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たまに面白いことをいうブログです

痔瘻根治術「シートン法」を受けた激戦の記録、完全版

突然ですが皆さんは痔瘻ですか?私は痔瘻です、じろうって読みます。ごきげんよう。タイトルの通りなのですが、長すぎるのと痛い表現があるので気になる方はどうぞ。

まとめると

  • 市販のナプキンは最強
  • 家から通いやすいところで手術を受けたほうがよい
  • 自分の場合、シートン法を使い3ヶ月程度(86日)で完治



さて、痔というのは3種類ありましてね。痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)・痔瘻(あな痔)というのがあります。肛門周囲膿傷というやつに10年ほど前になりまして、座ったり排便したりすると最初はジンジン痛いんですね。それから1日も経たないうちに激痛に変わります。もう座ってられないし「どうしちゃったのかなー?」とお風呂でお尻のあたりを確認しただけでギャーン!と痛みがあります。

 

 

この肛門周囲膿瘍は名前の通り、肛門の周囲に膿が溜まってしまうもの。治療はシンプルで(場所によりますが)「麻酔をしてブスッとメスを刺して膿が通る道を作ったら指でかきだす」というものです。10年前の痛みをつい先程のことのように覚えています。先生に「脳天に響く激烈な痛みだけど頑張って」と言われました。

で、去年の8月下旬くらいに「これはまたなったな」と自覚してすぐ職場からわりと近い病院に行きすぐに検査。治療法は熟知していたし、それしか選択肢がないことを理解していたので病院の後は仕事を休むことに。案の定「今すぐ手術をするか、近い内に改めるか」と言われたので「今やりましょう」と伝えるとお医者さんがビビっていた(たいていの場合は即決しないらしい)くらいです。

こちらが図です。何が何やらわからんと思いますが、左側の図の右側が肛門と思ってください、肛門の周囲に筋肉があって、その隙間に膿が溜まって管になるとっていう図です。右側の図はお花みたいなのが肛門で葉っぱみたいなのが膿の管というイメージです。寝転がってガバッとしたイメージ図です。
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今回で肛門周囲膿瘍になるのは2度めで以前とは違う部位に問題があり、かなり奥深くのところに膿があったそう。先ほどの図でいうとⅢの位置。この時の手術のことはあまり覚えていないけど、随分と長く手術をした記憶。(それでも10分とかだろうけど)麻酔はメスを入れる部位くらいにしか効かないので、膿を掻き出す時の激痛が本当につらい。正直、痛すぎて腰を痛めた。そんなことあるのか。

14時くらいに終わった気がするけど、奥さんに「帰っても動けないと思うので自宅近くの漫画喫茶に直行します」と連絡した。手術は終わってしまえばどうという事もないし、化膿止めなども処方されないのでフルフラットシートで寝転んで適当に漫画とか読んでいたけれどトイレに行くと鮮血が派手に出ていてひいた…

経過観察とチェックなどのため10月上旬に大腸内視鏡検査を受けるよう言われる。これは結構たいへんで、メモを見ながら振り返りたい。検査としては、前日から腸の中を綺麗にしておき当日は大量の下剤を飲んで排便が何も無くなったかどうかを看護師さんに目視で確認してもらいOKだったらお尻からカメラを入れて検査するという、なかなかアグレッシブかつ恥ずかしさも兼ね備えたもの。

10月上旬
■検査前日
検査用に販売されている「クリアスルーという食品セットを朝から順に食べる。味はイマイチだが一般的には美味しい部類。病院食が極度に苦手なのでつらいがまだ我慢出来るレベル。

夕食を20時には食べ終わったが、注意書きの紙をなくしたのもあって21時にプルゼニド2錠をおそるおそる飲んで就寝。

■検査当日
7:30 起床、強い便意は無いがとりあえずトイレで少量の排便。
8:45 間に合うと思いきや電車が事故の影響で混雑しすぎで10:30に到着。遅れてしまい「予定が大幅に狂ったので最大で16:30になるかも」と言われるものの開始。

説明書
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これが下剤、緊張感があるボリューム
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10:45 モビレップ(下剤)を飲み始める。
15分起きに200mlを2回、10分おきに3回。1時間で1リットルを飲む。そして水を30分かけて500ml飲む。水を飲み終えた段階くらいで排便は透明になる。回数でいうと5回くらい。看護師さんに確認してもらうもまだ色が濃いとのことで待機。ここで2時間経過。
なぜか便は濃い黄色で出てくるのは水だけ。不思議とお腹はすかない。

