そのコピーは変やろ3
キンチョール、逆さに持たせて「ルーチョンキ」。
だから買ってねキンチョール。とは絶対に続かないな。てことは、私の
バイブルとなっているコピー判定法(http://gold.ap.teacup.com/applet/frankjuso/15/trackback)
によれば、このコピーは失格となる。といっても、これは今から約30
年も前の話。
ところが「キンチョール」、実はこの路線一筋で突っ走ってきている。
最新作では「水性キンチョールは空気を汚さない努力を…」という女性
のセリフに、「そんなつまらないことを言うために、こんなところに呼
び出したんですか」と突っ込んでいる。
その徹底ぶりや、恐るべし。
こうした変なコピーは、クライアントサイドからの要望だという。同社
は「消費者の心に刺さるようなトゲのある宣伝を作りたい」そうだ。ト
ゲのあるところが、ミソだ、
つまり、このCMの直接的な目的は商品を売ることではない。「キン
チョール」ブランドを突き刺すことにある。こうしたコピーもありかも
しれない。商品の価値は、それが空気を汚さないことにあるのなら、何
となく伝えようとはしているのだろう。しかし、圧倒的にブランド名が
残る。これはトゲが刺さったように心から抜けない。
ブランドは、とんがっていればとんがっているほどいい…。のであれば、
変則技ではあるが、こうしたCMも一案ではあるのだろう。
個人的には違うと思うが。しつこいようだけど、価値を伝えてこそコ
ピー。この思いは変わらないな。