書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

12月の月間ベスト

これで決まりでしょ。あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2)作者: ボフミル・フラバル,石川達夫出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2007/12/14メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 103回この商品を含むブログ (49件) を見る とかく濃い文章。まろやかな感性…

エーコとパムク

いつまで経っても邦訳が出ないので、専門書を買うついでにエーコ『バウドリーノ』とパムク『白い城』の中国語訳版を取り寄せ。 これらを読み終わるのと、日本語訳が出るのと、どちらが先かね……。 中国語の訳本は、他にユゴー『笑う男』、漱石『吾輩は猫であ…

今年出た海外文学新刊まとめ

いよいよ年末。年末といえば一年のまとめをするのが世間の通例。しかし年間ベスト10のたぐいは年度末にやるのが私の旧サイト時代からの習慣なので、ここには今年出た新刊に限った、ランク付けなしの紹介記事を書いておこう。 まず1月に出たレム『大失敗』…

クリスマスは終わってしまったけれども

そういえば、今年はちょっといいクリスマス物語があるんだった。うっかりクリスマスに紹介するのを忘れてしまっていたけど、未読の人は今からでも読んでみたらどうだろう。真珠の首飾り―他二篇 (岩波文庫 赤 639-2)作者: レスコーフ,神西清出版社/メーカー: …

やっと出たナイポール『自由の国で』

ナイポールのブッカー賞受賞作『自由の国で』、ジュンク堂にて購入。『中心の発見』以来四年ぶりのナイポール・コレクションの続刊。巻末の案内によると、次巻は『読むということ、書くということ』、08年2月発売予定とか。こっちは小説論なのかな? 海外…

モーリス・ルブラン『奇岩城』

奇岩城 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: モーリスルブラン,Maurice Leblanc,平岡敦出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/05/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る カエサルからルパンへ、それで終わりだ。(284ページ) ジ…

ハインリヒ・フォン・クライスト『ミヒャエル・コールハースの運命』

ミヒャエル・コールハースの運命―或る古記録より (岩波文庫)作者: クライスト,吉田次郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1941/06/28メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 15回この商品を含むブログ (14件) を見る 馬商人ミヒャエル・コールハースは、公子ウェ…

ウィリアム・シェイクスピア『尺には尺を』

尺には尺を (白水Uブックス (26))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る あなたの運命を変えられるとしても変えたくはない、 あなたの死を…

清野静『時載りリンネ!』

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)作者: 清野静,古夏からす出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/07メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 136回この商品を含むブログ (136件) を見る 女の子はいつも颯爽としてなくっちゃ。(247ページ…

フォルカー・ブラウン『自由の国のイフィゲーニエ』

で、最後に現代劇をと。例のドイツ現代戯曲選、これで18冊目。自由の国のイフィゲーニエ (ドイツ現代戯曲選30)作者: フォルカーブラウン,Volker Braun,中島裕昭出版社/メーカー: 論創社発売日: 2006/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見…

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『タウリス島のイフィゲーニエ』

で、次は古典主義劇という名の近代劇ね。タウリス島のイフィゲーニエ (岩波文庫 赤 407-7)作者: ゲーテ,片山敏彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1951/11/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (2件) を見る 「どうにもやむを得…

エウリピデス『タウリケのイピゲネイア』

今日はイピゲネイア三連発。まずは古典劇。何気にエウリピデスはいままで未読だったり。ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)作者: 松平千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/05/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含む…

アレッサンドロ・バリッコ『絹』

絹 (白水uブックス―海外小説の誘惑)作者: アレッサンドロバリッコ,Alessandro Baricco,鈴木昭裕出版社/メーカー: 白水社発売日: 2007/12/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る ――どうしても行かなければいけませんの、バルダ…

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今日は新刊。クライスト『ミヒャエル・コールハースの運命』、レグラ『私たちは眠らない』、レム『エデン』、バリッコ『絹』を購入。 あとナイポール『自由の国で』だが、AmazonやBK1にも登録されていて、草思社のウェブサイトでも最新刊に挙げられている…

山県石雄『戦う司書と荒縄の姫君』

戦う司書と荒縄の姫君 (戦う司書シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 山形石雄,前嶋重機出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/04/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 45回この商品を含むブログ (71件) を見る 実はこの世界は、あたしのものなんです。(…

ボフミル・フラバル『あまりにも騒がしい孤独』

現代チェコ文学というと、日本ではクンデラの一人勝ち状態だ。古典を含めても、クンデラほど読まれてるのはカフカと、せいぜいチャペックくらいだろう。でもこの三人のほかにも凄いのはいる。たとえばこの人。ボフミル・フラバル。あまりにも騒がしい孤独 (…

