紺色のひと

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アンちゃんケーキのひみつ

実家の最寄の地下鉄駅に降り階段を上がると、見慣れたポプラ並木が吹雪に揺れていた。何度見ても、見慣れたものだ。景色も、そして音も。

さて、明日はいよいよバッッッレンタインデーですね。全国に散らばるMNO(もてない男)のひとりとしては、このイベントをスルーするわけにもいかず、かといってカップルバスターズ。として街にはびこるMO(もてる男)を駆逐する勇気も出ず、どうすればいいかと考えたわけでした。ああそうか、もらえないなら自分で作ればいいんじゃね? となんのひねりもない答えにたどり着いた僕は、実家に伝わるチョコレートケーキのレシピを教わるべく、年に数度しかないと言われる6時上がりを使い、一路実家へ向かったのでした(以上あらすじ)。

さて、アサイ家に伝わるチョコレートケーキの由来を母に聞くと、フランス人の友人アンソフィーから教わったものを作り続けているとのこと。祖母などは彼女のことをアンちゃんと呼んでいたそうですから、さしずめこれは「アンちゃんケーキ」とでも名づけられるべきものでしょうか。
「テキトーでいいのよ、テキトーで」母の言葉に不安を覚えた僕。なにしろ炒め物とポトフしか持ちネタのない独り暮らし時代、作ったお菓子なんてヨーグルトムースと毒入りチョコとチョコレートブラウニーくらいしかありません。緊張もしますよ。
とはいえ始めないと始まりません。レシピを紹介します。



□アンちゃんチョコレートケーキ□

用意するもの【だいたい1ホールぶん】

  • チョコレート 明治のビターのやつ 4枚くらい……(1)
  • バター 箱半分……(1)
  • 卵 4コ
  • 小麦粉 カレースプーンで大さじ4杯
  • 砂糖 カレースプーンで大さじ4杯

※教わった際のバターひと箱は半ポンド(225g)だったが、200gになり180gになり、と減少傾向にあるため、100gくらい入れるのが良いと考えられる(2017.12.25追記)
※板チョコについては、概ね一枚50g程度として換算してよい。いわゆる明治とか森永の板チョコであればそのまま4枚入れてよい。(2020.3.8追記)
※ざっと計ってみると、砂糖(上白糖)は55-60g、小麦粉は50-55g程度であった。(2023.2.14追記)

「……え、これだけ?」
「……うん、これだけ」
「だからあんなにダダ甘いのか……」
僕の甘党の起源がわかったような気がしました。
「4の倍数だから覚えやすいよ」
聞いてないですよ。というかこんなに適当でいいんだろうか。

(1)をボウルにいれ、湯せんかコタツで温め溶かす。
 → 

卵は黄身と白身に分け、溶いておく。白身はメレンゲに。

溶かした(1)に砂糖をブチブチ込む。

続いて黄身を入れ混ぜる。

このへんの順序にはあまりこだわりがないらしい、というか忘れたそうです。

メレンゲ、小麦粉を2度に分けて混ぜながら入れる。
 → 
メレンゲの泡立てが足りないとケーキがやわらかくなってしまうので注意。

型にバターを塗り、小麦粉を軽く振る。生地を流し込む。

180℃のオーブン(またはオーブン機能付きのレンジ)で45〜50分くらい焼き、串を刺して生地がくっつかなかったら完成。


できたー!

めちゃくちゃに甘いです。チョコレートの量が半端じゃありません。


まさかアンソフィー女史も、友人に教えたケーキが30年後に日本で独身男性に受け継がれているとは思うまい。しかし男兄弟ばかりの我が家ですので、僕が受け継がないことにはアンちゃんケーキが途絶えてしまいます。甘党だからこそ、これからも自分で作ってみたいです。とりあえずはオーブンレンジの獲得から。


なんの面白みもないただのレシピ紹介になってしまいましたが、なんだか少ないらしい男性読者の皆様に贈ります。メリーバレンタイン! オォッ! オォッ!
さて、おれもひとりで食うか……やれやれ。まチョコん春。


タイトル元ネタ: