プレイバック2023
振り返れば闘病生活。でもTVとプロジェクタ入れ替えたぜ by 西川善司
2023年12月29日 11:30
その年を振り返る、毎年恒例の企画。不運にも、12月中旬に風邪から気管支炎となり、20年ぶりに、その先の喘息発作ルートにまで到達してしまい、とんでもない年の瀬を過ごしている筆者だが、元気を振り絞っていってみたい。
西川善司の1年、振り返ればほぼ闘病生活
2023年は定義上(?)、世界はコロナ禍を抜けたこととなり、「三密」「ステイホーム」もその都合上(?)、死語となったわけだが、そのおめでたいタイミングの5月、筆者はこのコロナ禍において初の新型コロナウイルス感染を経験した。
4度目のワクチンを接種した後にもかかわらず、である。この“流行に乗り遅れたダサいヤツ感”は、漫画「ドラえもん」の「流行性ネコシャクシウイルス」エピソード(単行本6巻参照)におけるのび太を思い起こさせる。
さらに、その病み上がりのタイミングのゴールデンウィークの初日に、今度は尿管結石になり、脂汗を掻きながらかかりつけの病院に急患で担ぎ込まれた。病院のカルテによれば、筆者はちょうど2年前のゴールデンウィーク中にも、尿管結石で同じ病院に急患で担ぎ込まれていたらしい。
2年おきに尿管結石を開催するとは、まるで夏季・冬季オリンピックではないか。2年後の誘致は是非とも遠慮したいところ。なお、この必殺の大病コンボの影響で、筆者は「台湾COMPUTEX 2023」の取材を直前にキャンセルすることになった。
夏を迎えて人間ドックに掛かると「アナタ、高血圧過ぎます」と言われ、「血圧がここまで高いと咳き込んだときに脳出血するかもしれないので、胃カメラは受けられません」と怒られ、血圧を下げる薬を飲むことになる。かつて一度も欲しいと思ったことのない血圧計を購入して、そのレビューを価格.comに寄稿したことは、みんなにはナイショだゾ。
色々あったが、その後も畳み掛かる海外出張をこなし、ANAのマイレージクラスをプラチナに戻すまでに至った。
ただ、円安と物価高の影響もあって、2024年がこのペースのままいけるかどうかはわからない。まあ今は2024年を心配する前に、喘息からの回復を急ぎたい(笑)。
2023年に西川善司が買ったブルーレイ
毎年恒例の「西川善司、2023年はブルーレイを何枚買ったか」の話題から。
2023年に購入したタイトルは以下の23タイトル。『すずめの戸締まり』以外は全て洋画作品だ。また、ハリー・ポッターのUHDボックス以外の21タイトルは全て2023年内発売の新作になる。ハリー・ポッター作品は筆者が好きなシリーズだが、初期作品はブルーレイすら存在しなかった時代でDVD版しか持っていなかったので、今回改めて4Kで買い直した感じだ。
購入した23タイトルのうち、ブルーレイ3D作品は4タイトル。
調べて見ると、2023年内に発売されたブルーレイ3Dは全5作品で、全てが“ディズニー”取り扱いタイトル。そう、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』も販売元はディズニー。つまり筆者は年内に発売されたブルーレイ3Dの5作品のうち、4作品を購入したことになる。
では、購入しなかったタイトルは何かといえば『リメンバー・ミー 4K UHD MovieNEX Disney100 スチールブック』。今年発売されたこれは実質的な再販版。筆者は2018年に発売されたオリジナル版をブルーレイ3Dで購入済みだったので、今年の再販版は当然、購入していない。
大作映画がブルーレイ3Dで発売されていれば基本的には購入している筆者だが、2017年前後に3D対応テレビの販売が終了して以降、映画館で3D公開されるタイトルはそれほど減った印象はないものの、パッケージソフトとして発売される機会が激減したことは実感している。
実際、日本市場で発売されるブルーレイ3Dは、前述したように、2023年12月時点でディズニー取り扱いのみ。実際のところ、これは数年前からこの状態なのだが、意外に、ディズニーがしぶとく販売を続けてくれているのをありがたく感じている。
そんなディズニーも、ブルーレイ3Dとして発売してくれるのは、最近はマーベル・ヒーロー関連作のみ。ただし、同じマーベルものでも『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のようなソニー・ピクチャーズ制作ものは、ブルーレイ3D化されなかった。
