自分がOtagiriを知ったのは、10年以上前に彼がSoccerboy名義でDJとして活動していた時。当時はいわゆるフレンチエレクトロブーム全盛で、Soccerboyは2manydjsからの影響を日本的な文脈に過剰に解釈したマッシュアップも制作しており、妙にそのミックスが耳に残っているのを覚えている。 その後しばらくして彼はラッパーとしての活動を開始。rev3.11のコンピレーションへの参加やアルバム『Think I Sing』をリリースした。ライブパフォーマンスにおける演説のようなスタイルと相まって、ヒップホップの定型からは外れつつも、強度を感じさせるそのサウンドを伴ってSoccerboyという名前を再び聞くことになるとは思わずに驚いたのを覚えている。 そして名義をOtagiriに変更してリリースされたアルバム『The Radiant』は、最初期の強度を保ちつつも、より拡張された音楽性や