2015年に見たおもしろかった映画ベスト8

あけましておめでとうございます。年の瀬に公開しようとしてたら年が明けました。

2015年に見たおもしろかった映画を発表します!あくまで2015年に僕が見た中でおもしろかった映画なので、2015年に公開されていないものばかりだったりします。なぜ2015年公開縛りにしないかというと、2015年に僕が見て心に響いたという事実が重要なのであって、それはつまり昔の映画であっても今この瞬間の僕の心に響くものであるからです!というのは建前で、レンタル派の僕は2015年公開映画なんてほとんど見ていないので、2015年縛りにしてしまうと「進撃の巨人」までもがランクインしてしまう恐れがあるからというのもあります。イェーガー!!

ちなみに60本ぐらい見たうちの8本ですので、クラスで3番目に可愛い子が集まったといわれるAKBぐらいのレベル感だと思っていただけたら幸いです。

 

というわけで。

 

 

8.グランド・ブダペスト・ホテル 

 2014年に話題になった映画です。その完成度もさることながら、ストーリーや演出が唯一無二で、どんな映画か説明しようとしても全然伝えられなさそうな映画。

あらすじとしては、ホテルのコンシェルジュであるグスタヴが、常連客のマダムが死んだことでその遺産争いに巻き込まれてすったもんだするお話。ロック・ストック・&トゥー・スモーキング・バレルズが好きな人は好きそうです。また、どの場面を切り出してもピンクや赤のポップな色使い&計算された構図で、映画を見ながら100万枚の絵画を見ているような感じが特徴的です。

f:id:chrl-ohya:20151231180504j:plain

この映画の感想として「血まみれのお菓子のようだ」と言っている人がいましたが、映画を見た人は「まさにそれ!」と同意してくれそう。しかし、映画を見てない人はやっぱり意味が分からなそうですね…

 

7.鑑定士と顔のない依頼人

とても良く出来たミステリーです。著名な鑑定士であるヴァージルは女性が苦手な気難しい独身のおじさん。ある日電話で鑑定の依頼が入ります。依頼人のクレアは、両親が死んじゃったので家にある美術品を競売にかけたいとのこと。しかし、依頼人はなぜか顔を見せたがりません。

ヴァージルとクレアが徐々に惹かれ合うラブストーリーが主軸にありながら、そこかしこに不穏な伏線が貼られ続けたまま物語が進んでいきます。このラブストーリーの展開が巧みで中盤から全く飽きさせません。謎が頭の片隅に残ったままでもグイグイストーリーに引っ張られて、最後に謎が解ける答え合わせの瞬間まで綺麗にだまされるのが爽快です。脚本がうまく出来過ぎていて、終了後「あれってどういう意味なんだっけ?」って復習したくなること必至。

結末は、人によってハッピーエンドと捉えるかどうかが分かれそうです。僕はハッピーエンド派。

 

6.グミ・チョコレート・パイン 

グミ・チョコレート・パイン通常版 [DVD]

グミ・チョコレート・パイン通常版 [DVD]

 

2015年というセカンドインパクトも起こっちゃうような年になってまでこの映画を見ているのって恐らく世界中で僕だけなんじゃないかという気分にさせられます。そのぐらい「今これ見るの?」っていう疑問が湧く映画。B級映画臭がすごいですが、とてもおもしろかったです。

大槻ケンヂが書いた同名の青春小説が原作です。会社をクビになって実家に帰ってきた37歳の賢三が、一通の手紙を見つけるところから話が始まります。差出人は高校の同級生の山口美甘子。手紙には「あなたのせいなのだから」とだけ書かれています。日付は一年前で、美甘子は一年前にすでに自殺していたのです。そして、賢三は美甘子との思い出と、自分の冴えなかった高校生時代を思い返していきます…

最近オタクがファッション化したのに伴い、なんとなく童貞もファッション化したように感じます。特に映画のモテキとかは(童貞ではないけど)なんとなくファッション非モテ感じです。しかしこの映画の童貞の悶々とした感じはヤバイ。すぐオナニーしちゃう。シモネタのオンパレード。ゴイステとか好きだった人は、どハマりでしょう。

冒頭で美甘子が既に死んでいるのが明らかになっているため、賢三の過去を振り返るときも切なさ倍増。そして美甘子のかわいさも倍増です。黒川芽以という女優の、最高に魅力的な瞬間を切り取った映画です。

 

5.アバウト・タイム

アバウト・タイム~愛おしい時間について~ [DVD]

アバウト・タイム~愛おしい時間について~ [DVD]

 

 主演のレイチェル・マクアダムスが可愛いです。詳しくはこちら。

映画「アバウト・タイム」見たよ - チャーリーより強いやつに会いに行く

 

4.オーロラの彼方へ

オーロラの彼方へ [DVD]

オーロラの彼方へ [DVD]

 

30年ぶりにオーロラが見られた1999年、刑事のジョンは偶然古い無線機を持ち出す。応答した男は、事故死した自分の父・フランク。オーロラの影響で30年のときを超えてつながった二人の無線で、ジョンはフランクを事故から救うための助言をする。その結果、フランクは生き延びたものの、それが歴史を変えて新たな問題を引き起こし…

SF映画好きには有名な隠れた名作。パッケージとタイトルから、よくある全米が泣いちゃう感動押し売り映画のように見えるのですが、それだけではないSFサスペンスもある作品。現在の息子と過去の父親が情報連携しながら、発生した問題を解決するために奔走します。バック・トゥ・ザ・フューチャーとバタフライ・エフェクトを足して2で割ったぐらいです。(この2つの名作と足して2で割れるだけですごい!)

