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Curse priest

Trigger Happy 出張所。D.Gray-manとシャドーハウスのネタバレ感想、アニメ感想を書いてます。

青の祓魔師 第30話「因縁生起」 1

2011-11-03 10:40:33 | é’の祓魔師

牛角とタイバニのコラボ!!って喜んでたのに、やるのは関東と関西だけ。
おいいいいいいいいい!!ツイートしてネタ出ししたのに何でー?!
どーせ凄くうまくいったら、全国規模で…なんだろー。
けど、そうなら最初からそう言ってよー!!
毎回、アニメ放映枠といい、地方は別扱いされて悲しいです。

青の祓魔師 第30話「因縁生起」 1

前回の続き。
雪男の首を掴んでる藤堂から。

「残念だな。ここでいったん死んでもらおう。
 はてさて、人間一人灰にするのにどの位かかるのか。
 ちゃんと時間を計っておかなければね」

そして、腕時計を確認し、雪男に藤堂は焔の拳を振り上げる…。


«å…„さん…!»

「!!」

雪男の思念を感じ取り、戦闘中ながら燐は思わず振り返る。

「雪…男?」

おおおおおおおっ!!
さすが双子。
離れていても、相手の思念が伝わるのか\(* ̄▽ ̄*)/
ここで燐が雪男の危機に飛んでいったら、俺的にはおいしいんだが、
生憎、状況的に燐にはその余裕がない。

「奥村、前!!」

余所見をしてると、攻撃される。
胞子嚢は膨れ上がる一方。

「おいおいおい!
 そろそろやべーんじゃねーか!?」
「…もう破裂まで秒読みかもしれへん…!」
「どーりで…。
 この辺のザコの動きも速くなってきたはずだぜ」
『たおしても、どんどんわいてくるよ…!』

結界を張っても、いつまでも永遠に張ってる訳にはいかない。
破裂して瘴気を放つ前に倒してしまわねばならない。
だが、燐が刀を抜けぬ以上、その決定打がないのだ。
その勝呂の焦りを見越したように伽楼羅が声をかける。

「竜士。触地印を崩すな。
 その印を崩すと結界も解けてしまうぞ」
「いちいち言われんでも判っとる!!
 死んでも崩さへんわ!」

「ピリピリすんなよ、姫さま…」
「姫(それ)やめえや!!」

茶化す燐にキレる勝呂(笑)
かわいいねぇ。

「今からそれじゃあ後で倒れるぞ!」

冗談を言って余裕があるように見えるが、燐は刀を振りながら、実は剣を抜こうと鯉口を必死で切り続けている。
でも、刀はビクともしない。抜けない。
まだ心の何処かにわだかまりがある。振り切れない。

何の迷いもなかった頃には戻れない。
だから、それを越える何かが必要なのだ。
心を解き放つ為の何かが。

表紙は燐。
横向きで刀を抜こうと構えている。
焔が出てるんですが、それが青なのか、不浄王から燃え移ったのか不明。
話の展開から、もうそろそろ剣を抜ける頃だけどね。

さて、志摩と子猫丸。

「…ボンは無事に結界を張り終わったようや…!
 僕らも胞子嚢破裂する前に急がな!!」
「はは、急ぐて、どうやって?
 完全に胞子の飛沫で道ふさがれとるっちゅー」

生き残るために枯れ枝を拾い集める子猫丸と、ただウダウダして愚痴ってるだけの志摩は対照的。
ただ見てる内に、胞子は成長し、飛沫を傍まで飛ばしてくる。
志摩は悲鳴を上げて錫杖で払おうとするが、粘菌のように食いついて離さない。

