行政の経営分析

橋下氏のブレーンの一人とされる、上山信一・慶應義塾大学教授が中心となって、大阪市のいくつかの事業の評価を行なったもの。取り上げられているのは、ゴミ収集事業、市営バス事業、消防事業、市営住宅事業、広報事業、下水道事業、市街地整備事業、施設事業、市民病院事業、国民健康保険事業で、いずれも中身に深く分け行った分析がなされており読み応えがある。特に市営住宅事業(約10万戸、市内の借家の6分の1)については考えさせられた。もちろん、よい意図で始められた事業なのだが、よい住宅には人気が殺到し、老朽化したところは空いているだけでなく、11回落選した人には「優先入居」という制度が設けられているため、わざと高い人気のところばかりを11回応募するような人までいる。追い出すのが難しいため、高収入になっても居座り続け、「相続」する家庭まである。まさに、資産として売却するなどの活用を考えた方がよいようだ。
行政の経営分析―大阪市の挑戦