その後、6回目でOKが出て待機。8回目、薄い黄緑になったのは2時間経過した12:30くらい。

13:00 看護師が休憩に入り、このくらいから便意はほぼなし。
14:30 やっと呼ばれ、穴の空いた紙パンツ、検査着に着替えて最後にトイレをして点滴の針を腕に刺してもらう。金属類は全て外すよう言われる。

15:00 処置開始。手術台に横向けに乗り血圧計、酸素チェックモニターを装着。腸をリラックスさせる薬と、ぼんやりする薬(意識下鎮静法)を順に投与。わりと時間をおかずにスタート。お腹に違和感があり、痛みもそれなりにあったがぼんやりしてよく覚えていない。眠くさせてほとんど記憶に残らないような状態で検査をするのだ。
手術前に「ポリープがあったら切除するか」の欄にYESと書いたのだけど、2-3mmのポリープがあったので切除してもらったらしい。おそらく10分ほどで処置は終わり、リクライニングのソファーへ移動。1時間ほど寝た。そのあとの問診で、おおむね問題なかったこと、ポリープ切除のことを聞いて終了。3-4年ごとに内視鏡検査はやったほうがよいと言われる。16:30頃に病院を出た。

後日もらった紙、2cmでガン化する可能性のあるものを4mmで切ったよとのこと
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こういった注意書きをもらいます
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17:00 帰りがてら、うどん屋でうどんを食べる。夜はお風呂に入れないのでシャワーですます。
22:30 排便があるも固形ではなく。少し血が混ざっていたような?いきんではいけないので自然体で。自然体ってなんだ。

■翌日
排便するがかなりやわらかい。血は混ざらず。頭がいたい、お腹もやや痛む。

■2日目
朝、お腹くだしぎみ。便が徐々に固形になった。うどんなどやわらかいものを食べる。

■3日目
すっかり元通り


大腸内視鏡検査は準備も大変だし、痛みはそんなにないけどなかなか大変。ポリープ切除もまったく痛みなどは残らず。排便後、少ないが出血する日が数ヶ月続く。

2週間後、経過観察の結果などのため再び病院へ。切除した細胞などを調べた結果、ポリープは4mmで良性だったので気にしなくてよいとのこと。クローン病などもなし。ただ、肛門周囲膿腫の術後は膿の管が出来ている状態で、いわゆる「痔瘻」の状態。根治術を勧められ、自宅から通えるところのほうがいいですよとのことで大きめの病院を紹介される。大腸肛門外科の名医である先生がいらっしゃるとのことで紹介状をもらい終了。

10月26日
診察&検査
自宅から約40分ほどの位置にある病院。紹介状を持ち、初診だったので予約できずとりあえず2時間待ち、エコー検査(都合3回突っ込まれる、痛い)をして部位特定からの手術確定。12月中旬に3泊でやることになった。入院するにあたっての事前検査などをやって
・採血、レントゲン、入院手続き
・問診票は4ページあり長い
・どんな性格ですか?という問いは面白かった、入院中に看護師さんが参考にするのだろう
というわけで、2時間待って2時間で合計4時間かかった



日を改めて別の検査

11月13日
検査
手術前の検査で、腹圧を検査するそう。仕事を早めに切り上げ、18時から検査開始。「細い管を入れて検査する」とだけ聞いていたので痛いのかなとビクビクしていたら細い検査用の棒?おそらく小指の半分くらいの細さを第2関節程度まで入れられ、お尻の穴をギュっとしめるってのを3回やるだけ。痛くなくて拍子抜けした。
こちとら大腸内視鏡検査ばりに内臓的な痛みを想定していたが全然こないもんだから緊張しっぱなしで「もっとリラックスしてねー」と言われても全然できなくて、完全にほうけるくらいの脱力じゃないとダメなのもわりとしんどかった。事前にどういう検査かもっと説明してくれればこちらも気を抜けるのだけど。
12月は出張などがあり手術日を1月にしてくれないかと事前に電話で相談していたのでその調整もして、1月21日にずらしてもらった。



12月下旬
下剤をとりにこいというので行った。「ここ来る前に内視鏡検査をしましたけど必要なんでしょうか?」と聞いたところ、手術日変更のタイミングで齟齬があったそうで結果的に内視鏡検査は不要になり入院日が1時間遅れることになった。



そして迎えた手術日である1月21日。結局、排便後の出血は少ないながら続いた。

1月21日
手術前日
子供が入れないため病院へは一人できて、承諾書やオムツ使用承諾書などなどにサイン。預かり金5万円をカードで支払い。入院時はオムツやガーゼ・紙パンツなどのセットを病院近くの薬局で買い(4000円)入院の30分前に来院。4人部屋に案内され、窓際で暑いので窓を開けてカーテンを閉めた。部屋には老人が2人、わりと若い人が1人。
看護師が来てスケジュールや薬の使用有無など確認。半身麻酔は痛いので全身にしてもらえないかと打診して先生と相談することに。翌日は7時から浣腸とのこと。「少し見せてもらいますねー」とカジュアルに看護師さんにお尻を見られる。
部屋は 4人部屋で一日4700円。テレビと冷蔵庫は申し込みが必要で有料と聞いていたがなぜかどちらも普通に使える、聞くと有料の部屋だかららしい(テレビは見ないので別にどちらでもいいけど)窓際のベッドでよく日が差すので暑いためすぐ窓を開ける。今度は寒い。
病室は4人部屋だけど、それぞれ完全にカーテンを閉めきるのでお互いに会話もやりとりも一切なく現代的。みなスマホを見ている。

日が差すと真っピンクになる
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15:30 先生から手術について説明。全身は即却下。理由としては、半身はほとんどの場合は無痛で終わり全身だとうつ伏せなので麻酔が抜けたりするリスクがある&尿管必須。5分程度で終わる手術なので、全身かけてる間に終わるで、とのこと。納得。出血は2週間ほどある予定、圧迫してある程度止めることも可能。
今夜は流動食と下剤。朝は浣腸ね、とのこと。手術は開放式とゴムで結ぶシートン法というのがあり、どちらになるかは術中の先生の判断で決めるそう。うまいことお願いします。

痔瘻って何で出来るんですかね?」と先生に聞いたら「私が思うに、持って生まれたもので、症状が今でてるだけと思います」と、数多の症例を見てきた先生は言っていた。そういうもんかぁ。ネットとかで見ると生活習慣病みたいなもんで、暴飲暴食で普段から下痢気味だったりするとなるみたいなのを見たけど先生なりの優しさだったのだろうか。

16:00 風呂へ。シャンプーとボディーソープは持ってきたので持参したけど病院側で用意があった。風呂場がやたら広くて6畳くらいあった。サッと入って体を拭いていたら看護師さんがシャンプーとボディーソープを持って入ってくるアクシデント。医療従事者に裸を見られてもなんてことはないので「シャンプーとか自分の使いましたー」と話して終わり。

18:00 夕食。重湯と出汁とリンゴジュースのみ。病院と他人の料理が苦手なコンボが出てオエオエ吐き気を催しながら鼻をつまんで飲み干す。

ここで一句。

隣室の
しじいの放屁
聞きながら
心静かに
明日を待つ

隣はこんなかんじで、ナナメ隣のじいさんは「うー」とか「ああー」とか言いながら常に看護師を呼ぶしカオス感がすごい。

21:00 飲みにくいと評判の下剤を200ml溶かして飲む。氷まで持ち込まれたけど「一気でいい?」と聞いたらいいというので余裕で飲めた。メニエール病の薬の薄い版てかんじ。そして消灯。特に見回りなんかは無く、かなり自由に出来る。



1月22日
手術日
7:00 起こされると共に浣腸。夜から朝にかけて3度トイレにいったのでさほどつらいわけでもなく、トイレが病室の目の前なのがとても助かる。ちなみにトイレには薄いゴム手袋が完備されている。

9:00 手術着に着替えて点滴準備。右手は失敗、左手に。点滴をすると病人感がグッと増す。

病人感
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10:00 看護師が2人きてダブルチェック、トイレに行きオムツをはく。大人になってオムツを履いたのは初めてだ。

11:15 そろそろ開始とのことで、最後にトイレに行きキャップをかぶって準備完了。歩いて手術室へ向かう。手術室は安室ちゃんがかかっていてずっこけた。太陽のシーズン、スイート19ブルース、いい曲だ。
手術はまず背中に麻酔。腰掛けて前屈体制で3回ほど注射、横になり患部をガムテで全開にして固定。オペ開始の宣言のあと患部に何かを挿入され「感覚はあるか」と聞かれたので違和感があるのを伝えて麻酔の効きを待つ。安室ちゃんは新しいナンバーを歌っている。左手には酸素計、右腕には血圧計が装着されたまま開始。
持ち上げられるような感覚と押される感覚が続き、レーザー?のようなものでジジジという音。肉の焼ける匂いがする。最後は縫合がされたようで、よくわからないが看護師がキャッキャしていた。

11:45 手術は30分もかからずに終わり、移送用ベッドにも自分で移動できるくらいだった(しかし手術の痛みに怯えて腰を痛めた) 結局、麻酔の最初のチクリというのが痛みらしい痛みだった。あとは先生が言う通りに無痛。麻酔はどのくらいで切れますか?と看護師さんに聞くと「2-3時間てところ、人による」とのこと。
搬送されるのはたぶん初めてだったので楽しかった。「これ楽チンですねー」と話したりする。自室に戻ってきて輸送用と自室ベッドを並べてもらい、自分で移動。血圧を測ったり、水分は3時間後から、食事も昼は無しと伝えられる。3時間後から歩けるらしい。ほんとか。シャワーは明日から。

トイレはベッドでしてもらうので、しびんを持ってきてくれるそう。早朝勤務から日勤の担当看護師への引き継ぎで「術中は緊張していたのか血圧が180までいってた」と聞いた。まぁそれはこわいから仕方ないよね!


13:00 別の看護師さんがチラッと二度見してきて何だろうと思ったら「あれ?手術おわりましたよね?平気な顔してるけど」と言われ「まだ麻酔が効いてるので」と答える。その後は1時間おきに血圧と体温測定。14時の時点では痛みもなくガーゼの違和感のみ。

14:10 先生の回診、幹部の確認。「どう?」と聞かれたので痛みはないと答えると、痔瘻だけだから今夜も飲み薬でいけると思うよとのこと。ラッキー。

15:30 着替える、水分もとってOK。健康なのに着替えの補助が必要でつらい。紙オムツは蒸れる。

17:30 「最初のトイレは看護師に付き添ってもらうように」とのことなのでナースコール。ゆっくりなら余裕だった。小便だけしたがやや濃い黄色で白色が混じっていて不思議な尿だった。痛みが出てきたので痛み止めと、座るのは厳しそうなので晩飯は無しにしてよいか確認してもらうことに。

23:30 トイレのために歩くと腰の痛みが和らぐ。点滴がなぜか止まっているのが気になるのと、そういえばここ病院だなと思ってナースコールをして湿布をもらうことに。ありがたや。昨夜は流動食で固形物は36時間ほど食べていないけどお腹があまりすかない。



1月23日
手術翌日
2:00 点滴が終わったので外してもらう。放屁できるようになり、痛みもなく出来ることを確認。排便はまだこわいなというかんじ。いちおう管は外さずそのまま。就寝。

7:00
起床、スッキリとした目覚め。腰以外はあまり痛くない。顔を洗い小便。看護師さんは朝からテキパキとよく働いてえらい。

8:00 回診、特に問題なしとのことで明日退院することに。月曜に診療。「痛くなかったでしょ」とあっさりしたものだ。痛みもないし大丈夫そうなので看護師に伝え点滴の管を外してもらう。パッドを交換するとのことなので紙オムツも替えたいと伝えると自分のパンツをはいてよいとのこと。人権だ。管も外れたし、すっかり普通の人に戻った。約1日だけなのであっという間だった。ちゃんと座ってみるとさほど痛みもないが油断できない。

履き替えたら看護師がきて、紙パンツを履いてねとのこと。せっかく買ったので喜んで履こうじゃないか。ナナメ向かいのじいさんがずっと「うああ」と呻いている。食欲はまだないので断ろうかと思ったがそもそも配膳がこない。まあいいけど。

8:18 昼の人に交代。風呂に入れるというので9時に予約。すぐ戻ってきて埋まってるというので10:00に。風呂は30分おきの予約制なのだ。

8:30 はじめての排便。ほぼ固形ではなく量も少ない。シャワートイレを最小にして患部に直接当たらないようにしたが、痛みはさほど無い。拭く時に血が多少混ざっていたが真っ赤ということはない。予後は良好なようだ。

10:00 シャワーに入る。手術時のモニター用の何かが残っていたり麻酔や点滴の後の脱脂綿などを外す。右胸に黄疸があるのはなんだろう?「直接お湯をあてると痛いと思うので間接的にかけてください」と看護師に言われる。シャワーで気付いたけれど、患部は縫合されていたようだ。月曜に抜糸するのかな?

