世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●政府、マスコミの無能低能狡猾を「イスラム国」に教えられる皮肉

2015å¹´01月29æ—¥ | æ—¥è¨˜
「週刊現代」編集長戦記 (イースト新書046)
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イースト・プレス


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●政府、マスコミの無能低能狡猾を「イスラム国」に教えられる皮肉

 不謹慎だが、小生は日本のマスメディアの無能で低能な姿を「イスラム国」が、人質事件を通して教えてくれているように思ってしまう。ただひたすらに慌てふためき、記者クラブからの発表以外、まともな取材報道能力がないことを露呈した。平和の島で、立身出世だけを目標に生きている、新聞、テレビのジャーナリスト精神なんてものは、なきに等しいことを、あらためて教えられた。

 朝日は29日午前零時を回った時点で、以下の通り、一応事件のあらましを記事にした。日本のマスメディアとしては一番頑張ってはいるが、記事に今ひとつ迫力がない。その点については後述するとして、まずは記事を一読して貰おう。

≪ ヨルダン、死刑囚釈放の用意 パイロット解放が条件
ヨルダン国営テレビは28日午後1時(日本時間同8時)過ぎ、同国のモマニ・メディア担当相が、「イスラム国」に拘束中のムアーズ・カサースベ中尉が解放されれば、サジダ・リシャウィ死刑囚を釈放する用意があると述べたと報じた。後藤さんについての言及はなかった。 後藤さんの解放について「イスラム国」は、アンマンで2005年にあった連続爆破テロの実行犯とされるリシャウィ死刑囚との「1対1」の交換を要求していた。
 ただ、ヨルダン国内ではカサースベ中尉の解放を求める声が強く、ヨルダン政府は中尉とリシャウィ死刑囚の交換を模索。さらに日本政府からの要請を受け、後藤さんも含めた「1対2」の交換を検討していたとされる。
 ヨルダンは昨年9月から、米軍が主導する対「イスラム国」軍事行動に参加。カサースベ中尉は同12月、シリア北部ラッカで墜落した戦闘機に乗っていて拘束された。
 「イスラム国」との交渉で後藤さんだけが解放されれば、カサースベ中尉を「見捨てた」とする批判が国内で高まるのは必至。このため、ヨルダン政府は中尉の解放に全力を挙げている姿勢を見せる必要があったようだ。ジュデ外相はツイッターで「中尉の無事を証明してくれと頼んだが、まだ返事はない」と述べた。
 一方、ヨルダンでは28日、様々な情報が飛び交った。「ヨルダンと『イスラム国』がリシャウィの釈放に合意する見通し」など、複数のメディアが交渉の進展をうかがわせる情報を相次いで速報した。ヨルダン政府が近く声明を出すとの報道もある。
 交渉を仲介したというイラク国内の部族長は朝日新聞の取材に応じ、リシャウィ死刑囚をイラク北部のクルド人自治区経由で「イスラム国」側に移送することで合意したと述べた。「イスラム国」は日本、ヨルダン両政府が米国主導の「有志連合」支援をやめ、空爆で死亡した戦闘員家族らへの補償金を払うよう求めたという。
 ただ、日本政府の現地対策本部を指揮する中山泰秀外務副大臣は28日午前、記者団に「情報が飛び交っているが、こうした事実に関して私どもは全く知らない」とし、「粘り強く情報収集にあたる」と述べるにとどめた。 ≫(朝日新聞デジタル:アンマン=渡辺淳基、渡辺丘)


 “Kenji Goto Jogo is no longer a prisoner of the Islamic State.” (ジャーナリストの健二後藤は、もはやイスラム国の捕虜ではない)とアブドゥル・アイルと云うイスラム国戦士がTwitterで呟いているが、解放されたとも受け取れるし、生きていないのだから捕虜ではないと発言しているとも受け取れる。つまり、意味が不明なのだ。

 ハフィントンポストも、このTwitterを引用したのか、如何にも事件が解決したような本日のまとめを報じているが、真偽のほどは不明なままだ。まあ、日本のマスメディアが、白河夜船で眠っているのに比べれば、藁にもすがりたい状況なのだから、情報として価値はあるだろう。ただ、人命にかかわることなので、ウッカリなことが言えないのも理解はするが、どうも政府の動きには、キナ臭さと演技が加わっているようで解せない。

 何故かと云うと、イスラム国の最終の公式声明では、既に後藤健二氏に関しては、過去の話のような扱いになっており、既に解放されている可能性の方が高いのだ。つまり、後藤健二氏のビデオが言う通り、処刑はパイロット、後藤氏の順になっている。彼らは、そう云う点で正確な物言いをする習慣があるので、パイロットの解放云々でヨルダン国内が騒然としていると云う事は、後藤氏の解放が過去形になっているような気がする。無論、推論に推論を重ねた結論なので、絶対の自信はない。

 仮に、後藤氏が無事に解放されていた場合、現在の政府が心配げに、官邸公邸に籠っている有様は何なのだろうと疑問符の連鎖になる。ヨルダンが、自国軍のパイロットの解放に躍起となっていると云う事は、ものの順番として、後藤氏の問題は片付いたと云う事に他ならない。後藤氏の解放を知った上で、このような国家総動員体制のような茶番を演じているのだとすると、自国民の命を弄んでいる、トンデモナイ政権であり、トンデモナイ外務省と云う事になりかねない。

 筆者が、目を皿のようにして調べた結果は此処までだ。もう睡魔の限界がきている。ただ、日本政府の立場も理解できないわけでもない。単に悪しざまに言えば済むものでもないのも判る。米国追随の地位も確保したい。イスラム全体と対峙もしたくない。感情が劣化した国民をリードするのは容易いことで、このような事件に絡めて、大衆を吹き上がらせるのは911で十二分に我々は学んだはずなのだ。ただ、この表裏な関係を、政治保守な安倍晋三のパフォーマンスに取り込む辺りに、プロパガンダ性を感じるのは筆者だけだろうか?まずは、後藤氏の無事を祈り、緊急のコラムにさせて頂く。

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地獄にも鬼ばかりはいない (晩酌もケチり始めた間抜けの米寿)
2015-01-29 09:27:57

負うた子に教えられて浅瀬を渡る
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