今回はジェイク・ギレンホール&アン・ハサウェイ主演の恋愛映画「ラブ&ドラッグ」(2010年)をご紹介します。
"love_and_other_drugs" Photo by Marco
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プレイボーイのジェイミー(ジェイク・ギレンホール)は、女癖の悪さから家電販売店を解雇されますが、実業家の弟の紹介で大手製薬会社に転職。
ジェイミーはチャーミングな笑顔と巧みな会話術で営業成績を伸ばしてゆきます。
ある日ジェイミーは営業先の病院でパーキンソン病を患う女性マギー(アン・ハサウェイ)と出会います。
2人は体だけのカジュアルな関係となります。
マギーとジェイミーが相手にカジュアルな関係のみを求めるのは、自分自身でいるのが嫌だから。
誰かと真剣に関わることは、自分自身を見つめることになりますからね。
そしてマギーの場合は、病の進行する自分の姿を誰かに見せたくない。
そして、愛する誰かがこの先辛くなって逃げ去るのを見たくない。
彼女は惨めさという感覚に押しつぶされそうなんですね。
ジェイミーも、幼少期に注意欠陥障害の診断を受け、その後も講義に集中出来ず医学部をドロップアウト。
成功者の父親へ引け目を感じています。
ジェイミーのノリの良い明るさからは分かりませんが内心劣等感を秘めているんです。
しかし、ジェイミーはやがてマギーを心から愛するようになるんです。
マギーにそれを見透かされると「いや、今の関係がいい。当たり前だろ?」とアタフタ。
確かに相手に心まで委ねたのに去られたら余計に傷つくもの。
マギーの場合は特に。
だからマギーと本気で付き合うのは鋼の決意が必要。
でも、ジェイミーはついに決心する。 …
ジェイミーの弟が名言をドイヒーなシチュエーションで言いましたが、「無意味を繰り返して意味を知る」ということがあります。
ジェイミーがマギーに出逢うまでは、無意味を繰り返す日々だったのかもしれない。
でもジェイミーの人生は、1人のひととの出逢いで変わるのです。
本作はアメリカの大手製薬会社の営業マンによる手記を元にしています(ただ、映画はどこまでリアルでどこがフィクションなのかは不明ですが)。
タイトルは「Love and Other Drugs」で、直訳すると「愛と他剤」になりますね。
マギーには、愛ともっと効果のある治療薬が必要だ、というジェイミーの願いに掛けているのでしょう。
この映画を観て思うのは、本気の恋とは逃げないこと、ということですね。
相手からも、そして自分自身からも。
愛の葛藤、頼ることへの葛藤があれども、たったひとりとの出逢いで人生が変わることがある、という恋物語。
主演2人の魅力と演技力で一気にもってかれましたね。
10年前に本作のレビューしていましたが、先日観直したので新たに感想を書いてみました。