シャワー後に湿布を貼ってもらい、1Fで見かけたコンビニ自販機を見たくて「フロアをでても良いか」と聞いたところ、基本開けっ放しなので自由にどうぞとのこと。行きすがら、入院している他の患者を見かけ頭に包帯をしていて脳外科?っぽくて色々な患者がいるんだなあと至極当然なことを思う。

コンビニ自販機はセブンイレブンのものでパンやおにぎりはもちろん、冷しゃぶなども売ってて素晴らしい。当たり前だけど定価での販売。お腹がすいたのでたまご蒸しパンとココアを購入。この病院は特に制限というものがなくて自由で素晴らしい。(もちろん病状によるだろうが)

コンビニ自販機は最高
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10:30 定期検診で体温と血圧を測りながら雑談。小便と大便の回数を聞かれる。おならは出るかと聞かれ、はいと答える。すこし恥ずかしい。

12:00 昼食、五分粥と肉団子と野菜。お粥が苦手でそれ以外は食べた。牛乳おいしい。

味がする
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患部にあてておくZパット(脱脂綿に両面テープがついたもの)は血まじりの液体がつくので定期的に交換。入院時に買った痔瘻セットに40枚も入ってるので使わないとね。

紙パンツは一日一枚で5枚、看護師さんに「Zパットくっつけたら紙パンツも使い捨てになるじゃないですか?なんかうまい方法ないんですかね」と相談したら、両面テープ使わない場合もあるみたいですねーとのことで試してみることに。患部は直接見えないけれど、縫合された糸?ゴム?が飛び出していて尻で圧迫される。痛くはないけどむず痒い感覚があり、Zパットを折り畳んで尻に挟むスタイル(ぐいと入れる)が最適解と発見。ずれないし快適だ、うれしい。そしてこれがあと数ヶ月続く。

15:00 昼食をとったからか、腸が活発になり排便が定期的になってきた。Zパットを見ると体液が多く付いており、Zパットの依存度が高まってきた。

隣のじいさんが5Fに越して、新しい人が来た。60才前後、左半身麻痺。重めな手術らしい。部屋の担当看護師さんがみっちり問診してるけど訛りがあるから地方出身なのかなーとかどうでもいいことを思いつつぼんやり。

15:30 先生の回診。「どうですか、頭痛とかはないですか」なにもないです、と答えて明日の午前中に退院することに。あっさり。

16:00 薬剤師が来て明日から必要な分の薬をくれて、飲まないものを回収。軟膏つかってないわーでも痛くはないけど炎症あるわーと言ってたら軟膏塗ったほうがいいですよと勧められる。そりゃそうか。塗った。

薬は一回分ごとにわかれていて便利
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それにしても病院というのはじつによく出来ている。当たり前だが病人にとってとても快適だ。廊下の手すりは歩く時に便利だし、廊下の幅も広くて人同士はもちろんベッドが搬送されていてと余裕がある。自室のベッドは電動で昇降するし、ガード兼用の手すりもかなり使い勝手がいい。体を起こしたい時、患部に負担をかけたくないのでいつもとは違う動作になるが手すりのおかげで動きやすい。

17:00 お隣さんのお見舞いが数人。どうやって来たか聞こえてくるかぎりだと岩手の方らしい。濁音がよく聞こえる。くも膜下で一度倒れたらしく、お姉さんとその娘さんが励ましていて本人は嗚咽していてこちらもウゥとなる。頑張ってほしい。

看護師がきて定期チェック。36.8°とやや微熱、これが最後の定期チェックだった。


17:30 パッド交換しておくかとトイレへ。ニトリルグローブ(ゴム手袋)が常備されてるのでそれを使って軟膏を塗り直し。おや、なんだか穴が空いているぞ…どうなっているんだ…見えないからよくわからない。

18:00 夕食は五分粥、鮭に煮たものに野菜。お粥が苦手だ…半分も食べられず。

粥は鬼門
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20:00 じいさんに「うるさい!」とキレる婆さんの声がうるさい…

21:30 ついに婆さん部屋移動。粘り勝ちだな、がんばった。



1月24日
退院日
7:00 起床、特に痛みもなく朝まで一度も目覚めることなくぐっすり。看護師に「退院だけど余ったオムツとかどうする?」と聞かれたのでZパット以外は廃棄してもらえますか?と言ったら意図を理解してもらえて「もらっちゃっていいんですか?」「おまかせしますね」というやりとり。病院からだしたものは一部は返品になるそう。

7:45 朝食。パン、マカロニなど固形になった。牛乳うまい。パン一枚と牛乳のみ。排便を考えるとあまり食事をしたくないなぁというのが本音。腰が痛いのでロキソニンの湿布を追加で処方してもらう。

マーガリンが美味しく感じて幸せ
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8:30 退院手続きについて看護師から説明。退院してオッケーというのがざっくり書いてある主治医の紙みたいなのをもらう。9時くらいに会計くると思うから宜しくねーとのこと。ソロ入院なので早めに退院手続き。結局、着替えはまったく必要なかった。備えあれば憂いなし、別にいいんだけど。
最後に紙で答えるアンケート(無記名)があり全て満足にチェック。婆さんがうるさい件はたまたまなので書かなかった。

