ASUSの「Eee PC」シリーズや、Acerの「Aspire One」のヒットもあって、「Atomと言えば、低価格パソコン用CPU」というイメージが強くなっている。しかし、今回紹介する富士通の「FMV-BIBLO LOOX U/B50」(以下LOOX U)は、これらとはちょっと違う。NetBookより小さなUMPCで、価格も実売で13万円弱と少々高価だ。
LOOX Uは低価格なNetBookとどこが違うのか? どんな点が魅力なのかを中心にチェックした。
国産UMPCの代名詞がAtom搭載に
LOOX Uは国産・国内開発UMPCの代名詞的な存在だ。ライバルであるソニーの「VAIO type U」の新製品が登場していないことを考えると、事実上「唯一の存在」といってもいい。
このシリーズは、インテルの最新モバイルCPUの採用に積極的である。Intel A110をいち早く導入したのも同社であった(関連記事)。そう考えると、夏の終わりになってようやくAtom機が登場というのは、少々遅いようにも思えるが、実はそうではない。
もともとこのモデルは、Atomの出荷が始まる7月ごろの発売を目指して開発が進められていた。インテルのイベントや各種展示会でも試作機が展示されており、デザインを目にした人も少なくない。諸般の事情で製品化が延期され、ようやくこの時期に市場投入となった。
Atom搭載機としては初代だが、LOOX Uシリーズとしては第二世代に当たる。そのため、各部の作りは非常に洗練されている。不満の多かったディスプレーも、1280×800ドットと高解像度化され(前モデルは1024×600ドット)、実用度が増した。
弱点のキーの打ちにくさも大幅に改善
もっとも分かりやすい改善部分がキーボードだ。UMPCは小型・低価格であるがゆえに、キーボードにしわ寄せがきやすい。旧モデルのLOOX Uも例外ではなく、クニャクニャとしたタイプ感で、けっして使いやすいものではなかった。だが新LOOX Uは、キーボードの操作性の面で大きな改善が加えられている。
本体サイズはほぼ同じなのだが、従来14mmだったキーピッチは14.8mmに拡大。しかもキートップが一回り小さくなっているので、となりのキーに指が触れづらくなっている。底面がたわむことも、キーがぐらぐらとすることもなく、サイズの割にはかなりタイプしやすい。
さすがにキー配列は特殊で、@や「」などは、Fnキーを併用して入力する。それでも以前のモデルに比べて、一般的な利用で困ることは少なくなった、という印象だ。特にカーソルキーやTabキーが独立したという点は大きい。
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