2023/12/29

「魔術はささやく」

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昨日読んだのは「魔術はささやく」(宮部みゆき)。ついついやめられなくなり1時近くまで読んで一気に読了。

<それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた……。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。

 「この作家が中でも群を抜いているのは、良質の文章といきいきとした会話と心に残る挿話が際立っていることもあるが、何よりも考え抜かれた構成のためである。どの長編を繙いてもいい。物語をどこから語るのかというプロットに関して、宮部みゆきは驚くほど絶妙だ。  物語が意外な方向に進んでいくと時に思われるのは、すでに作者の魔術にかかっているからで、そういうふうに読者を迷宮に案内するのが宮部みゆきの作品なのである。」(北上次郎)>

 全くだ。「魔術」にささやかれるどころかかかってしまったもんなあ、私。しばらくハマりそうだ、宮部みゆきという小説家に。