「わわっ、やばっ」

武器を奪われたらおしまいだ。
しかもこの錫杖は謂れのあるものなのだ。
だから、力比べで危険だろうが手放せない。

『廉造、この錫杖は…』

手渡された時の記憶が志摩を縛る。
その瞬間、投げ込まれた松明が志摩を救った。

「子猫さん!!」
「志摩さん、こっちや!!」

木の上に引っ張り上げられ、一息つく志摩。

「た…助かった…!」
「腐属性の弱点は火やから。
 これで怯ませながら少しづつでも前に進めば…!」
「…………」

それではジリ貧だ。志摩は息を呑む。
相手は巨大過ぎる。
背後を取られ、囲まれたら火をつける枝もなくなっておしまいだ。

「子猫さん。無理や」

志摩は子猫の両肩に手を置き、強張った顔で笑う。

「は?!」
「まず冷静になろ。
 そんな火(モン)、ただの気休めや? 逃げよ!
 今の俺らじゃ自殺しに行くようなもんやで!?
 …坊や皆もきっと許してくれるし!
 誰も責めへんって
 ネッ?」

文字通り猫撫で声で説得しにかかるが、当然子猫丸は受け入れられない。

「皆が…塾の皆だけやない。家族が戦ってるんに…!
 自分だけ逃げるなんてよう言えるなぁ!?
 僕は逃げへん!!
 …ここで逃げたら僕は一生明陀に顔向け出きひん…!!」

それを醒めた目で聞いていた志摩は、作った苦笑いでその目を隠しながら、頭を掻く。

「あーあ、子猫さんまで…。
 皆して恩だの責任だの血だの明陀だの…。
 もうウンザリや。
 …そんなもん命張ってまで守るようなもんやないわ!」

自分の信じてる支柱を全否定する言葉に愕然とする子猫丸。
志摩は軽いところがあるが、そういう風に言って逃げ出すような人間とは思ってもみなかった。

「この大事な時に何言ってるんや!!」
「死んだらそれまでやろが!!」

怒鳴る子猫丸に怒鳴り返し、シラけた風に志摩は目を逸らす。

「…し、志摩さん…!?」
「…悪いんやけど…、俺そんなご大層な人間やないし、
 子猫さん来ぉへんなら、一人で逃げさしてもらうわ」

そう言って、行き先とは逆方向に木から飛び降り、歩き出す志摩。
その背を怒りの余り睨みつける子猫丸。
ずっと友達だと思っていた。仲間とも。
なのに、こんな土壇場で裏切られるとは思ってもみなかった。
二人だからこそ、突破して役目を果たせるのに。
信じてたのに。

何もないと思っていた自分が実は沢山持っていた「大事なもの」。
燐はそう言ってくれた。
だから、それを守る為、やっと勇気をかき集めて踏み止まっているのに。
一番大事な時なのに、どうして?

「薄情者…!!!!」

子猫丸は絶叫する。だが、志摩は振り返らない。

「…………!!」

憤りは収まらないが、そう思ってる間にも胞子は森を食い、子猫丸のいる木にも
的確に上ってくる。
身を守るのは握っている、か細い松明一本だけだ。
逃げられない。


(あー~、メンドい…)

志摩は森の中を歩きながら、今の諍いの余韻に荒れている。

(子猫さんも坊もお父も兄貴も…)

幼い頃、亡くなった長男の矛兄(たけにい)の話をよく聞いた。
柔造も金造も矛造の事を誇りにしていた。

「廉造、一番上の死んだ矛兄はお前と坊を守って死んだんや。
 お前の命は助けられた命なんやから、
 助けた矛兄に恥じんよう生きなあかんで」

「俺は困った時、矛兄ならこんな時どうすんねやろて考える」

「矛兄は志摩家の誇りや!」

兄達は口々に死んだ長男を褒め称える。
だが、志摩はずーっと考えていた。

『知らんわ。
 矛兄って誰やねん』

見た事も話をした事もない兄に対して尊敬も誇りも湧かない。
守ってもらった自覚もない。
記憶すらない相手にいくら思いを馳せろと言われても現実的な志摩には無理な話だった。
立派な人だったらしいし、遺影は見たが、それだけの事だ。
自分にとっての兄は柔造と金造だけで、それだって充分越えられない壁だ。
彼らが褒め称える矛兄は聳えるように黒い山に思えた。

