葱ダシの作り方
ここは技術的なことを書くって言いながら突然ネギの話でなんのことかという感じですが「ネギをおいしく食べる技術」ってことで、本旨からは外れてないので大丈夫です。 それに年間で17kg以上は葱を食べてるし料理人ではないけど葱の話を書く義務があると思う、たぶん。
年間25kgで計算すると人の14倍ぐらいの葱を食べることになるし過去実績の17kg/年でも人の10倍も食べてることになる https://t.co/jwyVxoIumR pic.twitter.com/p1uCShjnou
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) November 25, 2022
葱ダシとは?
白葱を細かく切って本だし(とかそれに類する出汁の粉末)を混ぜて、細かく切った大葉も混ぜたもの。正式な呼び名が分からないのでとりあえず「葱ダシ」と呼んでいます。
事の発端
夏の楽しみ「山形のだし」
茄子と胡瓜と大葉が入ったとろみのある餡掛けっぽい「山形のだし」ってのが好きで好きで、京都でも売ってるから毎回フレスコで見かける度に買ってました。豆腐やお揚げさんに乗せると酒の肴が華やかになります。
そろそろ山形のだしが出てくる頃やと思って調べたら2016年は例年より早くて4月15日には売ってたけど他の年はだいたい6月上旬ぐらい、あと一ヶ月ぐらい先。 https://t.co/L1qQa5PL1d
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) May 9, 2021
山形のだしが売ってない
ところが、毎年毎年初夏のあたりから秋口までフレスコに現れるパックに入った「山形のだし」が何故か令和四年は全く出てこないまま夏になり、夏野菜が凶作なのか京都と山形の間で何かあったのか心配しつつフレスコに行ったら目を血走った皿にしてお漬物売り場を中心に探して探して、 それでも一向に現れないんですね。
七月も前祭の宵山やと言うのに待てど暮らせど山形のだしがフレスコに現れへんから今日は丸太町堀川のイズミヤへ行って探したけど無かった、京都市全域に入ってないのか僕の山形運が悪いだけなのか山形県で何かあったのか兎に角ない、おかしい。
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) July 16, 2022
もはや今年は現れない可能性もあるし、とは言え山形のだしを食べずに夏を乗り切るのは不可能ってことで茄子と胡瓜を買ってきて自作することになったのが7月23日でした。
身を浄めてら喉も浄めるのが一族の掟ってことで山形のとびきり蕎麦をエーテルの天そば山形のだし(自作)仕立てにした、山形のお酒もある。 pic.twitter.com/u85yZg9SSx
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) July 23, 2022
ぶんぶんチョッパー
で、茄子と胡瓜(と茗荷もときどき)を切るのが面倒になってきたところで現地のMomoさんが「ぶんぶんチョッパー」なるもので作ってるとツイートしてはったので少し話を聞いたところ、楽に手早く作れる道具であると教えてもらいました。
ブンブンチョッパーのおかげで毎日だし作って食べてる
— Momo (@mom0tomo) July 23, 2022
地元の方が地元の料理を作るのに使うってことは選択肢として正しいはずなので僕も買って試したところ、確かに楽、これはもっと早く導入しておくべき道具であったと思いましたね。
ぶんぶんチョッパーR 大きめ640ml BBC-11 レッド
ネギを入れ始める
どのくらいネギが好きかって言うと、ネギがメインで葱を乗せた下にあるもの(豆腐・鶏肉・蕎麦・他ネギが合うもの全て)が薬味って認識になってるぐらいネギが好物で、むしろ数日間ネギが食べられないと体調が悪くなる気がする程度にネギは生命線で、 もしもネギが絶滅したら人間やめてネコとして生きていく覚悟があるぐらいネギが好物*1で、最初は真面目に作ってた山形のだしに遠慮しながらも九条ネギを乗せ始め、 次第に最初からネギも一緒にぶんぶんチョッパーで切り始めました。
いつもは食感を変化させるのに天カスを入れてたのやけど今日はぶぶアラレを散らして少し京都風になった山形のだしを乗せた豆腐、お酒もある。 pic.twitter.com/V2fOk8nBpP
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) August 28, 2022
正式名称