お世話になりました、快適だった
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9:20 会計をもらい、看護師を呼んで退去。お世話になりました。会計は71490円。入院時の預かり金5万円の紙と、保険の支払い用の証明書を渡す。限度額適用認定証は対象額に届かなかったそう。

9:40 会計を終えて外へ。お尻にZパットは挟まっているものの、歩くのが遅い人というかんじでヒョコヒョコしたりはせず歩ける。子供と歩くペースくらいかな。外が寒くて手が冷たい。

16:00 自宅に戻り、基本的には横になって過ごす。トイレは何度か行き、痛みが増している気がする。本当の地獄はこれから感がある。

22:00 何度か排便、ランチでいきなりラーメン食べたのが悪かったのか下痢が続き排便のたびに激痛。無茶な食生活はあかん(当たり前)

退院直後に二郎インスパイアを食べる痔瘻患者が私です
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1月25日
手術から4日目
6:00 起床。痛みはなく、違和感もなし。血も体液も少なくなってきている気がする。

9:30 娘の幼稚園バス送りや細々と買い物など。

12:00 昼食は奥さんにうどんを作ってもらう。排便はいわゆるバナナうんちで健康的、痛みなし!

23:00 今日は5回ほどパットを変えたが振り返るとほぼ血はついていなかった。すでに落ち着いてきたか?



1月27日
手術から6日
起きて切り傷の痛みを感じる。パットを変えると出血や体液はほぼなし。



1月28日
手術から7日目、診察
8:30 抜糸的なことだと思っていたら今日は経過観察でまた1週間後に来てとのこと。そのあとは月1ペースでとのこと。「抜糸しないんですか?」と聞くと「とれるのはだいぶ先で数ヶ月先だよ?」と言われる、知らなんだ。そうなのか、しばらく異物をかかえたまま生きるのか。血は出続けるとのこと。念のためZパットを買い足して帰宅。



2月4日
手術から14日
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朝から検診。たまに痛みがあること、一昨日くらいに鮮血が出たことなどを伝える。「お尻にテープが入っているので靴ずれのようなもの、よく動くとなるよ」とのこと。あまり動かさないようにするのが大事なのかな。

診察はお湯で洗浄されたのみ、次回は1ヶ月後。「患部は乾いていたほうがいいんですかね?」と聞いたところ「軟膏ぬっておいていいよ」とのことなので軟膏を処方してもらうことに。「Zパッドが売っているところが無くて困ってる」と言ったら女性用ナプキンを使うといいとのこと。体液や軟膏でヌルヌルして不快なのだが慣れるしかないのかな。

軟膏を処方してもらったので薬局に寄り、Zパッドを2パック購入。ドーナツ座布団をもって術後初めて出社。相性がよいのかかなりよくて、座っている分には楽。ただ、机の高さが合わないのか肩がすごく凝る。

ナプキンにつく血というか体液は結構独特な匂いがあり、つらいものがあります。この匂いが一番きつい。



2月5日
手術から15日目
違和感は徐々になくなりほぼ感じなくなってきた。かわりに切り傷っぽいな痛みが1日に数分ある。歩き方はかなりゆっくりだとよい。普通に歩くと厳しい。会議の時はドーナツ座布団を持ち歩いている。



2月16日
手術から26日目
ここ2日くらい血が出ていない。外出で30分歩いたり1時間電車でドーナツ座布団無しで座ったりするが、痛くは無い。



2月17日
手術から27日目
雪で中止になった千葉でのいちご狩りへ。往復3時間のレンタカーで運転した。ドーナツ座布団を持参したが、運転席においてみたら視座が高すぎて何も見えないので座布団なしで運転をした。やや痛みはあるがそんなに大変というわけでもなかった。
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2月25日
手術から35日目
珍しく鮮血、だが痛みは無し



3月4日
手術から42日目
定期検診の日。痛みもあまりなく(5日に一度くらいの頻度でたまに痛い程度)落ち着いている。Zパッドはやめて生理用ナプキンに切り替えた。あいかわらず折りたたんで使う。広範囲にカバーしてくれるし安価だしでよいことづくし。ナプキンは最高。(自分で買いに行くのはしんどいので奥さんにお願いした)