志摩の上に圧し掛かる影に。
しかも知らぬ間に背負わされた「命を救われた」という、とても返しきれぬ負債を
返せと無言で圧迫する存在に。

だが、成長すれば否応なく志摩家の一員として扱われる。
ある日、父から呼び出され直々に今、手にしている錫杖を手渡された。

「この錫杖は俺の物や」
「え」
「お前を志摩家の男と認めて託す。
 志摩家の代表として…坊や子猫丸を守れ!」

父の錫杖。
それは重かった。
父が恐らく祖父か誰かから譲り受けた物に違いなく、祖父もまた先祖から受け取ったのだろう。
そうして、先祖代々受け継がれてきた重みが今、この手の中にある。
きっと彼らはこれで多くの人を救ってきたのだ。

だが、志摩はそれを素直に誇りとして喜べなかった。
重かった。
命を守る事には責任がついて回る。
それは決して軽い事ではない。
自分の命をすり減らし、場合によっては失ったり傷ついた相手に対して、自分も傷つかねばならない。
そういう重さだ。
それは矛兄が自分を守って死んだと聞かされたのと同じ重さだ。

見も知らぬ兄の代わりに自分が勤めを果たす。
そして、いつかそれを自分の子に引き継がせる。
これはそういう「約束」だ。


重苦しかった。
粘り纏いつくような息苦しさだった。
自分の意思でなく、そうしろと強制された、それが当然と周囲が思い込んでいる事態が
志摩は一番苦手だった。
しかもそのどれも返す事の出来ない程の重さだ。
うんざりだった。
ただ、志摩家に生まれたからといって、どうしてその他の選択肢はないのだろう。
矛兄に返す負債はもっと別の形だってあるのではないのか。
決められたレール。敷き詰められた恩の数々。
そういう事の為に自分の命を張るのはまっぴらだった。

志摩は唇を噛み締めた。

(明陀も血も恩も全部消えろ!!
 無うなってしまえ…!!!)

その時、背後から真言が聞こえた。
振り向くと子猫丸が巨大な胞子と戦っているのが見えた。
明らかに無理だ。
言わんこっちゃないと志摩はその光景を見る。
子猫丸も解っているのだろう。
縋るようにこっちへ振り向いた。
が、その隙を胞子は見逃さない。
ボタッと子猫丸の頭上から降りかかる。

「うわぁあ!!」

闇夜に悲鳴が響き渡った。
志摩は振り返るのをやめて歩き出す。
自業自得だ。
自分はちゃんと忠告した。

足が止まる。

(って)

刹那、駆け戻った志摩は焔を纏った錫杖を降り降ろし、胞子を切り裂いていた。

(割り切れたら、ほんま楽なんになぁ…!!)

矛兄も血も恩も明陀も重い。逃れられない。
それは疎ましい。知った事ではないと思う。

でも、それから生じた絆や繋がりは全く別だ。
切り捨てられない大事なものだ。
その為になら命を張れる。
彼らの為なら責任を果たす。
血とか恩とかそういうものの為ではない。
自分は何処までも現実的だ。
その大事なものに厄介なものがくっついてるのは仕方ない。
それをひっくるめて、志摩は錫杖を振る。

「うええッ、錫杖に火ィついたぁ!?」

同時に志摩は錫杖が火を纏ってるのに仰天した。
さっきまでただの錫杖だったのに。

「!!そうか!
 八百造さま鳥枢沙摩を召喚したんやな…!
 僕が真言唱えて、その火ィ強化するから
 志摩さん、戦って!」
「まじで!!
 ノリで戻ってきたら前衛にされるとか」

が、子猫丸はうるうる涙目で感謝モード。

「志摩さん、薄情者なんて言うて堪忍や…」
「あーッ、うるさいうるさい!」

志摩は赤くなって怒鳴った。
義務や任務の為やない。自分の為や、なんて言ったら子猫丸はまた怒るだろう。
自分がやりたいからやってるとか、子猫丸は友達だから見捨てられんとか。
結局、子猫丸に付き合って修羅場に突入していく自分のバカさ加減にも。

そんな褒められたり感謝されるもんやないんや。
そう思いつつ、錫杖の重さはいつもより軽かった。

2に続く



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4 ã‚³ãƒ¡ãƒ³ãƒˆï¼ˆ10/1 コメント投稿終了予定)

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志摩! (roki)
2011-11-03 15:15:47
こんにちわ!

