1990年代 高度成長期末のバブル期を迎えた日本。消費税が導入された翌年、９０年の「一円玉の旅がらす」と並ぶ話題作は、長野オリンピック開催を控えて発表した「WAになっておどろう ～イレ アイエ～」。"国際化"などの言葉に象徴されるように、世界へと目を向け始めた時代背景が感じられます。また戦後50年という節目を迎えたこの時期に登場した森山良子さんの「さとうきび畑」（1975年にもちあきなおみさんの歌で放送）も、長く歌い継がれる感動作となりました。また、SMAPの「ベスト・フレンド～Best Friend～」や、THE BOOMの「恐怖の昼休み」、ピチカート・ファイヴの「メッセージ・ソング」、大江千里さんの「秋唄」なども90年代を彩っ楽曲です。

1970年代 外国の愛唱歌などが大半を占めていた60年代から、70年代に入ると、「みんなのうた」のオリジナル楽曲が数多く生まれました。堺正章さんの「北風小僧の寒太郎」、水森亜土さんの「南の島のハメハメハ大王」、尾藤イサオさんの「赤鬼と青鬼のタンゴ」、ゴダイゴの「ビューティフルネーム」、そして「山口さんちのツトム君」、「ドラキュラのうた」などの全国的なヒット作が次々と誕生します。山田美也子さんが歌い故・毛利厚さんが映像を手がけた「勇気一つを友にして」もこどもたちの心に深く刻まれた歌です。また、堀口忠彦さん、田中ケイコさん、福島治さん、吉良敬三さん、加藤晃さん、若井丈児さん、大井文雄さん、林静一さん、ひこねのりおさん、月岡貞夫さん、古川タクさん等、今でもご活躍のアニメーションの匠たちの映像が数多く登場し、カラーテレビの普及とともに映像も華やかに発展してゆきます。

1980年代 70年代の勢いを引き継ぎ、80年代も意欲的な作品が続きます。「コンピューターおばあちゃん」「おもいでのアルバム」「しあわせのうた」「アップル パップル プリンセス」「ラジャ・マハラジャー」など、個性豊かな楽曲たちが誕生。大貫妙子さんの歌と、故・岡本忠成さんの人形アニメーションで綴られた「メトロポリタン美術館」は今でも再放送リクエストが多く寄せられる名曲です。歌い手も、谷山浩子さん、竹内まりやさんを始めとするポップス界で活躍中の方々や、シブがき隊、榊原郁恵さん、松本伊代さん、小泉今日子さん、早見優さんらアイドル文化全盛期を象徴する時代のアイコンたちが次々と登場。同時に電子音楽なども積極的に取り入れられ、楽曲のバリエーションも広がりました。日本画壇で異彩を放つ中島潔さん、アニメーションの名手：南家こうじさんも80年代から多くの作品に登場し始めます。

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