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写真で見る スズキ新型「クロスビー」(2025年発売)

新型クロスビーは独自のキャラクターはそのままにSUVらしさをアップ。撮影車両はHYBRID MZ。ボディカラーはキャラバンアイボリー ホワイト2トーン

 使い勝手のよいワゴンボディと根強い人気を誇るSUV。そのコラボレーションによって生まれたのが、スズキのクロスオーバーワゴン「クロスビー」だ。

 これまでのSUVはサイズを問わず「タフさ」や「都会的」といったイメージを強調することが多かったが、2017年にデビューした初代モデルは「カジュアル」&「カワイイ」をアピール。独自の立ち位置は男性だけでなく女性ユーザーにも受け入れられ、コンパクトSUV市場をけん引することになった。

 2代目となる新型のコンセプトは「アクティブシーンに似合う個性的なデザインと広い室内空間を兼ね備えたコンパクトクロスオーバーSUV」。ボディサイズは3760×1670×1705mm(全長×全幅×全高)と初代と変わらず、外板パネルについても前後ドアなどはキャリーオーバー。その一方で、フロントまわりは厚みを増しつつワイド感を強調したデザインとしたほか、ランプ類などディテールを刷新することで新型ならではのキャラクターを作り出している。

 内装は新型になって大きく変更された部分だ。初代モデルはペイントされた樹脂パネルを多く使ってカジュアルなイメージを演出していたが、新型は立体感を強めるとともにシボを表現した樹脂パネルを採用するなど、全体的にラグジュアリーな方向に転換。シートなどにレザー調表皮を採用して上質感を高めたアップグレードパッケージが用意されるなど、全体的にひとクラス上のモデルへとクラスチェンジが行なわれた印象だ。

 同様にパワートレーンも刷新。初代モデルは1.0リッターターボエンジン+マイルドハイブリッドの組み合わせだったが、新型は「スイフト」にも搭載される自然吸気ユニットの直列3気筒DOHC 1.2リッターエンジン「Z12E」型とマイルドハイブリッドの組み合わせに変更された。スペックはエンジンが最高出力59kW(80PS)/5700rpm、最大トルク108Nm(11kgm)/4500rpmとマイルドな方向に。モーターは「WA05A」型から「WA06D」型に変更されているものの、数字的には最高出力2.3kW(3.1PS)/1100rpm、最大トルク60Nm(6.1kgm)/100rpmとほぼ変わらない。

 トランスミッションは全車CVTとなり、2WD(FF)のほか4WDも用意される。車両重量は2WD車が1tを切る970kg(上位グレードは990kg)で、4WD車は若干重くなり1010kg(同1030kg)。WLTCモード燃費は自然吸気エンジンベースとなったことで初代よりも向上しており、22.8km/L(4WD車は21.0km/L)となった。

 サスペンションまわりなどは初代モデルを踏襲するが、細部のチューニングや剛性アップ、減衰接着剤の採用などにより操縦性はもちろん静粛性や乗り心地を向上。新たにアンダーステアを軽減する「アクティブコーナリングサポート」も採用している。そのほか、180mmの最低地上高、4.7mの最小回転半径など取り回しに関する性能はこれまで通りだ。

 先進安全装備は単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた「スズキ セーフティ サポート」を採用。右左折時の歩行者や自転車、右折時の二輪車の検知などにも対応した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」に加え標識認識機能、ブラインドスポットモニター、車線逸脱防止機能などを新採用するほか、アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能などは従来より進化したバージョンとなった。

 ボディカラーはルーフだけでなくボディ下部もブラックとした「ブラック タフ 2トーン」を新設定し、「ミスティックブルー」「ピュアホワイト」「キャラバンアイボリー」「バーニングレッド」が組み合わされる。そのほかルーフをホワイトとした「ホワイト2トーン」が3色、同ミネラルグレーとした「ミネラルグレー2トーン」と同ブラックとした「ブラック2トーン」が各1色、モノトーンが4色と豊富なパターンが用意される。

