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なぜ、この自分は、 生まれないのではなく、現実に生まれて、 膨大な喜怒哀楽を一回限り経験した後、 い... なぜ、この自分は、 生まれないのではなく、現実に生まれて、 膨大な喜怒哀楽を一回限り経験した後、 いつか必ず死んで、未来永劫不在となるのだろう。 自循論入門 1. 自 ― self 分解不可能な単一概念。 その背後に回って、それ以上根源的な概念から根拠づけることはできない。 世界は、「自」という概念が成り立つように構築され、また、 その世界から説明し返される。 そのような「説明の輪」もまた「自」に回収される。 世界が“存在”することの必要十分条件は、その内部において 「自」と言い放てることである。 1.1. 「自」は、「世界を開く中心としての自」と「世界の中に位置づく自」の 分離と同化である。 1.1.1. 「自」は原空間を開く。 1.1.2. 「自」は、 それ自身を中心(○集積項)として定位することで「同じ」であり続け、 それ以外の世界を「有」なる広がり(●排他項)に位置づけ「違い」を生