映画「ラブ・アゲイン」はラブコメ史上最高レベルの傑作!(但し邦題がひどい)

たまたまラブコメ映画が見たい、というなんだかよくわからない気分になり、「ラブコメ 映画 おもしろい」とかでググってみたらやたら好評かだったので、「ラブ・アゲイン」という映画を半信半疑で見てみました。

 

あらすじ

中年のキャルはある日突然レストランで妻から別れを告げられる。妻のことを忘れられないキャルは、バーで店員や隣の女性に誰かれ構わず愚痴リ続ける。その姿を見かねたイケメンナンパ師のジェイコブが、キャルに声をかける。いい男になって別れた妻に後悔させてやろうと。そして、キャルはジェイコブの指導の元、ダサいファッションをおしゃれに変え、バーでナンパに繰り出すのだが…


『ラブ・アゲイン』予告編 - YouTube

 

感想

あらすじだけ読むと、ああ、これはよくあるラブコメだ、と感じます。ダサい主人公がかっこ良く変身し、モテまくる。でもその他大勢にモテても意中の人は振り向かいてくれず、やはり最終的に重要なのは表面的なモテテクニックではなく、心の美しさなんだと気づく…という超ありがちな展開。でもいいんですよ。ラブコメとはお約束をいかにクオリティ高く作り上げ、120分笑いありトキメキありで楽しい時間を過ごさせてくれればいいのですから。

と、最初は想像していたのですが、全然違いました。

 

あらすじにこれ以上のことを書くとネタバレになってしまうので書けないのですが、最初の60分ぐらいが上記のあらすじで、そこからジェットコースターのような急展開を迎えます。しかし、結末はまさに王道ラブコメというハッピーさ。こんなラブコメがあるのか!という感想です。非の打ち所のない傑作なので、ぜひもうこのあとの文章を読まずに見て欲しい。先に書いておくと、このブログでこれまで紹介している映画の中で、一番ぐらいにおもしろかったです。

 

 

 

 

 

 

 

ということで、見る気がある人はこの後の文章を読まないで欲しいのですが、もうちょっと続きます。ちょっとだけネタバレ含む。

 

タイトルに邦題がひどい、と書いたのですが、この「ラブ・アゲイン」という映画は原題が「Crazy, Stupid, Love」なんですね。「狂おしく、愚かな、愛」とか、そんな翻訳でしょうか。映画全体は、そんな愛というものに対する滑稽さとかがテーマなんですね。「ラブ・アゲイン」だと、どうせキャルが離婚した妻と戻るまでの物語なんだろうな~と思ってしまうんです。しかし、それは完全なミスリード。

映画の最初はキャルがイケイケナンパ師になるまでの話なんですけど、ところどころ要らないエピソードが入るんですね。師匠ナンパ師のジェイコブがナンパする話とか、その女の子がダサイ男と付き合っている話とか、キャルの息子が子守のお姉ちゃんのジェシカに惚れている話とか。

なんだこの意味わからんエピソードは、早くキャルの話だけをやれ、と思うのですが、それが終盤に全部1つのシナリオに収束されるのがまさに圧巻!ただのアホラブコメかと思いきや、邦画で言えば内田けんじとか三谷幸喜とか洋画で言えばガイ・リッチーとか、そんな感じの技巧派脚本。ムダに散らばったピースが全部つながる爽快感がたまらない。上記の監督の映画が好きな人は、絶対に見て後悔しないでしょう。

 

この映画(というかラブコメ)の素敵なところは、とにかく人生とか恋とかそういうものに対してポジティブであるところです。いろいろ問題は起こるのだけれど、それは全て人間関係のスレ違いとか自身の弱さとかそういうのに起因するもので、人生そのものに対してネガティブではない。キャルの息子はひたすらに「魂の伴侶(ソウルメイト)」という言葉を連呼します。ジェシカは自分のソウルメイトだと。13歳の少年が何を戯言を、と思うのが現実ですが、映画の中ではひたすらにロマンチックに、それが真実であるかのような夢を見させてくれます。ケンカしたり傷ついたり失ったりしながらそれでも登場人物がソウルメイトを探す姿は、まさに「Crazy, Stupid, Love」であり、とても愛おしく感じるのです。

 

評価

90点(100点満点中)

 

 

 

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