 グレードはベーシックモデルとなる「HYBRID MX」と上級モデルとなる「HYBRID MZ」の2タイプ。HYBRID MZには内装の上質感をアップした「アップグレードパッケージ」(6万9300円)も設定される。価格はHYBRID MXの2WDが215万7100円、4WDが233万3100円。HYBRID MZの2WDが233万5300円、4WDが250万300円。

ヘッドライトとグリルを一体としたデザインとすることでワイド感をアップ。バンパーはボディ同色にするとともに開口部やフォグランプ部分を角丸デザインに
リアバンパーもボディ同色化
ボディサイズは3760×1670×1705mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2435mm
斜め後方からの眺めは初代同様クロスビーらしい雰囲気
グリル中央下部の黒い部分にはミリ波レーダーが収められている
バックドアにはハイブリッドを示すバッヂ
先進安全装備の要となるカメラは単眼タイプを採用
特徴的なヘッドライトは全車LEDタイプ。HYBRID MZはポジションとして点灯する部分がターンランプにもなる切り替え式
リアコンビランプは全車共通のLEDタイプ
排気量を1.2リッターにアップして自然吸気エンジンに変更。燃費を向上している
HYBRID MZは切削2トーンアルミホイールが標準。撮影車両は175/60R16サイズのブリヂストン「エコピア EP150」を装着
インパネは初代モデル譲りの水平基調ながらギア感を抑えて上質さをアップ
HYBRID MZはパドルシフトを備えた本革巻きステアリングを標準装備
メーターには7インチの液晶パネルを採用。HYBRID MZ アップグレードパッケージ装着車はヘッドアップディスプレイも備わる
「スポーツ」「スノー」と走行モードに応じたグラフィックが表示される
メーター中央にはトリップやエネルギーフロー、タイヤアングルなど各種情報を選択して表示可能
HYBRID MZはシフトノブも本革巻き。フルオートエアコンは全車標準
エアコンパネル下部に走行関係のスイッチをまとめて配置
ステアリングコラム右側のスイッチ。HYBRID MZはステアリングヒーターを標準装備
HYBRID MZは多くの収納スペースを備えたセンターコンソールを装備
上下2段式となっており収納力が高い
前方にはクロスビーのロゴ
後端には電動パーキングブレーキ(HYBRID MZのみ)やシートヒーターのスイッチも
全車オーディオレス仕様で6スピーカー&ステアリングスイッチ付。撮影車両に装着されている9インチHDディスプレイを備えた全方位モニター付メモリーナビゲーションはオプション。装着スペースとしては8~10インチまで対応する
メモリーナビゲーション装着時はインパネ下部にHDMI端子を追加。HYBRID MZにはPD対応のUSBタイプC端子×2が標準
フロントシート頭上にはルームランプなどを装備。メモリーナビゲーション装着時はSOSボタンも用意される
大型のサンバイザー裏にはバニティミラーが
サイドベンチレーションまわりには高輝度ウォームシルバーの加飾が施される
運転席用のカップホルダー。角型パックも利用可能
助手席側。インパネの茶色い部分はシボやステッチ状の模様が入るなど遠目にはレザー調素材のように見えるが実は樹脂製
インパネにあるのはナビゲーション接続用のUSB端子
インパネと同じく水平基調のヘリボーン柄を使ったシート表皮はブラウンステッチやアクセントカラーの組み合わせにより上質な印象。撥水性のあるファブリックを採用するほかセンターアームレストも装備
運転席ドアトリム。インパネ同様にブラウン樹脂が使われている
助手席の座面下は収納スペースとしても利用
さらに下部にはハイブリッド用の電池が収められている
リアシートは5:5の分割可倒式。それぞれ独立してスライドやリクライニングが可能
助手席のシートバックは前倒しできる。長尺物のなどの積載に便利
リアドアトリム
HYBRID MZには運転席&助手席シートバックに折りたたんで収納できるテーブルを用意
ラゲッジスペースはリアシートと組み合わせてアレンジ可能
ラゲッジスペース側面中段にユーティリティナット(M6)を計4か所用意。オプションなどを使ってスペースを便利にアレンジできる。照明やDC12Vアクセサリーソケットも備わる
フロア下には取り外し可能なアンダーボックスがある