エゴン・シーレの自画像を模写する

550-momo無題

ルノアールでも、ゴッホでも、ピカソでもなく、
エゴン・シーレという画家の、
それも自画像を選んだということ。

この絶妙な選択がすべてを物語っている
といってもいいほどです。

作者は大学生の男子。油彩。

450-無題

骨格がはっきりと手で触れられそうな
意志的な下顎(したあご)。

高い鼻梁(びりょう)のむこうに
一瞬、こちらを見ているようでいて
鏡のなかの自分を見つめている視線。


500-hanshinn無題

エゴン・シーレは1890年、ウィーンでうまれました。
当時、画壇に君臨していたのは
アールヌーボーふうな美で世界を席巻した
グスタフ・クリムト。

親子ほども年の離れたクリムトに
エゴン・シーレは自分のデッサンを差し出し、
批評と助言をもとめたことがあります。

君はすでにわたしよりよく知っているではないか。
これがそのときのクリムトのことばです。

480-houxuk02i無題

こちらが「ほおづきのある自画像」(1912年)
というタイトルがつけられた原画です。

550-new pic無題

この絵を見たとき作者は
ほかの絵では味わえなかった
精神のバイブレーション(震え)を感じ取ったのでしょう。

それがなにかを知るためには
ゆっくりと時間をかけ心の共鳴板を
とぎすましていくしかない。


550-eyes無題

エゴン・シーレがたどったであろうそのままを
キヤンバスに写し取っていく。

その時間の経過でしかみえないもの、
つたわらないものこそが
この画家が追いもとめたものではなかったか。


550-yoko無題

エゴン・シーレへの深い共感が
この絵に落ち着きをあたえると同時に、

人間の存在をむき出しに表現したいという欲望が
筆のタッチにもつたわってきます。

550-leon11無題

模写としても、また作者の作品としても
なにか人の心をとらえてはなさない
熱量のつたわってくるとてもいい作品になりました。

こういう絵がかけたのも
感受性がするどい若さの特権といっても
いいかもしれません。

エゴン・シーレの一生は第一次世界大戦をはさんで
28年という短いものでした。

第二弾として作者は
「エゴン・シーレのイメージで自画像をえがく」を
完成させました。
こちらもクリックしてごらんください。↓

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