定期検診は朝から雨。8:30から診察で「落ち着いてます」と伝え診察開始。「これなら大丈夫なのでゴムに変えましょう」とのこと。ベッドに寝転がり、毎回だけど何がされるかわからない状態で待つ。今まで入っていたシート?なに?をゴム?に変える?らしい。相変わらず何もわかっていない自分。
「今日は少し痛いですよ」と言われ、拒否権はないのでまな板の上の鯉。ジェルを塗られ肛門鏡を挿入。これがめちゃくちゃ痛い。圧迫されるかんじが続き、太いし麻酔無しだしで数分が何倍にも感じる。圧迫されたかんじが続き、それ自体が痛いので患部のことがわからない。2-3分くらいでやっと終わり。痛かった…。

「今まで軟膏を塗っていたけどゴムが劣化するので今後は軟膏は無し、ここからは痛まないと思いますよ」とのこと。本当かな?痛み止めの飲み薬はまだあるかと聞かれ、ありますと答えて終了。ここからは2週に一度の診察になるそう。一般的にどのくらいで外れるもんですか?と聞くと「診察があと3-5回くらいですかね」とのこと。最長であと2ヶ月か…

会計時などは圧迫された痛みがしっかりと残り、ゴムに変えた実感がまだない。昼、排便時は傷口の痛みがかなりある。ウォシュレット最小生活がまた始まる。



3月18日
手術から42日目
朝8:30だと幼稚園バスに送れないし負担が大きすぎるので予約を11時に変更してもらった。春が近くなり、あたたかくなってきた。
数日前、春から高校生になる姪が来ていたので東京案内をした。かなり徒歩や電車で移動したのもありキリキリ痛んだので頓服を飲んだ。

今日はゴムの締め込みと呼ばれる作業の日。肛門内視鏡を入れ、ゴムを締めた模様。1分に満たない時間だけどかなり痛かった。「数日は痛みますよ」とのこと。

夜は同僚の送別会だったが痛みをごまかしながら幹事をした。
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3月20日
手術から44日目
ゴム締めから丸2日が経過。ゴムが肉を切り裂いているのか、処方されたロキソニンを一日3回飲んでいるが痛む。ものすごく痛いのではなく、キリキリと長時間痛い。眠れぬほどではない。頓服はまだ残っているが痛み止めが手放せない…



3月21日
手術から45日目
朝、痛みはおさまりつつあり最後に飲んだ痛み止めは昨日の昼なのでピークは過ぎたのかもしれない。



4月1日
手術から56日目
診察日。地味に痛さは続き、余分にあった痛み止めも飲みつくしての参戦。ゴムの締め直しがあるはずなのでラストの痛み止めを事前に飲んだ。診察室に入ると見知らぬ男性医師がいて、担当医が締め込みの指南をするらしい。「痛かったでしょう」と言われ「痛み止め飲み尽くしました」「はは」という会話。痛かったわー。

締め込みは1-2分程度、肛門鏡が相変わらずかなり痛い。「これを真っ直ぐに入れないと抜く時に…」と解説しながらやっている、先生こっちはマジで痛いから早くしてw 抜いた後はしばらく圧倒的に痛くて患部の痛みはないレベル。
担当医いわく「今回ではゴムは落ちないから後一回は必要」と言われる。もうかなり進んでいるよううで「切開してゴムを取っても筋肉に影響は無いところまで来ているが、麻酔が必要になるしゆっくりやろう」とのこと。痛み止めを多めに出すけど内臓への負担もあるから痛い時だけにしてねとのこと。
担当医が張り切って説明したおかげか、いつにも増して外科的な痛みがきつく、歩くのもしんどい。1週間飲むという痛み止めも飲んでいるが激痛。とにかく痛い…

世間的には新元号が発表された、発表する人の真似をする息子
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4月2日
手術から71日目
痛みが続く中、飲酒すると紛れる。22:30頃に就寝したが4時くらいに痛みで目覚め、朝の分の薬を飲む。娘の幼稚園の送りのため自転車に乗るが、なるべく座らなくてすむようにがんばる。朝の延長保育なので8時に送り、帰ってきてから一眠り。ずいぶんと楽だ。昼頃から会社に行って仕事。座るのがつらいため電車は座らず。



4月4日
手術から73日目
痛みはかなりマシになった、山場は越えたかんじがある。



4月15日
手術から84日目、診察
ゴム締め日だ。痛みは治まっていて、そろそろかな?というところ。検査が痛いのがわかっていて病院に通うのはつらい。
先生は会うなり「お、まだ取れませんかね」と軽い調子。じゃあ締め込んで行きましょう、と横になり「ちょっと肉が飛び出てるので切っちゃいましょう。無麻酔で」と、さらりとこわいことを言う。本日も肛門内視鏡を突っ込まれ(これがめちゃくちゃに痛い)ゴムを締めた後に「ちょっと痛いですよー」と言われつつ肉を切られたらしい。というのも、肛門内視鏡が痛すぎてなにもわからない。とにかく痛いのだ。