志摩ぁ~…(*´∀`*)
やっぱ、廉造はイイ奴だし面白いですねぇ~
大好きです(笑)

やっぱ、そうやったんやな~って
ネタバレ見ていて素直に思っちゃいました
廉造って他の人達と違って
明陀への思い入れが薄い感じだったし
何よりも現実主義者でしたから(笑)
ぶっちゃけ勝手に恩着せられた形になってるのって最悪ですからね(苦笑)
元より、明陀とかって宗教とかもあるだろうけど考え方が古風だから、そういうのに関しては口うるさく言ってきそうです…(~_~;)
ま、命を賭して二人の命を護った矛造さんはすごいからその話を聞かせるのはイイでしょうけどね…
それをちょくちょく話されたらそりゃぁ嫌ですよね(笑)

なんか今回の話で志摩の心情?をしることが出来て良かったです(*´∀`*)
ネタバレありがとうございました<(_ _)> !
返信する
こんばんは! (阿佐ヶ谷)
2011-11-03 19:24:37
rokiさん、こんばんは。

>やっぱ、廉造はイイ奴だし面白いですねぇ~

ですよね~~~\(* ̄▽ ̄*)/
志摩君は一番今時のふつーの若者と思うんです。
しかも現実を見てる。
色んな事に縛られてないし、縛られたくもない何処にでもいる若者。
しきたりとか形式に無関心であっても不思議じゃない。

ところが生まれと育ちがそれを許さない。
矛兄の事も解らん訳ではないが、勝手に恩着せられて、背負わされたんじゃ感謝の念も薄かろう。
しかもまるで自分まで知ってる人のように皆に言われ続ける。
皆は知らないからこそ教えてあげようって気持ちもあるんだろうけど、志摩にとってはありがた迷惑だったでしょう。

自分にとって二人の兄だけで充分デカいのに、その二人がまるでかなわない長兄の巨大さって想像もつかない。
そんなものをどーしろって言うんだ。
見えるハードルをくれとも言いたくなる。

志摩君は見えるもの、触れるものしか解らないし、解りたくもないと思います。
過去に捕らわれない風の軽やかさも、固くなりがちな京都組には必要なものだと思うしね。
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はじめまして。 (ひよこ)
2011-11-05 10:13:11
志摩君、何て言うかすごいっす!

背負わされているものがこんなに大きかったんですね。
そりゃ、へらへら笑って面倒くさがっているの、うなずけました。

それにしても、矛兄が命を守ったことといい、
父のキリクを譲り受けたことといい、もしかして、長男の子供なんじゃ!という妄想でいっぱいです。

燐頑張れ!!
勝呂姫も!!(笑)

ネタばれありがとうございます。
返信する
こんばんは (阿佐ヶ谷)
2011-11-05 17:10:54
ひよこさん、こんばんは。初めまして。

>背負わされているものがこんなに大きかったんですね。

重すぎますよね。
志摩は口に出す以上に重さを感じてると思います。
でも、照れ屋だからストレートには出さないんじゃないかな。
彼がへらへらしてるのは、そういう部分を人に見せるのが嫌いなんじゃないでしょうか。
勝呂も子猫も生真面目なんで、志摩の背負ってるものを一緒に背負おうとしそうだから。
二人が自分以上にしんどい思いをしてるの知ってるから、これ以上自分の分まで背負って欲しくなんでしょう。
そういうの考えてると知られたら「水臭い奴っちゃで!」って怒られそうだし。

だから、日頃見せない志摩の内面が描かれてよかったですね。

>もしかして、長男の子供なんじゃ!という妄想でいっぱいです。

ありえますね!
両親が死んでたら養子として籍を入れるとかいう場合。
まぁ、燐や雪男だけでも結構しんどい設定の話なんで、志摩まで重苦しい設定にするかどうか判らないですね。
敵が志摩をターゲットにしたら、そんな話も出てくるかも知れないですが。
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