首がすわる時期はいつ?完了しているかの見極め方や練習法は

首がすわると抱っこやおんぶができるようになり、お出かけや育児や家事がしやすくなります。待ち遠しい首すわりについて、目安となる時期や完了までの様子をまとめてみました。

「首がすわる」とはどんな状態?

赤ちゃんの首が保護者の手などで頭を支えなくてもぐらぐらせず、安定して頭を動かせるようになると「首すわり」が完了したといえます。首がすわる時期は、個人差がありますが一般的には生後3〜4ヶ月ごろとなります。

首すわりの見極め方

赤ちゃんの首は徐々にすわっていくため、首すわりが完了したのかどうか判断しづらいことがあるかもしれません。次の4つの観点で、首がすわったかどうかを判断していきましょう。

1. うつ伏せにした際、自分で頭を持ち上げることができる。
2. 保護者などに頭を支えられなくても自分で首を動かし、頭の向きを変えられる。
3. 縦抱っこをした際、支えなくても頭がぐらぐらせずにまっすぐ保てる。
4. 仰向けから両手を持って上半身を引き起こす際、体と一緒に頭がついてくる(頭が後ろに倒れない)
5. 体が90度になっても首がかくんと前に倒れない

赤ちゃんの首がすわるまでのプロセスと注意点

赤ちゃんの首すわりは、時間をかけて少しずつ進んでいきます。そこで、首がすわるまでのプロセスと注意点をご紹介します。ただし、成長には個人差があるため、ご紹介するプロセスより早くても遅くても、あまり心配しなくて大丈夫です。

成長がめざましくなる2〜3ヵ月頃の赤ちゃん

新生児期にはグラングランだった赤ちゃんの体も日に日に脳内の神経回路や筋肉が発達して、しっかり安定してきます。2ヵ月頃になると、うつぶせ状態から、自分で頭を持ち上げられる赤ちゃんも増えてくるでしょう。3ヵ月頃には、顔の向きを左右に変えられるようになり、好きなほうを向けるようになってきます。少しなら頭を垂直に保てるようになるので、首がすわったように感じるかもしれません。でも、まだまだ安定していない場合が多いので、しっかり頭を支えてあげましょう。抱っこ紐やチャイルドシート、ベビーカーなどは、発達や月齢に合ったものを使用してください。

4ヵ月頃には、縦抱きを好む赤ちゃんも。個人差があるので焦りは禁物!

3ヵ月の後半〜4ヵ月頃には、うつぶせにすると顔が正面を向くくらいまで頭が持ち上がるようになってきます。縦抱きしても頭がグラグラしない状態をしばらく保てるようになってくれば、完全に首がすわる日もすぐそこ。4ヵ月も後半になると、縦抱きを喜ぶようになる赤ちゃんも。
だいぶ首が安定してきたとはいえ、まだ首すわりが完了しているわけではないので要注意。うつぶせで寝かせたままにしないように気をつけましょう。うつぶせは窒息や乳幼児突然死症候群の危険があるため、常に顔色や呼吸状態をよく観察しながら必ず大人の目の届くところで短時間にとどめるようにしてください。うつぶせの状態のまま放置することは絶対に避けましょう。

首がすわる時期の目安は、5ヵ月いっぱいくらいまで

5ヵ月頃になると、多くのお子さまが、うつぶせであごを上げたまま自由に顔を動かせるようになってきます。ここまでできて、初めて首すわりが完了したといえます。頭の大きいお子さまや体が柔らかいお子さま、反り返りの強いお子さまは、思うように頭をコントロールできず、首がすわる時期が遅れるかもしれません。生後3、4か月の乳児検診は必ず受診し、その後も心配な場合は小児科を受診しましょう。発達は個人差が大きく、生後4か月でしっかり首が座っていなくても必ず病気であるとは言えませんが、しっかり経過を見ていくことが大切です。

首がすわると、視野が広がるので、お子さまはいろいろなことに興味をもち始めるでしょう。表情もどんどん豊かになり、コミュニケーションが楽しくなってきます。おうちのかたも気持ちに余裕ができる時期。ゆったりとした気持ちで、お子さまの成長を見守りたいものですね。

首すわりを促す練習法

首のすわりなど運動の発達は練習しないと進まないわけではありません。あくまで遊びの一環として行い、ふつうに生活をして、よくお世話をすれば十分です。遊びの一環として赤ちゃんに負担のない範囲で試してみるのもいいですね。

練習法1:うつぶせ遊び

うつぶせの状態から頭を持ち上げることを促すために、お気に入りのおもちゃや音の鳴るおもちゃで視線を誘導してみましょう。自分の力で頭を持ち上げ、首をいろいろな方向に動かす練習になります。
ただし、まだ首がすわっている状態ではないため、激しく視線を誘導したり、うつぶせにしたまま目を離してしまったりすることのないように注意しましょう。

練習法2:縦抱きで前を向かせる

縦抱きにすると、首の筋肉の成長を促すことができます。その際、赤ちゃんを前に向かせると、見え方がいつもと変わるため赤ちゃんも楽しい気持ちになるはず。
ただし、首すわりが完了しているわけではないため、突然ぐらついてしまうことのないよう、赤ちゃんの首や頭を保護者の手や体で支えてあげるように注意しましょう。

まとめ & 実践 TIPS

赤ちゃんの成長の最初の大きな一歩でもある「首すわり」。少しずつ首がすわっていくプロセスは、保護者にとってもうれしく、待ち遠しいものですよね。とはいえ、個人差があるものなので仮に時間がかかったとしても「遅いかな?」など心配しすぎることはありませんが、心配な場合は小児科を受診してみましょう。また、首がしっかり座るまでは常に抱っこのときに後頭部を支えてください。首すわりの練習も、親子のコミュニケーションの時間として楽しんでいけるといいですね。

プロフィール

監修:山中岳

子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。