秋が終わって茄子と胡瓜の季節が終わる頃にはぶんぶんチョッパーはネギ専用みたいになってました。 既に山形のだしから大きく外れた何かになっているので適切な呼び名が必要になります。
そもそもこれは山形のだしから胡瓜茄子茗荷昆布を除いて葱だけで作ったものやから「葱だし」が最も近い名称やと思うんやけど実はちゃーんと正式名称があるとか何処かの郷土料理で呼び名があるとか何も情報がない pic.twitter.com/kqGmK7rMJA
— ネコ物質(9b)₁₆ (@azumakuniyuki) October 3, 2022
結局のところ、このネギ(と大葉)だけを切って作った謎料理(?に正式な名前が存在するのかどうかも分からんので、事の発端である山形のだしに敬意を払って「ねぎだし」と呼ぶことにしました。 もしもどこかの郷土料理でちゃーんと呼び名があるって場合は教えてください。
作り方
葱ダシ version 1.0.0と言ってもいい感じに作り方や材料が安定してきたのでブログでも書いておくかって次第、この記事の本題です。
用意するもの
- 白葱1本
- 九条葱とかの青葱は葉の部分がぶんぶんチョッパーで切りにくい
- っていうかほぼ切れないので高密度な白葱*2が良い
- 出汁の粉(8g〜10g程度/つまり一袋)
- かつおでも昆布でもいりこでも好きな奴
- どれを選んでも塩分は0.4g前後
- 大葉は10枚ぐらい
- っていうか適量(香りづけなので)
- 無いなら無いで無くても良い
- 多すぎると葱の香りが負ける
- 入れるとネギの緑より濃い緑で見た目が美しくなる
- 無ければ「かおり」ってふりかけ小匙2程度でも良い
- ただし「かおり」は塩分がわりとあるので注意
- 無ければ山椒の粉・山椒七味の粉を小さじ1程度でも良い
- っていうか適量(香りづけなので)
- ぶんぶんチョッパー
- 無ければ包丁でがんばって切る
手順
- 白葱の表面を洗う(葉の部分に付いてる土とかもキレイに落とす)
- キッチンタオルで葱を拭いてぶつ切りにする
- (2)の葱をぶんぶんチョッパーに入れてフタをして切る
- ボウルに笊を乗せ(3)を入れて水に晒す(葱の辛みを取る)
- ぶんぶんチョッパーの壁面に残る葱も笊に入れる
- 必ず三角コーナーを通して水を捨てる*3
- 出汁の粉を葱にまんべんなく振りかけて混ぜる
- 水分がある程度落ちるまで笊+ボウルを放置する
- 大葉を細かく切って葱と混ぜたら完成
補足(2023/04/10 追記)
- これはネギが好きな人むけのレシピです
- 材料が少なくて楽ではあるけど山形のだしは山形のだしで美味いし葱ダシは葱ダシで美味い
- つまり山形のだしと対立するものではない
- 水分を飛ばすなら布巾とかで絞っても良いです
- その方が早く完成する
- 僕は絞らず一時間ぐらい放置でお風呂に入ったり別のものを作ったりしています
- 水気を切るのに放置していると台所がネギの香りで満たされます
- つまりネギの香りも好きな人むけレシピ
- 辛味をとるのに火を通すとシャキシャキ感がなくなります
- 収穫から何日間か置いたネギの方が適度に水分が抜けてシャキシャキしています
分量
これが何人分かって聞かれると二人分ぐらい?な気がしますが僕は作った分は全て一人で食べるので詳細は不明です。
保存
作った分はその日に全て食べる*4ので何日ぐらい持つのかは不明ですが、葱そのものがもつ殺菌作用で 冷蔵庫に入れて一日ぐらいは大丈夫かもしれない気がします、たぶん。
プラグイン
塩分と水分と油分
塩分がほしい時や早く水分を切りたいなら前述の「かおり」を大葉のかわりに入れても良いです。 水分が残ってても良いなら白だしを大匙1ぐらい入れても良いです。油分が欲しいなら胡麻油を大匙1ぐらい追加ですね。
粉々にした味付け海苔も良いです。
元のレシピに塩分をほとんど入れてないのは、乗せる対象に塩分がわりとあるケースに対応するためです。
大葉とマヨネーズ
葱ダシを刺身や豆腐に載せるなら大葉が入ってるほうが美味いのですが、鶏の唐揚げに乗せるなら大葉は無くても良いです。
僕はやってないですが、揚物に乗せる目的ならマヨネーズと和えても美味いはずです、たぶん。
とろみ
とろみが欲しいならおぼろ昆布を最後に混ぜるとか、元々とろみの入ってる葱を使うとかですね。
乗せた例をいくつか
納豆はネギが必須と言われるので当然ながら葱ダシも合います、間違いない組み合わせです。
味の濃い料理に見た目でも味わいでも清涼感を与えるのは見ての通り、食べての通り。
焚いた大根を筆頭にあっさりした味の料理にも葱ダシは合います。
葱ダシのレシピに対するPull Request的なの*5があればお待ちしています。