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写真で見る スズキ「ラパン」「ラパン LC」

撮影車両はアルト ラパン LC HYBRID X。ボディカラーはルーセントベージュパールメタリック アーバンブラウン2トーンルーフ

 ハイト系モデル&スライドドア装備車が席巻する軽自動車市場にあって、ひときわ異彩を放っているのがスズキ「アルト ラパン」だ。

 2002年のデビュー以来、一貫して女性ユーザーをターゲットとしたクルマづくりが行なわれており、背の低い箱型ボディに角を落とした丸みのあるディテール、4枚ドアといった特徴的な外観を継承。2008年に登場した2代目、2015年にデビューした現行モデルと高い支持を受け続けている。

 前述したように現行モデルは2015年の登場とロングセラーモデルとなっているものの、2019年および2020年、2022年には安全装備の追加などの仕様変更を実施したほか、2022年の仕様変更時にはレトロ風味をプラスした「アルト ラパン LC」を追加するなど商品力の強化が随時行なわれてきた。

 そして、この7月にもさらなる仕様変更が実施された。主な変更点はデザインやボディカラーの変更、パワートレーンの刷新、安全機能のさらなる充実化といったものになる。

 パワートレーンは改良型「R06A」エンジンから「R06D」エンジンへとスイッチすると同時にマイルドハイブリッド化。このマイルドハイブリッドは減速時のエネルギーを利用して専用リチウムイオンバッテリなどに充電、加速時にはその電力を利用してモーターによりエンジンをアシストするもの。その結果、WLTCモード燃費は仕様変更前モデルが26.2km/L(2WD車)だったのに対し、新型は27.3km/L(同)と向上を実現している。

 安全装備の面ではステレオカメラを使った「デュアルカメラブレーキサポート」から、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」に変更。検知対象をクルマだけでなく歩行者、自転車、自動二輪車まで拡大するとともに、交差点での検知にも対応。高速走行時に車線の逸脱を検知して戻す方向へのステアリング操作をサポートする「車線逸脱抑制機能」、駐車時などに障害物を検知し音やブレーキでサポートする「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」など、数々の先進安全機能を標準装備とした。また、緊急時のオペレーターサービスのほかリモートエアコンやリモートドアロックなどのアプリ機能を利用できる「スズキコネクト」(オプション)にも対応する。

アルト ラパン LC

 今回の仕様変更で大きく印象が変わったのがアルト ラパン LC。従来モデルは横長のグリルに馬具を思わせるアクセントが配置されていたが、新型では凸型のグリルに変更するとともに“Lapin”の文字を配置。よりレトロな雰囲気を感じさせるものとなった。

 内装ではシート色をアッシュブラウンに変更したほか、「HYBRID X」ではインパネガーニッシュやインパネオーナメントカラーの変更が行なわれている。

 グレードはベーシックモデルとなる「HYBRID L」と、「360°プレミアムUV&IRカットガラス」など装備を充実させた「HYBRID X」の2タイプ。トランスミッションはCVTのみで、どちらも2WD(FF)と4WDが用意される。

 ボディカラーは新色の「ルーセントベージュパールメタリック」と新設定となる「フォギーブルーパールメタリック」が用意され、モノトーンが6色、ルーフを「アーバンブラウン」または「ソフトベージュ」とした2トーンルーフがそれぞれ3色の計12パターンとなる。HYBRID Lはモノトーンのみで「トラッドカーキメタリック」「テラコッタピンクメタリック」を専用色として設定。2トーンはHYBRID Xのみの設定となっており、モノトーンはHYBRID L専用色を除いた4色の設定となる。

 価格はHYBRID Lが167万2000円(2WD)/177万6500円(4WD)、HYBRID Xは184万4700円(2WD)/194万5900円(4WD)。

アルト ラパン LC HYBRID X。ボディカラーはルーセントベージュパールメタリック アーバンブラウン2トーンルーフ
世界観はそのままに凸型のグリルを採用するなど印象が大きく変わった
先進安全装備は単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせに変更。検知対象も拡大
ハイブリッドを示すバッヂはフェンダー部のみに配置
リアのオーナメントは変わらず
アルトシリーズの一員であることを示すデカール
HYBRID Xはハーフホイールキャップ付きの14インチアルミホイールが標準。タイヤサイズは155/65R14。撮影車両はダンロップ「ENASAVE EC350+」を装着
インテリアはベージュを基調としたカラーでHYBRID Xはシックインパネと名付けられたカラーパターンを採用。オーディオはレス仕様が標準。HYBRID Xは6スピーカー、HYBRID Lは2スピーカー仕様となる
グレードにかかわらずアッシュブラウン×アイボリーの本革巻ステアリングが標準。センターのエンブレム色は従来のワインレッドからキャメルに変更
メーターは上部にステータスインフォメーションランプ、下部にインフォメーションディスプレイを配置した1眼タイプ。インフォメーションディスプレイはサイズアップされている
サンバイザー裏には運転席、助手席とも照明付きバニティミラーを装備
緊急通報などが行なえるスズキコネクトに対応。対応通信機は全方位モニターカメラなどとのセットオプションになる
HYBRID Xはインパネガーニッシュがレザー調キャメル、その下部にあるインパネオーナメントはブラックヘリンボーン柄になる
ベンチタイプのフロントシートの中央にはアームレストを装備。シート表皮はレザー調&ファブリックのコンビネーションでカラーはアッシュブラウン
リアシートもフロント同様のカラー

アルト ラパン

 外観はアルト ラパン LCと同様にフロントグリルとバンパーの意匠を変更。従来モデルではメッキのグリルが目立っていたが、新型はブラックをベースにメッキのドットパターンを組み合わせたものとしたことでシックな印象となった。

 内装は上級グレードとなるHYBRID Xに専用のシート表皮やドアトリムクロスカラーを設定。ボディカラーによってベージュをベースにライトブルーまたはモカブラウンのコンビネーションとなる。そのほかのグレードのドアトリムクロスはベージュ、シート表皮は彩度を落としたブラウン系の単色となる。

 グレードはベーシックモデルとなる「HYBRID G」と、LEDヘッドライトなどが標準となる「HYBRID L」、「360°プレミアムUV&IRカットガラス」「14インチアルミホイール」などを標準装備する「HYBRID X」の3タイプ。トランスミッションはCVTのみで、3タイプとも2WD(FF)と4WDが選択できる。

 ボディカラーはアルト ラパン LCと同じく「ルーセントベージュパールメタリック」「フォギーブルーパールメタリック」などモノトーンが7色、HYBRID Xのみルーフがソフトベージュとなる2トーンカラーを4色の計11パターンが用意される。

 価格はHYBRID Gが154万2200円(2WD)/165万4400円(4WD)、HYBRID Lは162万9100円(2WD)/173万3600円(4WD)、HYBRID Xは179万4100円(2WD)/189万5300円(4WD)。

撮影車両はアルト ラパン HYBRID X。ボディカラーはフォギーブルーパールメタリック ソフトベージュ2トーンルーフ
エンジンはR06D型へ変更。スペックは最高出力36kW(49PS)/6500rpm、最大トルク58Nm(5.9kgfm)/5000rpm。組み合わされるモーターは1.9kW(2.6PS)/1500rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpm
助手席シート下に3Ahのリチウムイオンバッテリを搭載
インテリアカラーはベージュを基調としたもの
HYBRID Xはインパネガーニッシュがサンセットアイボリー、その下部にあるインパネオーナメントはブラウン木目調になる
撮影車両のシート表皮はベージュとライトブルーのコンビネーション。このほかHYBRID Xはボディカラーによってベージュとモカブラウンのコンビネーションも設定される