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ソニー、Vlog向けカメラ「VLOGCAM」。バリアングルで自撮り、商品レビュー動画用ボタン
2020年5月27日 10:00
ソニーは、旅行やガジェット紹介、メイクといった趣味を楽しむ様子を動画でYouTubeなどに投稿するVlog(Video Blog)向けのカメラを開発。新たなカテゴリ「VLOGCAM」として「ZV-1」というモデルを6月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は91,000円前後。シューティンググリップ(GP-VPT2BT)付きの「VLOGCAM ZV-1G」もラインナップ。こちらの実売は104,000円前後。
現在のVlogは、スマートフォンやミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラなどを使って撮影している人が多い。ソニーがそうしたユーザーから、Vlog撮影時の不満点をヒアリングしたところ、例えば「今日紹介するガジェットはこちら!」といったシーンで、紹介する製品をカメラのレンズ前にサッと持ち上げると、製品にピントが瞬時に合わないといったAFミスの問題、撮影された人物の顔や料理がくすんだ色になってしまう問題、移動撮影時の映像のブレ、屋外撮影時の風切音といった部分に不満の声が多かったという。
また、カメラ機材の場合、各種設定をしようとした際に、例えば「F値」や「露出」など“ユーザーがカメラ知識を持っている事”をベースにメニューやUIが設計されているため、カメラに詳しくない人がVlogに挑戦しようとした場合、使い方がわからないといった不満もあったという。
一方で、映像美にこだわり、シネマチックな動画を撮影に挑戦したり、機材については詳しくないが、そうした映像を撮りたいとあこがれている人も多い。
そこでZV-1は、「かんたん操作・動画AF性能」、「小型・軽量ボディ」、「高画質」、「高音質」、「手ブレ補正」という5つの基準を1台で満たすモデルとして開発された。
カメラ仕様の詳細
外観的にはRX100シリーズとよく似ているが、ボディサイズは完全に同じではない。ただし、カメラとしての性能は「RX100 VII」や「RX100 V」と共通する部分も多い。大きな違いとして、背面のモニターがバリアングルになっている。電子ビューファインダーやフラッシュも非搭載だが、マルチインターフェースシューを搭載。マニュアルコントロールリング、NFC機能は非搭載。
撮像素子は1型で、有効画素数は約2010万画素。これは「RX100 VII」や「RX100 V」と同じ。
レンズの焦点距離は35mm判換算で24~70mm、F値は1.8~2.8。光学式手ブレ補正機能も搭載する。一方で、詳細は後述するが、動画の撮影能力をさらに高めている。
外観的な大きな違いはモニター部分で、RX100 VII/RX100 Vは上に約180度、下に90度チルトするモニターだが、ZV-1はバリアングルで自由度が高く、水平方向に176度、回転方向に270度稼働。自撮りも手軽にできる。
Vlog用の特徴的な機能として、背面にある「C2」ボタン(商品レビュー用設定)を押すと、顔・瞳検出がオフになる。これにより、製品レビューをする際に、顔の前に持ち上げた製品にピントが合わず、出演者の顔にピントが合ってしまうミスを回避。従来はピントが合わない場合、手で出演者の顔を隠したりする必要があったが、そうした行為をしなくても素早く製品にピントが合う。
顔・瞳検出をOFFにして、AFが顔に奪われないようにするという設定は、カメラの知識を持っている人は可能だが、それが無い人でも「C2ボタン」を押すだけで、製品レビュー用動画に最適な設定にできるところがポイントとなっている。
背景のボケ具合の設定も、わかりやすさを重視。F値を操作しなくても、背後にある山と人物のボタンを押すと、絞り開放1.8のボケ味がよく出る設定と、F5.6の背後までピンとが合ったクリアな設定の2つが切り替わる。この切替は、シューティンググリップ「GP-VPT2BT」からも行なえる。
AF機能は、ファストハイブリッドAFシステムを搭載。高速で正確な像面位相差AFで、自撮り時に素早くフォーカスを顔から背景に移すことができる。また、AF駆動速度をコントロール可能(初期設定:高速)、AF被写体追従感度も変えられる。動画撮影中のリアルタイム瞳AFも搭載。さらに、人物や物体を認識して、自動で被写体として追いかけるリアルタイムトラッキング機能も搭載する。
人種・年齢・性別問わず、人間の自然な肌色を表現できるという「ナチュラルスキントーン」機能も搭載。新たに、「顔優先AEモード」も利用できる。これは、顔を検出し、最適な露出で顔を際立たせてくれるモード。歩行しながらの自撮り時、明るい場所から暗所に入るタイミングで顔を検出し、自動で露出調整をしてくれる。対象が急にフレームから外れて顔検出できなくなっても、瞬時に露出を変化させることで安定した明るさを保つ。
αシリーズでは静止画時でしか利用できないが、動画撮影時でも、美肌効果を発揮。目元口元のしわ・シミなどを低減してくれる。効果は切/低/中/高から設定可能。
ウインドノイズ低減機構も搭載。3カプセルのマイクを搭載し、その上に風低減スクリーンを設置。マイクグリルでカバーし、ウインドスクリーンも標準で付属する。指向性の3カプセルマイクは、前方の音をしっかり補足する。さらに、3.5mmの外部マイク入力端子も搭載する。
電子ビューファインダーは内蔵していない。フラッシュも非搭載だが、代わりにマルチインターフェースシューを搭載。外部マイクや付属のウインドスクリーンを装着できる。
縦位置動画の撮影も可能。本体を縦向きにして撮影するだけで、縦位置撮影の情報も含めた縦位置動画が撮影できる。
動画撮影時の手ブレ補正機能も進化。アクティブモードに設定すると、光学式と電子式を組み合わせたハイブリッド式手ブレ補正が利用できるが、アルゴリズムを進化させた。4K解像度での補正能力は同等だが、フルHDでは補正能力がRX100 VIIから大幅に向上したとしている。
外形寸法は、RX100 VIIが101.6×42.8×58.1mm(幅×奥行き×高さ)だが、ZV-1は105.4×44×60mm(同)とわずかに大きい。一方で、バッテリーとメモリーカードを含めた重量はRX100 VIIの302gに対し、ZV-1は294gと軽量になっている。
録画ランプは前面に配置。自撮りしている際に、ちゃんと録画ができているか確認できる。さらに、自撮り時の安定感を高めるグリップを採用。左手人差し指がフィットするRECボタンを採用している。
動画撮影時の1撮影29分制限は無い。解像度は最大4K/30p対応で、4K/24pにも対応。フルHDは120pまでの撮影が可能。ハイフレームレート撮影は、960fps、480fps、240fpsが選択でき、これはRX100 VIIの960fps、240fps、120fpsから進化している。
Webカメラとしても利用可能
撮影中の映像をライブ配信する機能も搭載する。ZV-1をパソコンにUSB接続し、Webカメラとして使うもので、ZV-1の明るいレンズ、被写体深度の浅いぼけ感のある映像、顔優先AE(露出)、高いAF性能、光学ズームなどを活用しながらライブ映像配信ができるという。なお、対応のPCソフトウェアは、2020年7月頃に公開予定。
Premiere Rushが3カ月無料で使えるキャンペーンも
Adobeの動画編集用ソフト「Premiere Rush」が、3カ月無料になるキャンペーンも実施。同ソフトの利用価格は月額980円だが、VLOGCAM ZV-1/ZV-1Gを購入し、製品登録をすると、3カ月無料権限付きURLが発行される。
購入期間は6月19日~9月28日で、予約販売受付期間中の購入商品も対象となる。キャンペーン申込期間は6月19日~10月12日まで。