柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

成功なんて

2020年08月09日 00時40分00秒 | 日記
成功のなんちゃら、
みたいな自己啓発本や経営本を書く人も、
そんな本がずらぁっと並んだ本屋も、
そんな本を読んで成功を夢みたり目指したり努力したりする人も、
わたしは、
大嫌いです。

そんなに成功したいですか?

成功、って、なんですか?

成功よりは失敗の方に意味があるし、
勝つよりは、敗ける方が、
よっぽどいいです、わたしは。

成功や勝利が絶対的に正しくて、美しいわけではない。

あ、わたしは、
時は金なり
的な考え方も、大嫌い。

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誰でもいいから

2020年08月08日 14時49分00秒 | 日記
わたしは、16歳から18歳までの2年間のみ、俳優だった。

東由多加率いるミュージカル劇団「東京キッドブラザース」に所属していた。

毎日毎日休みなく、歌って、踊って、演じて、毎公演100枚以上のチケットを売り、スタッフとして公演の仕込みやバラシを何日も徹夜で手伝ったりしていた。

(ノーギャラだった)

稽古が長引いて終電がなくなると、稽古場の床で雑魚寝するしかなく、衣装の洗濯ができないので、汗だくの衣装には塩が吹いていた。

稽古場にはシャワー室なんてものはなく、銭湯に行く時間的余裕もないので、
トイレの洗面台で台所洗剤(ママレモン)で髪を洗っている俳優もいた。

(慢性的な睡眠不足だったので、1日7箱のタバコと、カフェインドリンクのモカが欠かせず、いつも胃痛と吐き気がしていた)

16歳のとき、初めて就いたスタッフとしての仕事は、「暗転係」だった。
渋谷のPARCOパート3の劇場だった。
当時の消防法では、上演中に非常灯を消すことができなかったので、
非常灯の下に「暗転係」が立ち、照明を落とす前に、「非常灯隠し」の箱(ベニヤ板で非常灯サイズの箱を作り、持ち手となる長い木材を打ち付け、目立たないように黒いペンキで塗った)で、非常灯を覆う、という係である。

非常灯に「非常灯隠し」が当たったり擦れたりすると、上演中にがさがさ音がしてしまい、客の目が舞台から非常灯の方に移ってしまう。
気配を消して完璧に「暗転係」をやってのけるのは、至難の技だった。

フェイドアウト、フェイドイン、
カットアウトのタイミングも……

演目は、「ペルーの野球」だった。

ラストシーンの歌は、
作詞・作曲 小椋佳の「誰でもいいから」。

(キッドのミュージカルナンバーの作詞・作曲は、宇崎竜童、阿木耀子、井上堯之、加川良、加藤和彦、かまやつひろし、下田逸郎、吉田拓郎ーー、はっぴいえんどの前身にあたるエイプリル・フールの松本隆、細野晴臣、小坂忠、 柳田ヒロらが演奏という時期もあった。でも、やっぱり、代表曲は、小椋佳が多い)

「誰でもいいから」を、
昨日からずっと、口ずさんでいる。



http://j-lyric.net/artist/a000447/l02002f.html

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人生を棒に振る

2020年08月08日 11時30分00秒 | 日記
○棒に振る

「それまでの努力や苦心の結果をすっかり無にしてしまう。無駄にする。駄目にする。ふいにする。」 
『日本国語大辞典』

棒に振る、の語源は、魚や野菜などを天秤棒に担いで売り歩くことを「棒手振り(ぼてふり)」といい、棒手振りで全てを売り払い何も無くなるーー、ことらしい。
棒手振りは完売しても、大きな利益は上がらない商いなので、そのニュアンスも含まれている。

○水泡に帰する

「努力したことがむだになる。無効に終わる。水のあわとなる」

○台無

「ひどくいたみ損じて役に立たなくなること。すっかりだめになること」


わたしは、10代のころから、人生を棒に振りたい、水の泡にしたい、自分を台無しにしたい、という強烈な欲求がある。

肌感覚として、ひたすら成功や上昇を目指すことに、どうしても違和感がある。

成功ではなく、むしろ失敗したい。

上昇志向ならぬ、下降志向、
いやもっと……落下志向か……

急上昇する瞬間よりも、
急降下する瞬間の方が、しっくりくる。

身に馴染んでいる。

ほら、来た……

やっぱり……

と、納得もいく。

腑に落ちる。

叩きつけられる覚悟は、
いつも、している。

その覚悟さえあれば、いい、と思う。

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また、朝が来た。

2020年08月03日 07時36分00秒 | 日記
常磐線に乗っています。

荷物の影は、mont-bellの赤いリュック。

帽子の影は、マダガスカルのラフィア帽子。

元気が出てから、やることをやるんじゃなくて、
やることを一つひとつやって、なんとか元気を出す、しかない。






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ごめんなさい。

2020年08月01日 16時49分00秒 | 日記
とっても元気がなく、

手紙や、メールや、LINEや、メッセンジャーの連絡に返事をすることができません。

このままで良いはずがない、とわかってはいますが、いましばらく、このままで……

なんとか、します。


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