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で、三重まで行ったからには、当然普段行けないブックオフへも行ってみたわけで。 ロランス『その腕の中で』、清野静『時載りリンネ!』、リー『熱夢の女王(上)』、古龍『楚留香 蝙蝠伝奇』、モリスン『ジャズ』、チェスタトン『木曜の男』、シェイクスピ…

「乾隆時代の書画」展にいってきました

三重県四日市市の澄懐堂美術館で乾隆時代の書画展がやっていたので行って見てきた。中国文学専攻のくせに、中国の書や画についてはろくな知識もないので、そのあたりを補強するためと、もちろん趣味を広げるためなわけだが。 ともかく行ってみる価値は充分あ…

アレクサンドル・ガーリン『ジャンナ』

ジャンナ〈2幕〉 (群像社ライブラリー)作者: アレクサンドルガーリン,Aleksandr Galin,堀江新二出版社/メーカー: 群像社発売日: 2006/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 「一人でこれから何をするつもりですか?」 「私? 私はこれから窓…

古龍『絶代双驕』の出版社はなんと……

2ch、ライトノベル板の金庸スレに、古龍の新刊情報が書き込まれていた。これだ。 マーベラス・ツインズ (1)謎の宝の地図(GAMECITY文庫) 08年1月に『絶代双驕』が出るというのは知っていたけど、まさかコーエーの新ラノベレーベルから出るとは……。こ…

フラバル買った。

フラバル『あまりにも騒がしい孤独』、レッシング『生存者の回想』購入。名古屋では「東欧の想像力」シリーズ前巻のキシュ『砂時計』がどの書店にも入荷しなかったので、『あまりにも騒がしい孤独』もネットに注文しなきゃならんかな、と思っていたが、ジュ…

R.B.シェリダン『悪口学校』

悪口学校 (岩波文庫)作者: シェリダン,Richard Brinsley Sheridan,菅泰男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/10/16メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る ま、おれを愛させることはできそうもないが、喧嘩をするだけで大いに満…

ウィリアム・シェイクスピア『終わりよければすべてよし』

積読が増えてきたらまず戯曲から片付ける。コレ基本。終わりよければすべてよし (白水Uブックス (25))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見…

オノレ・ド・バルザック『従兄ポンス』

従兄ポンス〈上〉 (岩波文庫)作者: H.バルザック,Honore de Balzac,水野亮出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1970/12/16メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る従兄ポンス〈下〉 (岩波文庫)作者: H.バルザック,Honore de Balzac,水…

レムの『エデン』

スタニスワフ・レムの『エデン』と『宇宙創世記ロボットの旅』が復刊したらしい。エデン (ハヤカワ文庫SF)作者: スタニスワフレム,小原雅俊出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1987/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (25件) を…

なんかシェリーが出るらしい

エレンブルグ『雪どけ』、ダヌンツィオ『死の勝利』を読みかけるものの、冒頭部分でいまいち萌えられず、中断。代わりに長らく積読だったバルザック『従兄ポンス』を読み始める。うん、これこれ。面白い小説ってのはこれなんだよ。 さて。本棚の中の骸骨:藤…

ウィリアム・シェイクスピア『ヴェローナの二紳士』

ヴェローナの二紳士 (白水Uブックス (8))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る おれがおれ自身にたいして忠実であるためには、 ヴァレンタ…

ディエゴ・マラーニ『通訳』

マラーニはEUで勤務する本職の通訳で、「ユーロパント」なる新言語まで考案してしまうような人らしい。そんな人が言語をテーマにして小説を書けば、つまらないものになるわけがないのだ。通訳 (海外文学セレクション)作者: ディエゴマラーニ,Diego Marani,…

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マラーニ『通訳』さっそく買った。それと今月分のシェイクスピアとして『終わりよければすべてよし』『尺には尺を』。ブックオフでは『ドストエフスキー後期短篇集』、ヴェルヌ『チャンセラー号の筏』、冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ』の一巻を見つけ…

ハインリヒ・マン『小さな町』

2001年に出た本なんだけど、もう廃刊になってしまっているらしい。たまたま「日本の古本屋」に出てたから購入できたけど……H.マンの翻訳があるのに買えないとは勿体無い。ごじゃごじゃごじゃ。小さな町作者: ハインリヒマン,Heinrich Mann,山口裕出版社…