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読売新聞ニュースより

阿久根市長、人件費張り紙はがした職員を懲戒免職
7月31日13時20分配信 読売新聞

  鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は31日、市役所内に掲示していた職員人件費の張り紙をはがしたとして、40歳代の男性職員を懲戒免職にした。

 竹原市長は「行財政改革を支持する市民に対する挑戦的な行為」と説明しているが、職員は「処分は重すぎる」として市公平委員会に異議を申し立てる方針。識者からも「免職にする事案とは言えない」との指摘が出ている。

 市長はさらに、監督不行き届きとして、総務課長を文書訓告、市民環境課長と総務課長補佐を口頭注意処分にした。

 処分後、竹原市長は「人件費削減を公約としており、張り紙は公約実現の手段の一つとして行った。職員から提出された顛末(てんまつ)書にも反省は見られない」と説明。「市役所の指揮、命令機能の危機的状況を明らかにした。事件の重大性にかんがみ、処分することにした」と述べた。

 一方、男性職員はこれまでの取材に「張り紙があると職員が萎縮(いしゅく)し、ミスが増える。これでは市民のためにもならないと思い、はがした。免職は納得できない。まずは公平委員会に申し立て、処分の不当性を訴えたい」と話していた。

 市職員労働組合(203人)の落正志委員長は「法を犯しているわけではなく、軽微な事案。裁判闘争も視野に断固、処分撤回を求めていく」と話している。

 昨年8月の市長選で初当選した竹原市長は、自身のブログなどで職員の厚遇批判を展開。今年2月、市のホームページで268人の全職員の給与について、1円単位での公開に踏み切った。市議会との対立が深まった4月16日、「平成19年度の人件費総額16817万円(正規職員26名分)」など、市役所の各部署の出入り口に、2007年度の所属職員の総人件費などを記した紙を張り出した。

 しかし、翌17日、市議会が2度目の市長不信任案を可決し、竹原市長が失職した直後、すべての紙がはがされた。竹原市長が出直し市長選で再選後の6月上旬、男性職員が「自分がやった」と名乗り出た。

 市の懲戒処分は、戒告、減給、停職、免職の順に重い。市の基準によると、免職は公金横領や飲酒運転による事故などに適用し、退職手当は支給しない。2007年、飲酒運転で事故を起こした職員を懲戒免職にした例がある。市は、男性職員に対して賞罰委員会を6月に計2回開き、いずれも文書訓告が妥当との判断を示していた。

 鹿児島大の平井一臣教授(政治学)は「懲戒処分を行うには、男性職員の行為が市民の不利益につながったとの明確な理由が必要。市長が考える市民の利益に反したと言うだけで、懲戒処分を行うのは妥当ではなく、理解に苦しむ。一般的に考えても懲戒免職処分を行う事案だとは言えない」と話している。

阿久根市長のブログはアンテナにも入れているし、考えは分かるが、引用にもあるように懲戒免職は行き過ぎた処分だろう。減給くらいの処分が望ましいのではないかと私は思う。