秋が深まりクリスマスに向かう今の季節は落ち葉が舞う儚くも美しい季節。
リチャード・ギア&ウィノナ・ライダー主演「オータム・イン・ニューヨーク」(2000年)をご紹介します。
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ウィル(リチャード・ギア)はニューヨークの高級レストランのオーナー。
48歳の独身貴族で、マンハッタンの高層マンションに住むセレブです。
しかし、彼は女性を取っかえ引っかえしている自他ともに認める遊び人でもあります。
ある晩、店で誕生日を祝福されるシャーロット(ウィノナ・ライダー)に興味を持つウィル。
しかしその場にいたシャーロットの祖母ドリー(エレイン・ストリッチ)からウィルはシャーロットが今は亡きかつての恋人ケイティの娘と知らされます。
ドリーはケイティがウィルに傷つけられた過去から「孫には手を出さないで」と釘を刺します(当然です)。
ところがウィルは迷わずシャーロットを誘う。
この辺りがウィルのぶっ壊れたところです。
すぐに惹かれ合いますが、シャーロットは心臓に重い病を患っており、長くて余命1年と知るウィル。
ウィルの親友ジョンは「あの娘はやめろ。傷つけるな」と忠告しますが、ウィルはのめり込み、案の定シャーロットを裏切り傷つけてしまう。
ウィルが女性関係に深入りしないのは、その先が怖いから。
でもシャーロットが毎日直面している死への恐怖はその比ではありませんから言い訳になりませんが。
リチャード・ギアじゃないと前半部分を観るのがキビシい、と思ったくらいのウィルのアカン男っぷり。
そんなウィルは散々周りを不幸にしてきましたが、彼はそれを知りませんし、知ろうともしていません。
そういうウィルの深き業が彼の改心にまつわるキーパーソンを呼ぶのですが、ここでは伏せておきます。
悔い改めることは生半可じゃありません。それは奇跡に近い。
生き方を変えるというのは、それくらい大変なことだから並々ならぬ決意が要ります。
ウィルとシャーロットがその後どうなるかは本作をご覧ください。
ニューヨークの秋、特にセントラルパークの風景が素晴らしいのです。
最初のデートで黄色に染まった枯葉のカーペットを歩く二人。
シャーロットがウィルの腕時計を外す。
ウィルが「…いつ返してくれる?」と尋ねると、シャーロットは答える。
「あなたが忘れた頃にね」。
時が経過すると人は若さを失う。
時は全てを奪う、と言いますが「オータム・イン・ニューヨーク」は、時でさえ奪えないものがあるとしたなら…?というラブストーリーなんです。