前作の『スパイダーマン:スパイダーバース』は、ソニー・ピクチャーズものにも関わらず、辛うじて初回限定生産の形でブルーレイ3Dが発売されていたので、今回の判断は残念すぎた。
それと、ディズニーものの『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、2023年公開の大作だったので、ブルーレイ3Dの発売を期待したが叶わず。そういえば、ディズニーは、CGアニメ作品ですらブルーレイ3Dを発売しなくなって久しかった。今年もディズニーCGアニメ作品として『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』『マイ・エレメント』が発売されたが、ブルーレイ3D版は出ていない。
贅沢は言いませんので、2024年もブルーレイ3Dをよろしくお願いいたします(笑)
・UHD BD『NOPE/ノープ』
・UHD BD/3D『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
・UHD BD『ノック 終末の訪問者』
・UHD BD『すずめの戸締まり』
・UHD BD『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
・UHD BD『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
・UHD BD『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
・UHD BD『MEG ザ・モンスターズ2』
・UHD BD『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
・UHD BD『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
・UHD BD『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
・UHD BD『ザ・フラッシュ』
・UHD BD『バイオハザード:デスアイランド』
・UHD BD『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
・UHD BD『プレデター:ザ・プレイ』
・UHD BD『グランツーリスモ』
・UHD BD『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
・UHD BD/3D『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
・UHD BD/3D『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
・UHD BD/3D『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
・UHD BD『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』
・UHD BD『マイ・エレメント』
・UHD BD『ハリー・ポッター フィルムコレクション』
映像機器の入れ替え(1)~4K有機ELレグザ「55X9900」の導入
次世代機の噂が盛り上がる任天堂Switchだが、2023年は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『ピクミン4』『スーパーマリオワンダー』など、任天堂Switch向けゲーム作品が豊作で、西川善司の2023年夏以降のゲームライフは、任天堂Switchに強く傾倒することとなった。
その片鱗は「どうすりゃいい? Switchのサラウンド問題。ゼルダを5.1chで遊ぶ方法~前編」や「続・Switchのサラウンド問題。ヘッドフォンで5.1ch再生する方法とは」など、筆者の連載記事のアウトプットにも現れている。
こうしたネタを本誌で行なっていた2023年夏、シャープがネックスピーカーの新製品「AN-SX8」を発売した。
このAN-SX8、ありふれたネックスピーカーの新製品のように見えるが、実は“ありそうなのに実は業界でも珍しい”「eARC経由でリニアPCM5.1chを伝送可能なバーチャルサラウンド機器」でもあったのだ。
上の2つの記事で長々と解説したように、2023年時点で、Nintendo Switchが出力するサラウンドフォーマットに適合するオーディオ機器は非常に少ない。そんな中にあって、タイムリーに「ちゃんと適合するバーチャルサラウンド製品」が発売されたのだ。