オーロラが起こした奇跡により無線機で過去と交信するというアイデアは、ありきたりなように見えてとても秀逸です。現在も過去も時間としては未来に向かって進行しているため、ある程度過去を修正できるものの、完全に自由に操作できるわけではありません。もしこれが過去と自由に交信できるという話だったら、無敵すぎてつまらなかったでしょう。そのギリギリな制約がちょうど良い緊張感を生み出し、最後までハラハラドキドキさせられます。

最後に家族みんなでキャッチボールするシーンが素敵すぎ。

 

3.ゴーン・ガール

ゴーン・ガール (字幕版)

ゴーン・ガール (字幕版)

 

ニックの妻・エイミーが結婚五年目の記念日に失踪する。警察の捜査とマスコミの報道により、世間はだんだんとニックがエイミーを殺したのではないかと疑い始める…

前半は、ニックがエイミーを探すサスペンス的な展開。しかし、ニックがどうにもやる気がなさそう&警察の捜査で明らかに事件性のある痕跡が見つかっていきます。これどういうことだろう?どう考えてもニックが殺してるんじゃない?と思いきや、それは中盤でオチ(と予想していたもの)が明らかになります。残り一時間どうするのかとおもいきや、後半は怒涛のエイミーメンヘラ展開。ストーリーは二転三転しながら、最終的には「結婚」というものについて非情な本質を突いていき、それがとても考えさせられます。

ということで、結婚したくなくなる映画として圧倒的なクオリティ。いいか、婚約中の身の人とかは絶対に見るなよ!!(ダチョウ倶楽部なノリで)

映画としての完成度の高さは随一だと思うのですが、僕が基本的に悲しい気分で終わる映画があまり好きではないのもあってこの順位。 

 

2.カンナさん大成功です! 

カンナさん大成功です! 特別版(2枚組) [DVD]

カンナさん大成功です! 特別版(2枚組) [DVD]

 

 名前がアレで日本の少女漫画原作で日本版と韓国版があるややこしい映画ですが、ここでは韓国版を紹介します。

カンナさんという超デブだけど歌だけは上手い口パク替え玉女が失恋して整形して痩せまくって超美人になって歌手としてのし上がる話です。頭空っぽにして夢詰め込める感じのあらすじですが、とにかく娯楽映画としてのクオリティがめちゃくちゃ高い。カンナさんが激ヤセしてそれまで馬鹿にしてた男たちがチヤホヤしたりするのは、超ベタなんですがテンポが良くて笑えます。

また、僕はこの映画のメッセージ性が好きです。容姿のせいで自分のことを嫌っていて自信も失っていた女性が、全身整形をすることで自分を変えるきっかけを掴み、自分と向き合っていくんです。よくある容姿をネタにした映画だと(例えばハンサムスーツとか)、結局自分と他人の関係の中で容姿が良いとか中身が良いとかの話でしかないんですね。しかし、この映画はあくまで他者はきっかけで、結局は自分が自分を認めるかどうかが重要というのを訴えていて、それに苦闘するカンナさんの姿がとても胸に響きます。

この映画も結構昔の映画なのですが、僕が映画のオールタイム・ベスト・コメディ映画を考えてもベスト恋愛映画を考えてもベスト音楽映画を考えても恐らくランクインしてくるであろう全方位に完璧な映画。全盛期の松井稼頭央のような存在感です。

この歌も超いい歌。劇中で聞くとさらにすごくいい歌。


Avia Maria

 

1.あと、1センチの恋

あと1センチの恋 [DVD]

あと1センチの恋 [DVD]

 

タイトルが原題の「Love,Rosie」では流行らなかったでしょう。邦題の「あと1センチの恋」にした配給会社に拍手を送りたいです。若干よくあるロマコメっぽいですが。このオシャレなパッケージと相まって、スイーツホイホイな感じです。

あらすじも少女漫画感がすごい。友達以上恋人未満で6歳の頃から一緒にいるロージーとアレックス。お互いに初めての恋人ができたときも、セックスを経験したときも、側にいて相談し合いながらもホントは相手のことを思っていたりして、すれ違い続ける二人の話です。

ベタな話ですが、その時間的な長さが物語に引き込まれます。序盤で高校3年生だった主人公が最終的に30歳になってますからね。で、その間お互い色々なパートナーを見つけてよろしくやっているんです。それも数回。なんなら妊娠も結婚もしちゃう。そんなら何も純愛じゃないだろーとかも思うんですが、高校生の二人からその姿を追っているので、どうしても二人に共感してしまうんですね。そこが上手い。お互いがお互いに見えている部分と見えていない部分。その両方とも観客は知っているので、「あーもう早くくっつけば良いのになー」と思いながらも運命のいたずらが起こるたびにやきもきして、しっかりとロージーとアレックスの応援をしてしまいます。

ちなみに、主役のリリー・コリンズがめっちゃかわいいです。眉毛が太くて有名らしい。


『あと1センチの恋』映画オリジナル予告編

 

最後に

恐らく全てツタヤで全部旧作レンタルできます。お正月にゴロゴロしながら見てください。