視聴率と世論調査
テレビを観始めて60数年が過ぎる。そして、その間ずぅーっと気になっていたのが「視聴率」である。あの視聴率というものがどれだけ信頼性のあるものかという純粋な疑問を持たれている方は大勢いらっしゃると思うのだが、この正当性がどこまで信用できるかということに関して、私個人としては何の損得関係もないが、多額のCMを流しているスポンサーにしてみれば、最大の関心事であろう。だが、視聴率の根拠がデタラメだということで裁判沙汰になったという話を聞いたことが無いので、多分ある程度の説得力ある数字なのだろうということは推測できる。だがしかし、私の知人(多くはないが少ない方ではないと思っている)、親戚を見渡してもこの視聴率を計測する機械を取り付けているという人に出会ったことが無い。一説によればこれは「機密事項」だからたとえ親子であっても秘密にしなければならないということらしいから本当はいるのかもしれないが、私はこの60数年の間、一人も出会ったことが無い。
視聴率と同列に扱ってよいか議論の余地はあるが、「世論調査」というものも私にはどうも信頼できないもののひとつだ。専門家によると世論調査で信頼度95%以上の結果を得るには3000人以上の回答を得ることが望ましいとされているのだが、よくよく各社の有効回答数をみると3000人に達しているところはほとんど無い。それに最近増えているコンピュータで無作為抽出した固定電話に電話して回答してもらう方式の世論調査が、固定電話を持たず携帯電話オンリーの今の若者の声をどこまで反映されているのかも怪しいものである。
そして、これらの数字が世論を誘導しているとしたら…。
おっと、アブナイアブナイ。私の不得手な政治の話に突入しそうになってしまった。何故こんな話になったかというと、数字に関するこんな記事を読んだからだ。孫引きであるが面白いところだけ引用させてもらうと
<だいたい数字なんて、人によって受け止め方はさまざま――という面白い例を博報堂生活総合研究所著「生活発想塾」で読んだ。たとえば
(1)「オジサン」って何歳? (2)「近所」って自宅から何メートルの範囲?
(3)一瞬って何秒? (4)ちょっと一杯って何分以内? (5)猛暑って何度C以上? (6)大特価って何割引? (7)過去のことって何年前? (8)多数派って何%以上? (9)太ったなって一ヶ月でプラス何キログラム? (10)小銭って何円くらい?>
調査による平均値は次の通りだ。
(1)43.2歳 (2)472m (3)2.4秒 (4)48.3分以内 (5)33℃ (6)5.1割引 (7)5.5年前 (8)66.5%以上 (9)2.85kg (10)710円
この平均値、もちろん、有効回答数3000人以上の値だということを申し添えておく。