「グッドフェローズ」~気の置けない仲…ではない。 | ネコ人間のつぶやき

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 マーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」(1990年)をご紹介します。

 

"Goodfellas" Photo by Abigail "Abby" Fink

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 ヘンリー(レイ・リオッタ)とジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)、トミー・デヴィート(ジョー・ペシ)の関係を中心にマフィアの内幕を描きます。


 貧困家庭で育ったヘンリーはマフィアに憧れます。


  マフィアのボス・ポーリーの元で雑用を始め、10代でかなり稼ぎ出すヘンリー。


 逮捕された際に口を割らず仲間を売らなかったヘンリーは、ポーリー達から認知されます。


 マフィアはとにかく金、金、カネ。


 ヘンリーはジミー、トミーと組んで犯罪を重ねて羽振りの良い暮らしを手にします。


 しかし、ある件をきっかけにヘンリーの人生は暗転してゆく。…


 本作は1955年~1980年にマフィアの一員だったヘンリー・ヒルという男の実話です。


 評価が高い作品ですね。


 「ゴッドファーザー」は神話的家族劇ですが、「グッドフェローズ」はかなりバタバタしていて重厚感はありません。


 でもそのぶんリアリティがあり、かなり怖いものがあります。


 タイトルは「気の置けない仲間」とか「いい奴ら」という意味です。


 実際ヘンリー、ジミー、トミーは無茶苦茶ですが、馬鹿騒ぎする兄弟分。


 しかし、時折ジミー、トミーは冷酷な狂気を垣間見せ、ワルのヘンリーさえギョッとなる。


"Goodfellas" Photo by Craig Duffy

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 大きなヤマを成功させるヘンリー達ですが、もし余罪でも逮捕されれば、ジミー達から警察に口を割るんじゃないか?と疑われる。


 結局誰も信用出来ない。


 いつ自分の前に笑顔の殺し屋が現れるか分からない、という緊迫した毎日。うーむ…。


 実は「グッドフェローズ」は気の置けないどころか、いつ消されるのか分からない関係であるわけで、タイトルはあまりに皮肉です。


 結局ヘンリーは一生マフィアの影から逃れられない。


 そういうエンディングですね。


 そしてエンディングに掛かる「マイ・ウェイ」。


  シナトラやエルヴィスでもなく、シド・ヴィシャス版というのが選曲の妙ですね。


 メインキャスト3人の演技と存在感に引き込まれます。


 特にレイ・リオッタ。この人の狂気を帯びた眼差しが凄い。


 特に追い込まれてゆく後半のボロボロな姿に彼の役者魂を感じました。


 時代もあってか、不思議とノスタルジーを感じさせる作りです。


 テンポも良く、スコセッシの演出が冴え渡っています。