びっくり

 共産党幹部が、共産党福岡県委員会の労働法令違反に関わって記者からの質問に答える形で「専従者は労働者ではない」という発言を繰り返しています。

www.sankei.com

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 正直唖然としました。

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 私を不当解雇した党福岡県委員会が、各種の労働法令に違反している実態を労基署から指摘され、その指導に従って是正をし、党本部も「党機関専従者も労働法制を順守することは必要と考えている」と回答し、「党側にも労働法制の順守が求められているとの認識を示した」ので、誰がどう見ても労働者であることを認めたんだなと思い、ようやくそういうスタートラインに立ったんだという記事も書きました。

kamiyatakayuki.hatenadiary.jp

 そもそも私に対して「解雇通知」や「解雇予告手当」を「労働基準法」に従って出しており、それは裁判で証拠としても提出されています。私を労働者として扱ってきたことは明らかであり、そうでないなら、なぜこんな手の込んだ、あたかも労働法令に沿っているかのような書類を私に渡し、なおかつ労基署の指導にも従っているのでしょうか。労基署に対して「ウチは自主的・自発的な活動だから、おたくは関係ありません」「不当介入しないでください」と毅然と突っぱねればいいんじゃないでしょうか。

 

 ところが、何の留保もなく、それを全否定する発言を党の最高幹部が繰り返したわけですから、唖然とするほかありません。

 労働問題に取り組んでこられた弁護士のみなさんも、労働問題の専門家も、ほとんど門前払いレベルの対応です。

eulabourlaw.cocolog-nifty.com

入門書レベルでいいから労働法の教科書をちゃんと読んでね、というようなことは誰でもいうので、ここでは別にそんなことはいいません。

それって、「わが社はみんな家族みたいなもんじゃ、アカの他人がごたごたいうんじゃねえ、おめえはアカか?」とうそぶく中小企業のオヤジとどこが違うのか、というようなことも誰でもいうので、わざわざそんな当たり前のことも言いません。

 まあ、専従は労働者ではない、労働法令なんか善意で遵守する程度のものだ、と思っていたからこそ、法令をまともに守る立場など持ち合わせず、私を不当な形で解雇もするし、平気で法令違反を繰り返しているのかな、と妙な納得もしてしまいます。

 



 党幹部は、私の裁判でまさか「神谷は労働者ではなかった」という前提で反論してくるつもりでしょうか。

 こちらは別に、法理・条理はもちろんのこと、指揮命令や従属性などの労働者性を示す証拠は豊富に持っていますから、それならそれで受けて立ちます。

 

 私の予想ですが、これは党内の他の専従者への影響を恐れての「アピール」に過ぎず、裁判では「えー、原告・神谷については労働者のようなものではありますがぁ…」というような修正を入れてくるんじゃないかと思います。

 つまり、こっそり使い分けをするんじゃないかと思っています。

 だって「専従は労働者じゃない」論は、「日本共産党は、日本の労働者階級の党である」(党規約第1条)というには、あまりに恥ずかしい立論です。

 そして、労働者性のあるフリーランスやNPO職員を「労働者ではない」といって不当に働かせることはまさに政治の大問題になってきたことです。共産党自身が国会でその線引きについて厳しく追及してきたことでしょう。

 しかもその線引きは、当該企業が主観的もしくは勝手に宣言したラインで決まるのではなく、実際に指揮命令があったか、従属しているかなど、実態を厳しくとるというのが、現実に起きている裁判でのジャッジです。これに対して党幹部が記者会見で繰り返しているのは「規約上、党活動は自主的なものだから」という「タテマエ」しかありません。

 なので、さすがに党幹部はこうしたことを私の裁判では使わず、メディアの目立つところでだけ「労働者ではない!」とアナウンスし続けるんじゃないかと思うんです(アナウンスとしても悪手だとは思いますが)。

 裁判の主張なら目立たないかもしれない、と考えて。

 

 田村委員長は記者会見で党と専従の関係を、「資本家と労働者の関係ではない」と「説明」していますが、労働法令上では「使用者」が「資本家」ではあるかどうかは関係ありません。それは初歩の初歩の話です。これは党内で説明するための理屈として使い分けられているものを、田村さんがうっかりそのまま記者会見に持ち出してしまっている表れではないでしょうか。

 



 だから、これは世間のみなさんへの注意喚起です。

 日本共産党幹部が、果たして私の裁判、特に3月に出してくるという詳細な答弁書で一体私を「労働者ではない」と言ってくるのか、それとも「いえ実は労働者なんですけど」と言ってくるのか。刮目して待つべし。

 

 当然ですが私は引き続き裁判については、弁護団とよく相談して、気を抜かずに厳しく準備・対応していきます。