が楽しめるのでしょうか。
今回、前菜・スープ・パスタ・2種類のパン・デザート・飲み物がセットになったランチAコース(1,980円)に、メインディッシュがついたランチBコース(2,970円)をいただくことに。
ホールスタッフの方が前菜をワゴンで運び、目の前でサーブしてくれます。
食事のスタートから特別感がすごい。胸が高鳴ります!
私は、
・シーザーサラダ
・サーモンのカルパッチョ
・合鴨のローストバルサミコ酢ソース
・エビと野菜のジュレ
をチョイス。
地元野菜がふんだんに使われたシーザーサラダは、濃厚なチーズのうまみで食べ応えある一品に。合鴨のローストとほんのり甘いバルサミコ酢の相性も抜群です。
バジルの風味も爽やかなエビと野菜のジュレに、さっぱりとしたリンゴ酢仕立てのサーモンのカルパッチョと、バラエティー豊かな前菜に早くも大満足。
しかしコースは始まったばかり!
お次はそら豆のポタージュスープに2種類のパン。
そら豆の風味をまとったコクのあるポタージュは体験したことのないおいしさ。
これかなり好きかも!
オリーブオイルが添えられたパンと一緒にすっかり完食です。
そしていよいよパスタの登場!
本日のパスタから、生シラスと菜の花のペペロンチーノをチョイスしました。
うんっ…まっ!!!
菜の花のほろ苦さとシラスの塩気、ガーリックとオリーブオイルが一体となってパスタに絡みついています。後から追いかけてくる唐辛子の辛味もパスタを引き立てるいいアクセントに。シラスも全然生臭くありません。
シンプルだからこそごまかしのきかないペペロンチーノがここまでおいしいなんて。
パスタにうっとりしていたところについにメインディッシュ!
肉と魚のうち、私は肉料理を選びました。
実はここまででかなり満腹。しかしじっくりと低温調理された豚ヒレ肉は、やわらかくて重くないためペロリと食べられちゃいました。
4時間煮込んだという味わい深い赤ワインソースが技ありの一品です。
最後は手作りスイーツの盛り合わせとドリンク。
イチゴのレアチーズケーキとキャラメルマカロンです。
甘さ控えめでさっぱりとしたレアチーズケーキと、ほろ苦いキャラメルマカロンはコースの締めにぴったり。
心もおなかも満たされた、大満足のコースメニューでした。
ちなみにランチコースは平日・土日共に注文OK。直接来店でも食べられますが、席に限りがあるため事前予約が安心だとのこと。
ディナーに比べてリーズナブルながらもプチぜいたくな時間を演出できるランチコース。これはリピ確定です!
平野オーナーと鈴木シェフ。古民家との出合いが生んだ奇跡のコラボ
「日本家屋で生まれ育ったので昔から古民家が好きだったんです」という「百年の隠れ家 伝」オーナーの平野さんが、この屋敷と偶然出合ったのは2015年のことでした。
以前から古民家で「何か」をしたかったものの、それが何なのかがわからないまま平野さんは屋敷を購入。やがて共通の知り合いからイタリアンシェフの鈴木さんと出会います。
「古民家でイタリアンレストラン…ありかも」
と平野さんはフルリノベーションのうえ2016年10月31日にディナーのみの営業を開始。
2019年からはランチを含む現在のかたちで営業をしています。
「『伝』という店名には『古き良きものを再生し、後世に伝えたい』という思いを込めました」
そう平野さんは語ります。
表通りに面していない隠れ家的レストランにもかかわらず、ハレの日のお祝いや記念日に、またちょっといいランチ会をしたいという女子に大人気なのだとか。
こう聞くと入りづらい高級店のように感じられるかもしれませんが、料理のクオリティーや量を考えるとむしろリーズナブル。
お子さんと一緒の来店も歓迎。専用のいすやメニューも用意されています。畳なのでバウンサーの持ち込みもOKだそうですよ!
非日常あふれる百年の隠れ家に迷い込み、あなたも素敵なひと時を過ごしてみませんか?
住所/千葉県君津市内箕輪1-9-12
営業時間/
ランチ 11:00〜15:00(ラストオーダー14:00)
ディナー 17:30〜24:00
座席数/45名
定休日/なし
料金/
ランチAコース(1,980円) ランチBコース(2,970円) ランチスペシャルコース(3,960円)
ランチタイムのみ販売 クアトロフォルマッジ・マルゲリータピザ各1,650円~テイクアウトOK
ディナー※完全予約制 5,500円コース 8,800円コース
駐車場/10台
アクセス/館山自動車道君津ICより4分
問い合わせ
電話番号/0439-29-5870
FAX /0439-29-5871
メール/ [email protected]