原発問題

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『原発ゼロ』< 原発は発電時もCO2を放出している> ※18回目の紹介

2015-12-24 22:04:41 | ã€åŽŸç™ºã‚¼ãƒ­ã€‘著者:小出裕章

 ï¼Šã€ŽåŽŸç™ºã‚¼ãƒ­ã€è‘—者 小出裕章 を複数回に分け紹介します。18回目の紹介

『原発ゼロ』著者小出裕章

原発を廃絶させるまで、私は闘いたい。

  原発は、都会では引き受けることができない寛大な危険を抱えています。「原子力マフィア」はまさか大事故は起きないだろうと高を括り、人々に対して「原発 は決して大事故を起こさない」と嘘をつきました。それでも不安を払拭できない彼らは、原発を過疎地に押し付けたのです。私は破局的な事故が起きる前に原発 を廃絶させたいと活動してきましたが、福島第一原発事故が起きてしまいました。私の人生すべてが否定されてしまい、自分の非力を無念に思わずにはいられま せんでした。しかし、この事故を忘れまいとする人々もまだ大勢いてくれることを、本当にうれしく思います。被害者の苦しみを少しでも減らし、嘘をついてき た巨大な権力を処罰するために、私自身も決して挫けずに闘いたいと改めて思います。

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**『原発ゼロ』著書の紹介

 ã€Œç¬¬ï¼•ç« ã€€ã“れでも原発を続けるのですか」

 3 原発はクリーンなエネルギーではない P186~ より


 原発は発電時もCO2を放出している

 原発は二酸化炭素を放出しないクリーンなエネルギーだと信じて疑わない方が今もいらっしゃるようです。でも、本当は原発を稼働させる時に、大量の二酸化炭素(CO2)を放出しています。

 核分裂反応は、確かにCO2を生みません。しかし、核分裂をするウラン燃料をつくるためには、ウラン鉱山でウランを掘り、それを精錬、濃縮して核分裂性のウランを集め、原子炉の中で燃えるように加工しなければなりません。それから発電するための施設もつくらなければなりませんし、その出来上がった施設に燃料を運ぶこともしなければなりません。

さらに使用済みの核燃料は、中間貯蔵施設から、まだ場所は決まっていませんが、どこかの最終処分場へ輸送しなければなりません。そしてその使用済み核燃料は1000万年間保管しなければなりませんが、保管する間は化石燃料を使用して空冷することになります。このすべての過程で厖大なエネルギーが消費され、大量のCO2を放出します。

 原発推進派の人たちもこのことは十分に知っており、日本広告審査機構(JARO)も、2008年に「原子力発電は、(中略)発電の際にCO2を出さない”クリーンな電気の作り方”です」という広告表現が不適切であるという裁定を下してします。

そのため最近は、「原発は、発電時には二酸化炭素を放出しない」と表現を変えています。しかし、実はこれもウソだということがわかりました。自治労大阪府職員関係労働組合環境農林水産支部の末田一秀さんという方が、温暖化対策推進法に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」により集計公表されている2006年度から2008年度の全データの開示を求め、解析して、原発が発電時にもCO2を排出していることを数値で示してくれました。

 表8(188~189ページ)を見て下さい。これは末田さんが論文に発表した数値を表にしたもので、「発電所等配分前」の欄に示されたのが発電時のCO2排出量です。沸騰水型原子炉に限ってCO2を排出しているのは主要設備である補助ボイラーが、燃料の重油を常時燃やしているからだとしています。

また同じ論文には「核燃料施設等からの温室効果ガス排出実績」(表9)も掲載されており、この表を見ると、2003年に運転を終了して廃炉作業中の「ふげん」からも、CO2がコンスタントに排出されているのがわかります。そして、これら2つの表の2008年度のCO2総排出量を合計すると約116万トンになるのですが、この値が、山梨県の全事業所が1年間に排出するCO2量(都道府県別で下から3番目)と、ほぼ同じだということです。

※続き『原発ゼロ』著書の紹介は、12/28(月)22:00に投稿予定です。

原発ゼロ (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-3)

 


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