「次回までにはゴム取れるでしょう」とのことで、ここ最近は2週間後で予約をとっているけど出張があるので10日後になった。ゴム締めはもう痛くないはずですよ、と痛み止めは処方されず。
止血確認のため待合室で15分座って待っててと言われるも痛すぎて座れない。本当にジンジンと痛い。麻酔なしで肉を切るとこんなに痛いものなのか。



4月17日
手術から86日目
痛みはずいぶんと収まり、電車でも座っていられる状態になってきた。

朝、ピリッとした痛みがありナプキンを外して手でさわさわして確認してみると、なんとゴムがない!どうやら排便時に落ちて流れた模様。自分の意思ではどうにもならないものだけどゴムが外れたらこの3ヶ月ほど苦しめてくれたゴムを、シートン法の終わりを見届けたかったのだが流れていってしまったものは仕方ない。気分は晴れやかだ。

肉を切った痛みがまだあるので全快とは言えないけれど、約3カ月おつかれさまでした。つらい体験だった。



4月26日
手術から95日目、診察
すっかりよくなりナプキンにも血はほとんど残らないようになった。ドーナツ座布団もなくてよいし、どこにでも座ることが出来る。俺は、自由だ!自由だぞー!!!!

診察については、今日は見て終わり・最後の診察だろうと思って病院へきた。しかしそれは間違いであった。
「まだ落ちてないでしょう?」
「いえ、17日に落ちました!」
「ではすっかり楽でしょう」
「はい、それはもう」
という会話をして診察台へ。ゴム締めの観察をするつもりだったであろう研修医がいたけれど消えた。

「これはちょっとよくないな、普通の肛門内視鏡もってきて。一番大きいの」と先生が看護師に指示をだす。なにそれめちゃくちゃ怖い。いつの間にか戻ってきていた研修医に「予後の傷の形がよくないので、切っちゃう」と聞こえる。小さな声で相槌を打つ研修医。

肛門内視鏡がいつもよりも痛くて、あまりの痛さに思わずうめき声が出るレベル。何かしらの処置がされたようで、内視鏡を抜かれてから研修医に「麻酔をするしないの判断が必要だけどこれは中途半端でしなくてよい、切ってしまいます」と聞こえたので思わず「なにか切るんですか?」と聞いたら「あ、もう終わりましたよ」とのこと。ナプキンがあてられ、20分待機せよとのこと。何が何やら。

20分後、あまり痛みがないまま診察。出血もないしよさそうとのことで次回は1ヶ月後。問題なければよいし、形を揃える必要があればどこかで一泊の入院手術だそう。とにかく痛みがなくてよかった。前回は神経が思いっきり通ってる場所とかだったんだろうか。

全然関係ないけどゼルダを買った。めちゃくちゃおもしろい。
zel



5月24日
手術から123日目、最後の診察。
ナプキンは付けているものの、出血はほとんどなくお守りレベル。1日に2枚使う程度。すっかり夏模様で予想最高気温は31°の真夏日。汗は出ないが暑い。

冬に受けた手術だったが、最後はもうほとんど夏
last


診察は今日もまた研修医がいて嫌な予感がする。恐怖に打ち勝ちたい自分としては「出血もなくまったく問題ない」とまずは主張をする。「とりあえず見ましょうか」と触診開始。「治っているか見るので肛門鏡いれますね」「まだ1カ月だから治ってないかも」と言いつつ「これかじっておきたいな、治りが良くなる」と研修医に言っている。怖すぎる、かじるって何。心臓ドキドキするんだけど。

肛門鏡が一度抜かれ、大きめのが入れられる、痛い。内部?を一部切ったようだ。不思議と肉を切る痛みはない。それにしても研修医がいると先生は率先して切ってくる。やめて。「今日は少し血が出るかも、生活には支障ない。では次は2カ月後に」で終了。診察後はほとんど痛みはないのがすごい。




そして7月、晴れて最後の診察を終えて完治。長い戦いであった。すっかり完全体になり(健康診断の結果がひどすぎて酒をやめたりしたが)、普通の暮らしのありがたさを痛感する毎日。

もし肛門周囲膿瘍や痔瘻になったら手術ですぐ治す選択をするといいのではないかと思います。結局、いつかはやらないといけないので。