こちらはノーマン・ロックウェルの「階下のクリスマスパーティを観ている女の子(LITTLE GIRL LOOKING DOWNSTAIRS AT CHRISTMAS PARTY) 」(1964年)です。
タイトル通り、女の子が二階から階下で行われているクリスマスパーティーを眺めている場面ですね。
いつも大事にしている人形がポイッと無雑作に置かれてます。
この子は、きっと親から「お二階のベッドルームで寝てなさい」と言われたんでしょうね。
今夜のクリスマスパーティーは、家族で祝うクリスマスとは別の大人たちのパーティー。
社交場ですから。
女の子の後ろ姿は、階下の世界に対して彼女が憧れ、羨ましさと、ちょっとの寂しさを感じていることがわかります。
「私もあの場にいたいな、早く大人になりたいな…」と。
大人たちの世界を羨望しながらも、自分と彼らの世界から境界線によって疎外されている寂しさ。
(違うシチュエーションでも)誰にでも同じような想いをした経験があることでしょう。
だから共感とノスタルジーを感じるんですね。
でもちょっと微笑ましくもある絵ですよね。
そこがノーマン・ロックウェルの真骨頂。
庶民の日常をユーモアとペーソスで描いたノーマン・ロックウェル。
この絵はノーマン・ロックウェルが子どもの視点から描いていますね。
そこには彼らしいあたたかい眼差しがあるんです。