しかし本機を活用するには、テレビ側に「ARC」ではなく、HDMI2.1規格の「eARC」対応が必須。筆者宅のテレビはeARC未対応だったので、組み合わせて使うことができないのであった。
そんな中、筆者の耳に、業界関係者から、こんな情報が届く。
レグザの4KミニLED液晶「Z970M」と4K有機EL「X9900M」の2シリーズに対して、“Switch最適化ゲームモード”が搭載されているらしい――。
実際、レグザ開発チームに問い合わせてみると、たしかに上記2モデルには、レグザ開発チームがわざわざSwitchに最適化したという超解像モードを搭載したとのこと。
この件については、回を改めて紹介したいが、これがどんな機能かを簡単に説明すると「フルHD(-α)相当のSwitchゲーム映像を、4K相当に美麗化するも、入力遅延は超低遅延のまま」というもの。
元々レグザシリーズは「ゲームはレグザ」をスローガンに、充実のゲームモードを搭載してきたわけだが、今期発売の2モデルに搭載された「ゲームセレクト」機能の「スタンダード」モードと「ロールプレイング」モードは、開発チームがほとんど趣味でSwitchに最適化したものなのだそうだ。さすがに大人の事情で“Switchモード”とは名乗れず、まことしやかな噂が業界に流れているわけだ。
そういえば、ソニーの携帯ゲーム機「PSP」の最盛期に、PSPの画面をテレビ出力した時に最大表示したうえで超解像処理を適用する「ポータブルゲームモード」をひっそりと搭載していたことがあるが、今回も、そのパターンらしい(笑)。このPSP向け画質モードは、筆者が強くリクエストして搭載してもらった機能だが(笑)、今回のSwitchモードは筆者が知らないうちに搭載されていた。まったく、困った人達だ(良い意味です)。
Switch最適化モードを搭載した今期発売の2モデルは、前出のeARC機能にも対応しているので、AN-SX8を使うことにも都合がいい。
ということで、今夏、筆者はテレビをTVS REGZAの4K有機ELテレビ「55X9900M」へと入れ替えた。
55X9900Mは、私物としては初の有機ELテレビであり、その漆黒表現には日々、感銘を受けているが、なにより、筆者のSwitchゲームライフを豊かなものにしてくれた。実際、筆者のYouTubeチャンネルの2023年8月のゲーム実況ライブはほぼ全回が「ピクミン4」となっているが、その全てを55X9900Mでプレイしている。
映像機器の入れ替え(2)~ビクター「DLA-V90R」の導入
プロジェクタは、長らく、ソニーのVPL-VW745(2018年購入)を使ってきたが、暗部階調表現がおかしくなったり、ランダムなタイミングで不意に電源が落ちるようになったりしたので、有償修理を敢行。このタイミングで他の機種に目が行くようになり、結果的に、ビクターの「DLA-V90R」への買い換えとなった。
そう、V90Rは8K(7,680×4,320ピクセル)解像度投写に対応したプロジェクタであり、8K対応機の購入は人生初。といっても、8Kは画素シフトによる疑似8K表示であるが。
直接の購入のきっかけは前述のようなタイミングにはなったが、もともとDLA-V90Rを大画面☆マニアで取り上げた際に「次行くとしたらこっちかなあ」とは思っていたので、いずれ、こうなる運命は決まっていたのかもしれない。
もちろん、ソニーからもVPL-VW745の後継に相当する新型機のVPL-XWシリーズが発売されてはいたし、そちらはそちらで大画面☆マニアでも取り上げ、画質的には素晴らしいことは確認済みだった。しかし、ソニーはVPL-XWシリーズから3D映像対応をやめてしまったことが筆者にとっては、逆にDLA-V90R選択の決め手となってしまった。
筆者はブルーレイ3Dのコレクションが豊富で、これらが見られなくなるのは痛手なのだ。なお、ソニーのVPL-XWシリーズでも、15万円~30万円の他社製の3Dトランスミッターを別途購入すれば見られなくもないが、ビクターは3Dトランスミッターを本体に内蔵しているので、この差は大きい。
筆者と同じ決断をするホームシアターマニアは少なくないようだ。ちなみに筆者は、偶然か必然か、ここ20数年の間にソニーのVPLシリーズ、ビクター(またはJVC)のDLAシリーズを交互に買い替えている。果たして次回は再びソニーのVPLシリーズに戻るのだろうか……
さて、このV90R、低遅延モードも搭載しており、入力遅延を60Hz時36ms程度にまで短縮が行なえる。約2フレーム遅延と行ったところなので、格闘ゲームなどのリアルタイム性が最重要視されるゲームは無理でも、ゼルダのような30fpsゲームであれば、事実上の1フレーム遅延程度になるので、十分遊べる。
実際、V90Rが筆者宅に設置されて以降、映画を見た利用時間よりもゲームプレイに使った時間の方が長い気がしている。
西川善司が2024年に欲しいもの~そして、昨年の答え合わせ
昨年のプレイバックでは……
- (1)長年使ってきたGeForce GTX 1070搭載のゲーミングノートPCから買い替えたい
- (2)より高画質なプロジェクターが欲しい
- (3)長年使い続けているニコン「D5500」に変わる世代の新しいデジタルカメラが欲しい
……と言ったことを曰っているが、(2)については、まさに今回の本文で取り上げており、夢を実現できている。
(1)については、色々とスペックを妥協しつつも、実は、かなりいいマシンを購入できたことをPC Watchの方で報告している。
2023年発売のゲーミングノートPCは4K解像度のディスプレイを搭載したモデルが少なくなっており、実は型落ち品の方が狙い目であることに気が付いた……的な持論を展開しているので興味がある人は参照願いたい。
(3)については、筆者が準レギュラーで参加しているポッドキャスト番組(インターネットラジオ番組)「Backspace.fm」のメインキャストで、散財系YouTuberのドリキンさんから、ソニーの「α7c」本体を譲り受けることができたので、2023年はそちらをメインカメラとして取材等で本格活用している。
それまで使っていたニコンのレンズ資産が受け継げなくなったので、レンズの方は別途購入することになり、そこそこな出費となったが、撮影される写真のクオリティは確実に上がったと実感している。
2024年に欲しいもの……は、今パッと思いつくのはカーナビだ。多くの人が「なんで!?」となりそうだが、理由がある。
筆者は、国内取材に出掛けるときや、普段使いの車としては軽自動車スポーツカーのホンダ「S660」を2016年から乗っているのだが、これに搭載したカロッツェリア(パイオニア)のカーナビ「AVIC-MRP660」(2015年発売モデル)のサポートがついに終了してしまうのだ。
MRP660はオンダッシュタイプの小型カーナビだが、機能面は上位機の「楽ナビ」ゆずりで、かなり優秀である。画面一体型の本体にもかかわらず、なんと車速パルス入力に対応しているため、GPS情報が取りにくい高層ビル地帯やトンネル内走行中も、かなり高精度な自車位置を割り出し続けてくれる。また、交通情報サーバーとリアルタイム通信して、広域な交通情報を取得。リアルタイムな最速リルートを行ってくれる「スマートループ」機能にまで対応しているのだ。
しかし、カロッツェリアは、この小型ナビ製品ジャンルの開発を2016年に終了すると発表。もう後継機がないのだ。そして、MRP660向けの地図データは2021年12月公開のデータが最終版となることが発表され、リアルタイム通信機能もMRP660に関しては2025年3月をもって終了することも発表されてしまった。
だったら他モデルに買い換えなさいよ……と言う流れになりそうなものだが、S660は、社外ナビを搭載する「DINスロット」がないため、オンダッシュ設置タイプのカーナビしか設置できないのである。
仕事では首都高を走ることが多いため、リアルタイムに渋滞を避けてくれる「スマートループ」機能は必要だし、やたらトンネルと高層ビルが多い都心部走行には、車速情報入力がとれない一般的なポータブルカーナビでは力不足だ。
助手席側のグローブボックス付近を大改造してアフターマーケットのカーナビ、カロッツェリア製でいえばサイバーナビや楽ナビなどを搭載できるホンダ社外製の内装大改造キットも発売されているが、2シーターでしかもラゲッジルーム(トランク)すらないS660にとって、貴重な荷物置き場である助手席スペースの使い勝手が下がってしまうのは頂けない。
こうなってくると「カーナビの買い換えじゃなくて、もう車を買い替えた方がいいんじゃないか」という話にもなってきそうだ。
GRヤリスとか、ちっこくて速そうで都内もキビキビ走れそうだし、普通のナビも搭載できそうだし、とてもよさそうだけど価格が高すぎて手が出ず。
トイレで用を足すときに、カタログを開いて「はあ」とため息と共に閉じる日々が続いている。S660自体には不満がないだけに悩ましい問題である。